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書庫ヨーロッパ鉄道の旅

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              ↑今回使用したユーレイルパス・セイバー



 バスはようやくRER(パリ近郊急行鉄道)のCDG空港駅前に着いた。バスを乗り間違えたおかげで思いが

けずこの空港をバス観光してしまった。間近に飛行機が見えたり滑走路の横を走ったりと、とても面白か

った、…ということにしておこう。

さて時間がない。只今19時40分、切符売り場は20時で閉まるのだ。ともあれ切符売り場に急ぐ。そこはす

ぐに見つかったが私が想像していたJRの緑の窓口のようなイメージとはかけ離れていた。駅のプラットホ

ームにつながる連絡橋の橋詰に遊園地の屋外切符売場みたいな小さな建物が建っていた。ブースは5つ、

そのうちの2つが開いており何人かの客がすでに切符を買うために並んでいた。私もその最後尾に並ん

だ。が、だんだんイライラしてきた。ここから見ていても駅員の対応が遅いのだ。どう見ても客への対応

は横柄だった。そういえば昔の日本の国鉄もこんな感じだったような気がする。変に少し懐かしかった。

私が並んでいた列も一人、二人とはけ私の前の婦人の番になった。50代のフランス人女性だろうか。その

時信じられないことが起こった。まだ19時50分だというのにいきなりそのブースの駅員がCLOSEのサイン

を出してブースを閉めてしまったのだ。私を含めてまだ何人か客が並んでいるにもかかわらずに、だ。も

う一つのブースも駅員がいつの間にかいなくなっている。これには皆閉口して客同志思わず目を合わせて

しまった。正直あせった。せっかく苦労して、今日中にヴァリデードするために神経をすり減らしてここ

まで来たのに…。だが、ここは日本ではない。外国なのだ。何が起きても不思議ではない。では、私も日

本では通常とらない行動に出ることにしようと決意した。フランス語が通じるか通じないかなど関係な

い。窓をたたいて抗議してやろうとしたのだ。でもその必要はなかった。私の前に並んでいった婦人が私

より先に窓をバンバンたたいて窓の向こうの駅員に大声で抗議し始めたのだ。これには駅員もビックリし

たらしくしぶしぶ窓を少し開け婦人の抗議を聞き始めた。彼女の剣幕に押されたのかしばらくすると彼は

片付け始めた事務用品を再び出して仕事を再開した。それを見て婦人は私の方へ振り返り肩をすかしてフ

ランス語で何かを言った。「本当に信じられないわよね。だから国鉄はダメなのよ。でも、まあ、これで

安心ね。」きっとこう言っていたに違いない。

    


 私の番がまわってきた。パスを見せると駅員はよくわかっているようで、慣れた手つきでいろいろと記

入しだした。パスポートを見せパスの名前と照合すると今日の日付のハンコを押してくれた。手続きは5

分ほどで済んだ。そして私たちの行き先も聞かずにGARE DU NORD(パリ北駅)までのRERの切符を2枚くれ

た。場所柄ここでヴァリデードして同じくパリ北駅まで行く外国人が多いのであろう。私と妻はバックパ

ックをかついでパリ行きの列車に乗り込むために長い陸橋を歩き出した。飛行機を降りてから一時間半、

同じ空港の敷地内でたかが電車に乗り換えるだけでそうとう手間取った。しかし何はともあれユーレイル

パスを有効にしてパリ市内に進むことが出来る。かついでいたバックパックはそうとう重かったが一つの

仕事をやり遂げた満足感で心持足取りが軽いように感じた。

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