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 湖水地方の町Leccoから、再び普通電車に乗ってミラノに向かう。
ちょうど学校が終ったのか、車内は地元の中学生でいっぱいだった。
うだるような暑さなのに、クーラーは付いていない。全ての窓を全開にして湖畔を走る。
中学生時代の夏休み、国鉄のクーラーなしの鈍行であちこち旅したことを思い出した。

 びっくりしたのが、その中学生の何人かが、車内でタバコを吸い始めたことである。
実はイタリアでは、最近未成年のタバコは禁止されたものの、少し前までは親が許せば小学生でも吸えたそうなのだ。
確かに、昔のイタリア映画で、時々子供が友達とたばこをふかしている場面を見たような気がする。
そのような背景があるため、未だに周りが迷惑でなければ別段注意されることも少ないらしい。

 停車駅に停まる度に子供たちの数は減っていき、午後5時過ぎ、列車はミラノ・セントラルステーションのガラスと鉄のアーチの中に滑り込んだ。
イタリアの首都はローマだが、ミラノは空路でも鉄道でも国の玄関的役割を果たしているイタリア最大の都市である。
この駅も独裁者ムッソリーニが、国の威信をかけて建設したらしく、たしかにホームの上部を覆うアールデコ調の屋根はイタリアのセンスにあふれて実に美しい。
ヨーロッパには美しい駅が多いが、ここはその5本の指に入るに違いない。
駅舎も大理石をふんだんに使ったネオクラシック調であり、ゴージャスという言葉がピッタリだ。
吹き抜けの高い高い天井、カメラのフレームに収まりきらない広さ、まるでどこかの王宮にでも迷い込んだようで、その下にある切符売り場などが、なにか場違いに見えるほどである。

 外に出て駅の外観も眺めてみたが、やはり巨大で豪奢であった。
前景を捉えるのにかなり駅から離れなければならなかった。
さて今宵のホテルであるが、メトロに乗ってホテル街に行こうかと思ったが、駅からちょっと歩いたところにいい安宿が見つかった。
中央駅から歩いて5分。メトロの駅のすぐ横。大通りの前。部屋も適度に綺麗。そして安い。
迷わずチエックインして、部屋に入って重いバックパックを下ろし、窓を開けると、理解できた。
すごい騒音だった。



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