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アヴィニョン街中のオアシスのようなサンマルティアル寺院の庭。
旧市街内は当然、建物も道路も石で埋め尽くされているので、このような噴水と緑、花があるとホッとする。
この庭の形、スペイン南部で同じようなデザインのものをよく見かけた。
後ろの廃墟のアーチもローマ遺跡を思わせるが、先が尖っているので中世の先代の寺院跡かもしれない。
ゴシック建築が流行りだしたころは、建築学的な計算式は未熟もしくは民族大移動の混乱で失われていて、設計はビルダーの経験と勘によるところが多かった上に、ゴシックスタイルの経験自体が少なく試行錯誤で建てていった。
それで昔は工事中または完成後に聖堂が崩壊してしまったという事故は結構あったようだ。
それが礼拝中なら相当の死者、けが人が出ただろう。
ここがそうだったのかは知らないが、以前の建物の一部を庭のオブジェとして残して、その隣に新しい聖堂を建てたような感じである。
とかうんちくを並べてみたが、単なる飾り、イミテーションとして新たに作ったものかもしれない。
はて、どちらだろう?
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フランス・プロバンス
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アヴィニョン駅の前に長々と横たわる城壁の門を抜けて、旧市街を貫く大通りを歩くとすぐ、この教会が右手に見える。
美しい庭園とこの歴史的建造物に魅せられて、ここで小休止。
ささやかなバットレスが側壁を支え、アーチも先が尖ったゴシックスタイル。
それでもアーチは円形に近く、窓もロマネスクのように小さいのは地中海地方の特徴だろうか。
イタリアでよく見た教会と特徴が同じだ。
ゴシックは西ヨーロッパ人の心の故郷「深い森」冷たい霧のようなイメージだが、南ヨーロッパ人のイメージは古代ギリシャ・ローマ帝国文明、地中海のギラギラ太陽の熱波よけかカタコンベ時代の遺伝子がそうさせるのか、乾燥したひんやり洞窟のイメージのような気がする。
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アヴィニョン・サントル駅を出ると、いきなり中世の城壁が旧市街をぐるっと囲んでいる風景を目の当たりにする。
古いヨーロッパの町では古代や中世の城壁を見かけることが多いが、部分的だったり、一部が崩壊していたり、後の建物に吸収されていたりするものだ。
それと比べるとこの街の城壁は見事なぐらい原型を留めている。
さすがは「教皇のバビロン捕囚」の地といったところか。
高さが少し低いように見えるが、この壁はもしかして海賊対策なのか。
すでに教皇はフランスによって政治的にローマからさらわれたようなものだったので、陸からのヨーロッパ諸侯からの攻撃よりも、当時アフリカから地中海沿岸を荒らしまわっていたサラセンの海賊対策なのではないか。
彼らは船で海から直接ローヌ川に入って、いきなりここまで攻め上ることができた。
ただしょせんは人さらいと略奪が目的の海の男たちなので、本格的な大型攻城兵器は持っていない。
それでこの程度の高さで事足りたのでは。
しかも法王庁宮殿本体の壁は高く堅牢に造られているので、仮に街の壁が破られても最悪そこで防げる。
なんて以上は、この城壁を見て勝手に妄想したこと。
本当の理由は知らない。
単に金がなかっただけ、だったのかもしれない。
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野宿も乗り越え、アルル駅で始発列車に乗り、無事アヴィニョンに到着。
始発列車と言っても、祭日ということもあり6.56発だった。
日本では考えられない。
いや、考えられない事はまだまだある。
駅が開いたのが4.30。しかし切符売り場がなかなか開かない。
日本のように自動券売機など存在しない。
切符は全て窓口で駅員から購入しなければならない。
にもかかわらず、駅員が窓口になかなか現れない。
6.30頃、やっと切符窓口が開いた。
窓口前には切符を買うためにバックパッカーたちがすでに長蛇の列を作っていた。
始発列車が来るまでにあと25分しかないのに、見てからに全員さばききれる人数ではない。
私たちはユーレールパスで旅をしていたので、隣町のアヴィニョン行きの近郊線は切符購入の必要がなく問題なかったのだが、TGVは予約が、イタリアやスペイン行の国際列車はパスポート提示が必要だったり、言語(発音)の問題やら何かと面倒で、そのうえ駅員たちは超マイペースで、人によっては強圧的な態度で仕事をするため列は全く進んでいなかった。まずあせらないし、急ごうともしない。
はたして彼らは希望の列車に間に合ったのだろうか。
ちなみに、ヨーロッパでは(国や列車の種類にもよるが…)日本のように間に合わないからと言って列車に飛び乗ってから車掌さんから切符を買うことは原則できない。
必ず駅で切符を買って、ホームにある機械に自分で刻印して乗車しなければならない。
まあ、車内で車掌さんから切符を買えないことはないのだが、罰金としてなかなか割高な請求をされてしまう。
(スイスでやってしまった…)
にもかかわらず、駅員たちは全く自分たちのペースで仕事をする。
そう、S.N.C.F フランスは未だに国鉄なのだ。
(40代以上の世代の方はそれだけで意味わかりますよね)
ヨーロッパの鉄道で冷や冷やしたくなければ切符は前日までに買っておくか、ネット予約をお勧めする。
ちなみにちなみにだが、日本では時刻を6:30と表記するところを欧米では国にもよるが、0630 だったり 6.30 とか 6h30 とか表記する事が多い。
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結局、宿が取れずアルルで野宿することとなった。
最近は山登りをするので登山用の寝袋を持っているが、ヨーロッパでは必要ないだろうと持ってこなかった。
駅前にベンチがあったのでここで寝ることにする。
駅が開いてればせめて待合室の中でと思ったが、残念ながら閉まっていた。
初めての異国の地での野宿。
アムステルダムやパリなら夜の駅前など治安が悪くて考えられないが、ここアルルは田舎なので人っ子一人いなく、車も全く来ず、時折貨物列車が通過するぐらいで、意外なほど安全で静かだった。
せっかくなので三脚とタイマーをセットして記念の一枚を撮る。
何かこの変な解放感。
ふむ、野宿もそう悪いものではない。
しかし夜も更け午前2時ごろともなると恐ろしく寒くなり、持っていた衣服を全て着込んだ。さすが夏とはいえ地中海性気候だ。
固いベンチであちこち体が痛くなったが、何とか寝られた。
いや眠れたのか眠れなかったのかよくわからない。
明け方4:30。駅が開いた。
あまりの寒さに駅の待合室に飛び込むと、暖かい。
室内にはヒーターが入っていて、さすがこれには救われる思いがした。
するとどこにいたのか、バックパッカーのアメリカ人の女の子も飛び込んできた。
どうも彼女も昨夜部屋にありつけず、この辺で野宿した口らしい。
私たちと出会って安心したのか、隣同士で始発が来るまで二度寝した。
何分経ったのだろう、何やら騒がしいなと目を開けると、待合室にはバックパッカーでいっぱいになっていた。
どうやらホテルを確保できずに野宿したのは私たち3人だけではなかったらしい。
同士が実はこれだけいた事になんだか笑ってしまった。
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