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書庫フランス・プロバンス

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〈地元の少女が古代闘技場に入っていくと野良猫たちが集まりだした。〉
 
ニームでの宿探しをあきらめた私たち夫婦は、再び宿がなかったアルルに戻って来た。
最後の努力でもう一度ホテルを探して街を歩く。
まだあたっていなかったホテルが数件あるもやはり満室だった。
時刻は夜の10時。夏の南仏とはいえ辺りは暗くなっていた。
このままではホテルどころか、レストランも閉まってしまうので食事にすることにした。
妻の「もうこうなったら野宿しかないね。」発言にビックリ。
実はこの状況でも私はホテルをあきらめきれずにいたのだが、やはりいざとなれば女性の方がメンタルが強いなと思い知らされた。
まあ、妻がそう言うなら私もあきらめがついて、夕食を楽しむことにした。
 
前菜にエスカルゴをたのんだのだが、海の巻貝が出てきたのにはビックリした。
メインはウサギ肉のプロバンス風だったのだが、塩味がきつくてワインを飲みまくった。
野宿前のせめてもの晩餐はいまいちに終わってしまった。
 
最後に店のお姉さんにどこか宿はないかと尋ねてみた。
今夜の宿がまだ決まっていないことを知ると、大変気の毒がってくれた。
このお店の系列のホテルがあるので電話をかけてくれたが、すでに満室だった。
それならばと、このレストランの支店が新市街にありそこにも電話で掛けあってくれた。
するとベットはないが閉店後の店の椅子でなら泊まってもいいとのことだった。
ただそこまではタクシーで行かなければいけない。
せっかくのご親切だが覚悟は決めていたし、今更移動もめんどくさいのでもう野宿することにした。
そんな経験をするのも旅の思い出だ。
 
 
 
 
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ここニームと言えば、ジーンズの素材デニム生地の故郷でもある。
フランス語で書けば de Nimes(デ・ニーム)続けて読むと「デニム」となる。
 
コロンブスが、この町の特産の布は固くて頑丈と言うことでサンタマリア号の帆布に採用し、大西洋を渡り新大陸を発見する。
時は流れ、その新大陸アメリカ西部でゴールドラッシュが起き、一攫千金を夢見た金坑夫達の間で作業服に丈夫なデニム生地を使うことが流行する。
さらにガラガラヘビよけにその作業着を蛇が嫌うという紺色に染めて出来たのがブルージーンズ。
それを作って売って大儲けしたのがレビさん一族。
「レビさんちの」ということで Levi's リーバイス 誕生。
 
その他、民主主義、マックフライポテト(フレンチフライ)、ギンガムチェックなど、アメリカ文化と思われているものが実はフランス発祥、という事はよくある。
英語なんて基本単語の70%ぐらいはフランス語からの流用だ。
そんな訳もあって、アメリカ人とフランス人は今も昔もお互い憧れつつも馬鹿にし合っている。
さらにここにイギリスが入ってくると、このイギリス、アメリカ、フランスの三角関係がまたバカバカしいまでに面白いのだが…。
 
と、そんな雑学を語ってる時ではない。
まずはホテル探しだ!
結局、観光そっちのけでその日の最終列車で慌ただしくアルルに帰った。
ニーム、もっとゆっくり滞在したかった。
 
 
 
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力尽きてしまった。
アルルのホテルがすべて満室だったので、かすかな希望をもってニームにやって来た。
ニームはアルルより都会な上に目抜き通りは派手に飾られていた。
カフェやバールはビールやワインを飲んでいる夫婦や家族であふれている。
ホテルの軒数はアルルよりありそうだが、なんだか状況が悪いのではないか。
不安をよそに数軒ホテルをあたるが、案の定FULLの連続。
最後のホテルで、どうしてこんなに町が賑やかなのか聞いてみると、なんとこの日はニームはお祭り、夏のバカンス前の3連休中だったのだ。
フランスの祝祭日のシステムはよくわからないが、この年はたまたまなのか、とにかく5月の最後の3日が休みとなり、続く6月に入りそのままバカンス突入らしい。
それで皆、バカンスシーズン到来を祝い、喜び、飲みまくっているらしい。
フランス人、どんだけ休暇とれば気が済むねん!
ホテル従業員いわく、とにかく宿を探すならニームは今日は絶対無理無理。
アルルかアヴィニョンに行った方がいいよ。だそうだ。
そのアルルから来たんだよ〜ん。
祭日のためアビニョン行の列車はもうなく、再びアルルに帰るしかない…。
そう、だめもとで。
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ギリシャのパルテノン神殿を思わせるがここはフランス、プロバンスの町ニーム。
 
結局、アルルで宿が見つからなかったので電車で20分ほど移動して、ニームにやってきた。
アルルも古いが実はニームこそがフランス最古の町らしい。
古代ガリア人の集落は町ではなく、ローマ文化で造った集落を町と定義すればと言うことだと思うが。
この神殿メゾン・カレも西暦5世紀ごろに造られたらしい。 
 
と、古代ロマンに浸っていたいところだが、この時はいまだホテルが定まらず、見つからない重圧とアルルでホテル探して町中を歩き回った疲労も重なり、バックパックも数倍重く感じ、のんきに観光どころではなかった。
 
 
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アルルの街を観光しつつ、今宵の宿を探している。
なかなか空いてるホテルが見つからないのでこんな路地にも入ってみる。
一見何の変哲もない風景。
でもやはりここはフランスでも屈指の古い町、味がある。
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