あおいろ

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【抱きしめたい】あきらver.




霧雨が煙る中、俺はやっとのことで繁華街のオーロラビジョンを睨みつけている牧野を見つけた。


「牧野っ!」


呼びかけても返事はない。

オーロラビジョンには、スーツ姿の司が金髪の女とともに大量のフラッシュを浴びる姿が映し出されていた。

言葉少なにインタビューに答える司、幸せそうな笑顔で雄弁に語る金髪の女、その様子を仁王立ちで睨みつける牧野。

本来なら司の隣には牧野がいるはずだった。


「牧野!牧野っ!」


何度呼びかけても、俺の声は牧野には届かない。

牧野はその会見が終わるまで、一度も下を向くことなく、背筋をピンと伸ばして仁王立ちで睨みつけていた。

その凛とした佇まいは美しく、そして儚かった。





なぁ、牧野。
牧野は何も悪くないよ。
だけど、司も悪くないんだ。

牧野のことを忘れたくて忘れたんじゃない。
牧野のことを忘れた司が政略結婚するのは、当然の流れなんだ。
司は幸せそうには見えなかったがな………

幸せそうな司を見るのも辛いだろうが、幸せそうじゃない司を見るのも辛いよな?
牧野は優しいからな………





そう思うと居ても立っても居られなくなり、俺は気がついたら牧野を後ろから抱きしめていた。

牧野の細い肩がビクッと震える。


「美作さん………どうして?」

「なぁ、牧野。
俺と付き合ってくれないか?」

「何言ってるの?」

「牧野、お前は司に捨てられた訳じゃない。
お前が司を捨てたんだ。」

「美作さん……………」

「牧野は司を捨てて、俺と付き合うんだ。」

「あたし、美作さんのこと、好きじゃないよ?」

「大丈夫。
牧野は絶対に俺を好きになるから。
だから、今は泣け。
その代わり約束をしてくれないか?
司を思って泣くのはこれが最後。
彼氏の前で、元彼を思って泣くのは無しにしてくれよ?」


俺は牧野に小指を差し出した。


「美作さん、あたし、ホントに道明寺が好きだったんだよ………ホントに、ホントに………」


牧野は泣いた。
俺と指切りしながら人目も憚らずに泣き続けた。


「あぁ、わかってるよ……………」


俺は指を外し、牧野を反転させて、牧野が泣き止むまで抱きしめて背中を摩り続けた。
大丈夫、牧野は俺を好きになるから。
牧野は俺が幸せにしてやるから。
牧野の心の傷を癒すのは俺だ……………









俺はズルいのかもしれない。

牧野の心の隙間に入り込んで、無理矢理牧野を自分の彼女にした。

『詭弁』なのかもしれない。
それでも俺は牧野に暗示を掛けたかった。

『牧野は司に捨てられた訳じゃない。
牧野が司を捨てたんだ。」と______




俺と牧野が付き合っているという話は瞬く間に広がった。

外野は煩かった。


「道明寺さまの次は美作さま?
はしたないったらありゃしない!」

「美作さまは何か弱味でも握られてるのかしら?
それともボランティア?」


類にもボロクソに文句を言われた。


「あきら!随分姑息な真似してくれたね?
ホントに牧野を幸せにできるの?
牧野、凄いバッシングされてるよ?」


桜子は明らかな嫌悪感を示した。


「美作さんは確かに超優良物件ですわ。
理想的な彼氏で、将来的には理想的な旦那さまかもしれませんわ。
でも、このやり方はいかがなものでしょう?
『姑息』と言わざるを得ません!」


総二郎はただ一言こう言った。


「あきららしくねぇな?」


そうだな、俺らしくない。
俺は石橋を叩いて渡るタイプだ。
きっと他にも選択肢はあった。
だけど、相手は牧野で、牧野の心に居るのは司なんだ。
いつもの俺じゃきっとダメなんだ。
どんなに詰られても構わない。
牧野の心から司が消えて、俺の方を向いてくれるなら、俺は手段を選ばない。









俺はすぐさま家族に牧野を紹介した。
美作家は牧野を熱烈歓迎した。

親父は「可愛い娘が1人増えた」と喜んだ。
お袋は「前々からつくしちゃんにはあきらくんがお似合いだと思ってたのよ〜」と牧野に抱きついた。
妹たちは「「ずっとお姉さまが欲しかったの〜」」とハモった。

牧野の気持ちが付いて来ていないのはわかっていた。
美作家を騙しているようだと牧野が罪悪感を持っているのもわかっていた。
でも、美作家からの熱烈歓迎は、道明寺が植え付けた牧野の中のトラウマを消していった。



美作家は牧野を俺の婚約者として扱った。
パーティーのパートナーには必ず牧野を連れて行ったし、見合いも婚約者がいるからと片っ端から断った。
大学卒業後の就職先は、もちろん美作商事。
俺付きの秘書の予定だ。

俺は降りられない列車に牧野を乗せた。
牧野はそこから降りたいとは言わなかった。
が、俺のことが好きだとも言わなかった。
ただ、俺の前で司を思って泣くことはあの日以来なかった。

俺は正直、牧野の気持ちがどのくらい俺の方に向いているのかはわからなかった。
だけど、俺は何年掛かっても構わないと思っていたから、ただじっと牧野が俺の方を向いてくれるのを待っていた。
そして、その日は突然訪れた……………









入社式の帰り、俺と牧野は桜並木の下を歩いていた。
すると突然、牧野が立ち止まった。


「どうした?」


俺が振り返って問うと、牧野は意を決したように、勢いよく俺の前に自分の小指を差し出した。


「美作さん、約束して欲しいことがあるの。」

「約束?」

「うん、約束。」

「何だよ?」

「あたしを忘れないで?」

「牧野………?」

「美作さんの気持ちは痛いほど伝わってたよ?
おじさまもおばさまも絵夢ちゃんも芽夢ちゃんもあたしを歓迎してくれて、ホントに嬉しかった。
もちろん、美作さんもあたしを慮ってずっと傍に居てくれて、すごく嬉しかった。
少しずつ、少しずつあたしは美作さんのことを好きになっていった。
だけど、あたし怖かったの。
美作さんもあたしのことだけ忘れちゃったりするのかなって。
あたし、美作さんに忘れられたら、きっともう生きて行けない…………」

「約束するよ。
俺は牧野を決して忘れないよ。
俺、約束は守るタイプなんだ。
知ってるだろ?」

「うん、知ってる。
美作さんは誰より優しいし、約束を守るよね?」

「なぁ、牧野。
もう一回言ってくれないか?
俺のこと好き?」

「あたし、美作さんが大好き!」


牧野はそう叫んで俺に抱きついてきた。
俺は牧野をきつくきつく抱きしめた。




桜の花びらがライスシャワーのように降り注ぎ、俺たちを祝福してくれていた。





〜fin〜




抱きしめたい  の歌詞はこちらから↓↓↓
http://sp.uta-net.com/search/kashi.php?TID=2951


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いつも見守ってくれるharuwoさま

お話ありがとーー♡
あきらの想いが実ったっ♪
つくしに届いた♪
いつか
想いも願いも叶うと信じて
頑張るぞ〜!


あお



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