Dr梅田悦生の日誌

赤坂山王クリニック院長梅田悦生先生からの発信

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種の違う動物が持っているウイルスが混じりあって、別の性格を持つウイルスのハーフの造ることがある。
たとえばブタがインフルエンザに罹っている最中に、鳥のインフルエンザ・ウイルスがブタの体の中に入ると、二つのインフルエンザはブタの体の中で情報を交換する。すると、ここでまったく新しいインフルエンザ・ウイルスが誕生する。では、このような機会は年中あるはずだが、ブタの体の中に入ったインフルエンザ・ウイルスはいつまでもそこにいるのではなく、ブタも風邪が治れば体からウイルスが抜けているので、二つのインフルエンザに同時に罹る確率はやはりそれほど多くはないと考えられる。
このインフルエンザ・ウイルスが体の中にいる時間は、ヒトではせいぜい一週間くらいと考えてよい。

ワクチン

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一般的にA型インフルエンザ・ウイルスは、わりと気軽に突然変異を起こす。その目安は年に一回くらいとされている。それに比べて、B型ウイルスの変異速度は遅く、C型ウイルスはもっとゆっくりである。
この突然変異は我々人間の側から考えると、実に迷惑な話だが、ウイルス側にとっては、生き残るために必要な道に違いない。突然変異を絶え間なく繰り返すことにより、ウイルスはヒトの免疫防御系から逃れることができるわけである。また、そのことによりインフルエンザは容易にしかも極めて迅速に世界中に拡がることもできるのである。
ちなみに、なぜエイズに対する効果的なワクチンができないかというと、エイズの原因であるHIVは実にインフルエンザの少なくとも一〇倍の早さでモデルチェンジするからである。そのように頻繁に突然変異を起こされてしまっては、せっかくワクチンをつくっても、的確に対応できないのが現状なのである。
ウイルスがこのように短時間でその性質を変えてしまうと、ワクチンは到底効くものではない。

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さて、現在開発中に違いない新型インフルエンザに対するワクチンは、この設計図をあらかじめ作っておくための手段なのである。
しかし、現在すでに毎年行われているワクチンに関しても、せっかく痛い思いを我慢して注射を受けたのに、予防効果がなかった、ということがしばしばある。それは次のような理由による。
確かに香港A型インフルエンザに対するワクチンをしたには違いないし、現に流行しているインフルエンザが香港A型であることも間違いないとする。しかし、同じ香港A型といっても、部分的にそれがごく一部モデルチェンジが施されていることがある。このようにインフルエンザ・ウイルス側が、世間の断りなしに勝手にモデルチェンジをしてくれると、予防のワクチンは意味がなくなる。
このようなモデルチェンジのことを、突然変異というのだが、インフルエンザで年に一度くらいの頻度で生じるこの突然変異ばかりは、私たちの予測をはるかに上回るのである。
まして、新型インエフルエンザとは、モデルチェンジどころか、まるで別のものなのである。

免疫がないということ

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抗体(Y字型ミサイル)がウイルスに対抗する最高の手段である。そして、敵ウイルスが過去に一度でも体内に入ってきたことのある種類ならば、それを殺すミサイルの設計図は、ヘルパーT細胞の手元で完成している。したがって、ヘルパーT細胞はウイルスの襲来に際して、空軍基地で待機しているリンパ球B細胞(爆撃機)に速やかにその設計図をFAXで送ることができる。
このように早めに応戦できると、ウイルスが増え過ぎる前に味方を勝利に導けるので、大事には至らない。すなわち、インフルエンザも重症にならないで治るのである。
そして設計図が既にあり、ミサイルが短時間に組み立てられる場合を、「免疫ができている」という。麻疹(ハシカ) やおたふくかぜは、一度かかると生涯免疫ができるので二度と同じ病気にはかからない。それは対抗処置が極めて手早くできるからである。
しかし、生まれて初めて出会ったウイルスに対しては、設計図をつくる作業から始めなければならない。それには、ミサイルを積み込むまでに数日かかります。
また、ウイルスの仕組みが複雑過ぎて、設計図が間に合わない場合には、人体はミサイルが完成する前に破壊されてしまう。致死率がゆうに七〇%を超えるエボラ出血熱やSARSで感染してまもなく死亡したケースなどはその典型的な例である。
免疫がないということは、このように危険なことなのなのだ。

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インフルエンザ・ウイルスと免疫系との戦いは次のような展開となる。
【a】エイリアン(ウイルス)が忍び寄ってきた。生体防衛軍の守備隊(好中球とマクロファージ)は、通常の警戒態勢を取りながらパトロールしている。
【b】のどから入ったエイリアン(ウイルス)はあっという間もなく粘膜の防衛線(バリヤー)を突破し、体内の細胞に入り込み増え始めた。好中球とマクロファージが直ちに集
結し、応戦に入る。この間もウイルスは気に入った細胞の中に入り込み、細胞が持っているRNAを勝手に使って増殖する。
【c】ウイルスの破壊力は強く、好中球とマクロファージは必死に戦うが、防戦一方の状況である。ウイルスは強力で味方の損害は拡大する一方だ。マクロファージは侵入してきた敵ウイルスの型式を分析し、後方で控えている将軍(ヘルパーT細胞)に伝えた。
【d】ヘルパーT細胞はマクロファージから受け取った情報に基づいて、敵ウイルスの種類を断定し、戦うために必要なミサイルが何かを決める。ミサイルはY字型をしているが、そのミサイルの設計図を持っているのはヘルパーT細胞のみである。ヘルパーT細胞は空軍部隊(リンパ球B細胞)にミサイルの設計図を送り、その製造・積み込みと攻撃命令を出す。このころには防衛軍は壊滅状態に陥っている。
現実の世界では、ひどい炎症でどの細胞が大々的に破壊されているために、病人は喉の痛み、発熱、咳などの症状を訴えている。
【e】防衛軍は全面降伏寸前である。しかし攻撃準備の整ったリンパ球B細胞が飛来し、Y字型ミサイル(抗体)でウイルスを攻撃し始めると、戦況は一変する。援軍の到着で、白血球もマクロファージも再び元気を取り戻すことができ、戦いは防衛軍の勝利で終わりを告げる。

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