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翔ぶが如く、ようやく8巻を読み終えました。

山崎豊子の「二つの祖国と」並行して読んでました。

やっと西南戦争の火ぶたが切られました。ほんとにここまで長かった…。

最もこの作品、テーマは西南戦争というより、西郷隆盛とは何だったのか、ですから。

西郷軍は兵を起こしますが、政略、戦略を練って東京新政府を倒そうなどとはしません。

義はこちらにあるのだから、必然的に勝利すると。

そこに一片の憂いもありません。確信しています。

かつて加藤清正が築いた堅城熊本城も「青竹一本でたたき割れる」と、熊本城攻めにかかります。

これがかつて、大人の政治で幕府も長州もかき乱し、イギリスと手を結び最新鋭の兵器で旧体制を葬ったリアリズムの塊、西郷と薩摩の軍なのかと目を疑うほどです。

この矛盾が、西郷と薩摩武士の謎であり、面白さなのでしょう。

幕末の薩摩は日露戦争の日本人的、西南戦争の薩摩は太平洋戦争の日本人的、とだぶってしまいます。

日露戦争と言えば、旅順攻撃で有名な第3軍の乃木大将も、鎮台兵を率いて登場します。

ここでも乃木軍は負けばかりで、軍旗まで奪われる始末。

乃木希典という人は運という意味において軍人には全く向いていなかったのでしょう。

それにしても、当時の日本軍「鎮台兵」は徴兵制で集められた、江戸時代に差別されつづけた戦いとは無縁の農工商の庶民の若者たち。

一方の薩摩武士は、鎌倉時代以来、日本最強の武士軍団として恐れられた実戦的なプロの戦闘集団。

鎮台兵が武装、兵数で勝っても太刀打ちできないはずです。


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 『不毛地帯』、『二つの祖国』ときて次何読もうか?

で、山崎豊子の戦争三部作つながりということで『大地の子』となりました。

いづれも差別、戦争、流刑、強制収容所が舞台となりますが、「不毛地帯」ではソ連のシベリア抑留、「二つの祖国」ではアメリカの日系人差別、この「大地の子」ではソ連満州侵攻と文化大革命に翻弄される中国残留孤児の話となります。

同じ強制収容所や強制労働の描写でも、ソ連とアメリカと中国の違いがはっきりと描かれていて、山崎氏の取材力には舌を巻くばかりです。
ただ、程度、環境の差はあれ、これらは人間の尊厳をことごとく踏みにじるものであり、人類史の最悪の悲劇の一つだと言えることです。

ソ連参戦による満蒙開拓団の日本人の悲劇はすざましく、その逃亡劇は凄惨そのものです。

中国残留孤児のニュースは今までに何度も見てきましたが、改めて自分は彼らが舐めた辛苦を何も知らなかったんだなと気付かされます。

孤児たちもそうですが、彼らを引き取って育てた中国人養父養母たち。憎き敵国の子供たちをかくまうだけでもリンチにされる危険のあるご時世で、よくぞ、と言わんばかりです。

日本政府はここまで命をはって日本の孤児を保護してくれた彼らに、いったいどれほどの感謝と補償をしたのでしょうか。



戦争が落ち着き、中国が共産国になると次にやってきたのは『文化大革命』の大嵐。

知識人、技術者は労働者の敵ということで、吊るしあげにあい理不尽な告発、闘争で虐待、囚人として強制労働に送られます。

文革も名前だけはよく聞きましたが、これもここまですざましかったとは。

中国の発展が30年遅れたというのもうなずけます。

告発もこじつけ、証言もでっち上げ、裁判も滅茶苦茶。

しかし、ここまでひどかったとは…。



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最終巻の舞台は専ら東京裁判となります。

天皇の戦争責任、日本の大陸進出の是非、真珠湾攻撃は奇襲か否か、戦争中の日本軍の捕虜の扱い、現地民への虐殺、首脳部の戦争責任が扱われていきますが、事の重大さに翻訳のチェックを受け持っているケーンは心身ともボロボロになっていきます。

その中で将来を誓い合った薙子は被爆が原因の白血病におかされ、死に至ります。

東京裁判では戦争中の日本軍の捕虜虐待、現地民虐殺が裁かれますが、戦勝国アメリカの落とした原爆に関しては全て極秘扱いとされ、広島長崎の被爆者の惨状は公に世界に明かされることもなく闇に葬られます。戦争の矛盾がここでも浮き彫りにされます。

東京裁判の判決は一方的なもので、到底正義と公正に基づいたものではない事に、翻訳者ではあるものの東条英機たちに絞首刑を言い渡したケーンは悩みます。

原爆、東京裁判に納得のいかないケーンの言動は軍の諜報部にマークされ、再度の思想チェック。

かつては日本に日本人であることを拒絶され、帰ったアメリカでも日本人であることで強制収容所へ送られ、星条旗に忠誠を誓って言語兵としてアメリカ軍に参加、戦後はアメリカの正義のため、日本復興のために裁判に携わるも、結局彼はアメリカにも日本にも自分の祖国を見出すことはできませんでした。

まったく、戦争も、人種差別も、悲劇しか生み出さない事をリアルに思い起こさせてくれる作品でした。


 この本を読もうと思って本屋さんに行った時、上中下と3巻そろってましたが、本棚の前で気が変わりその時読んでいた別の本が読み終えるのにまだ2,3日かかりそうなのもあって、その後に買うことにしました。

まあ、早い話が12月は出費が多くてケチっただけなんですがw。

で、3日後にその本屋さんに戻るとなんと新装版に入れ替わっているではありませんか。

字が大きくなったので全3巻が全4巻になってました。

読書世代の高齢化と、若者向けに文庫本の字が大きくなっている傾向がありますが、私は小さい字のほうが読みやすいんです。一気に読めるから。

しかも1巻増えたから、750円ぐらい余分の出費になってしまいます。

こりゃいかんということで、あちこちの本屋さんをまわって旧版を探しまわりましたが、どこも入れ替え済み。

アマゾンも替わってるだろうし、と近所の古い本屋さんにもしやと入ってみると、ありました!

で、なんとか手に入れたわけです。

おかげで750円助かりましたw。






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 お気に入りの漫画のひとつ「とりぱん」8巻です。

発売と同時に買いましたが、不毛地帯に夢中になってしまい漫画読むの忘れてました。

8巻ともなると野鳥観察的な漫画なのでネタも尽きるかとおもいきや、やはり現実は小説より奇なり。

自然界ってのは無限にネタを供給してくれるものなんですね。

最も猫やコウモリや羊など、鳥以外のネタも増えているような気がしますが、それはそれで面白いです。

鳥と自然を愛しつつも、命のはかなさから目をそらさない、大自然の厳しさを受け入れている作者に共感します。

感傷論、感情論だけではなく、現実を見つめなきゃ人生だめですよね。

そう、自然は母のように優しく、反面恐ろしいまでに残酷なんです。

その中で精いっぱい生きるからこそ生命は美しい・・・。

「生かされている」という言葉は一見謙虚に見えますが私は嫌いです。

命は生きるんです!己の力で精一杯!

そこに甘えなど許されません。


って、えらい大げさになっちゃいましたねw


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中巻に入りました。

三男の勇はヨーロッパ戦線で、アメリカ白人部隊救出のために無理な作戦に投入された日系部隊の中で戦死。

選挙権のない日系人は最も危険なミッションに駆り出され、ここでも露骨なアメリカの人種差別が浮き彫りにされます。

日系人として差別を受けながらも、ケーンは日本語教師として、ついには語学兵として最前線に出ることを決意します。

日本兵を一人でも投降に導き命を救おうともするも、現実に待っていたのは戦場の地獄。

「生きて虜囚の辱めを受けず」の教育を受けた日本兵は、投降など論外で、自決、特攻、病死、飢死で無残な死を遂げてゆく。

その中で、とうとう弟の忠と戦場で出会ってしまう。

中編はすざましいばかりの太平洋戦争の最前線が舞台です。

山崎氏のペンは戦場の死臭、腐敗臭すら感じさせてくれます。

そして終戦。舞台は東京裁判へと移ります。

焼け野原となったもうひとつの祖国、徹底抗戦からアメリカ人に犬のようにしっぽを振る日本人のあまりの変わりよう、その中でも日本人とアメリカ人からの偏見の両バサミにされる日系二世たち。

進駐軍の日系兵士はクールなイメージでしたが、実際には様々な苦悩や葛藤を抱いていたようです。

また広島の被爆者の中には戦争で引き揚げてきたアメリカ生まれの二世たちも含まれ、彼らは祖国アメリカに対する恨みをつのらせます。

ここにも第二次世界大戦の悲劇の一つあります。

ちなみに東京裁判では、ソ連側の証人として瀬島龍三−不毛地帯の壱岐正のモデル−もわずかながら登場します。




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