あおいろ

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西門の邸には、家元である親父と弟の直三郎だけがいる。
お袋は、、つくしが出て行ってから体調を崩して金沢に。

12月に入り、年末の挨拶・初釜の準備に追われ邸は慌ただしい。。
つくしはまだ見つからず、離婚届はまだ俺の手に。

夜中、眠れずに、つくしの温もりを思い出したくてリビングに向かう。
すると、誰かの話し声、、
親父か、、、? こんな時間に誰と話してる?

『・・・・・・・・・で、、病院へは?』

病院って事はお袋の事か?

『・・・もうそんなに? 精神的に参っていただろうから、、、無理もないか、、。 あぁ、もちろん、私達は家族だ。 何があってもどんな事になっても支えよう。 年末・初釜の事は気にしなくていい。 こんな時に、家族皆で支えてあげられないなんて、、辛い事だ・・・』

何があってもどんな事になっても、、最後までって・・・?
何の話だ・・・?

胸騒ぎがして、リビングの扉を勢いよく開ける。

『親父、何の話しだ?』
『・・・・・・総二郎』

親父は俺の存在に驚き、すぐ真顔になって手で俺を制する。

『・・・あぁ、総二郎だ。 又連絡する。 頼んだよ、藍子』

親父の言葉に息を飲む。 話してた相手はお袋・・
親父が家族といい、茶会よりも大切で、支えようとしている人間、、、
つくし、、?

『、、、つくしに何かあったのかっ?』
『・・・・・・・・・そうであっても、なくても、、お前に何の関係がある』

一気に血の気が引いて行く。 親父は瞬きもせず俺をじっと見つめる。

『つくしはお袋と一緒に、金沢の別荘にいるんだな?』
『・・・・・・・・・・・・・』

『くそっ! 隠してたんだな! すぐに行く!』
『・・・行ってどうする。 お前はつくしさんを悲しませてばかりいた。 私達にとって彼女は娘。 親として、哀しむ顔はもう見たくない。 ただ謝罪したいだけなら、行かなくて結構だ!! 離婚届を出してやりなさい!!』  
 
今までは、内輪の事で感情を表に出す事は決してしなかった。
父親の立場より、家元の立場がどうしても強く、
いい事も悪い事も、ほんのわずか発言が、周りに強い影響を与えてしまうから。
つくしが邸を出て、家族が集まるこのリビングで、初めて見せた親父の気持ち。

『すべて俺が未熟なせいだ。 つくしは俺にとって唯一無二の存在。 アイツを取り戻したいんだ』

つくしがいたこらこそ 少しは出来るようになった親子の会話。
このリビングだから、お互い言葉に出来たんだろう。

『・・・・・・・・・・ふぅ。 お前の言う通り金沢だ。 行くなら明日向かいなさい。 間に合えばいいがな』

親父はそれ以上何も言わずリビングを後にした。


翌朝、金沢に向かう前、心配を掛けたあきらにつくしが見つかったと連絡を入れた。

『お前は牧野がいないと何もできねぇ、ただの金持ちの坊ちゃんだ。 今回は、大目に見てやるさ。 でもな・・・二度はないぞ? 牧野を悲しませるんじゃねぇ! そんなことがあったらお前を潰す! それが俺らの総意だ 』

『・・・あぁ』



別荘に着き、つくしがいるだろう部屋に向かう。

『つくしっ!』

けれどそこにはいるのはお袋だけ。

『何の用です』
『つくしはどこだ?』

毅然とした態度で冷たい視線を俺に向ける。

『離婚届を提出していないようですが?』
『出すつもりは、ない』

『勝手なことを』
『・・どこにいる?』
 
俺が来るだろう事を聞いていたお袋。
つくしの居場所をすぐに教えようとしない。 
少しの沈黙の間、、

『・・・外の空気を吸いに出ています。 そろそろ帰って来るでしょう』

そう言って、お袋は目にためていた涙をポロリと流した。

やっとつくしと会える。。 早く会って抱きしめたい。 今までの事を謝りたい。。
待ちきれなくて、別荘の外に出る。
早く戻って来い、つくし。

金沢の別荘は市街から少し入った所。
自然に囲まれ、四季折々を感じる事が出来、つくしが好きで2人で何度も訪れた場所。
辺りをぐるりと見回すと、、恋しくて待ち望んでいたつくしが前からやって来た。

顔色が悪い、少し痩せたか? 
寒いからか? そんなにマフラーをぐるぐる巻いて、ニットのロングコートにブーツの完全防備。
一体何枚着込んでるんだ? 
外の空気や四季を感じるのが好きなお前。 そんなにまでして外を歩きたいのかよ。  

ふっ。 久しぶりにつくしの姿を見て安堵から笑ってしまう。 
と同時に、自分のした愚かな行為で つくし失うかもしれないという思いで手が、体が震えて来る。

『つくし。。』
『・・・・・・・総二郎』

見つめあったまま距離の縮まらない俺達。

『・・・つくし』
『離婚届、持って来てくれたの?』

『違う! そうじゃないっ! 俺は!!』

そういってつくしの側に行こうとした時、

『つくしさん、体が冷えてしまうわ。 さぁ、中に入りましょう』
『あっ、はい』

お袋が俺の話を遮る。

『総二郎さん、つくしさんの体調はまだ良くないのよ。 無理をさせないで頂戴』

そういってつくしの手を取り中に入ってしまった。

俺はつくしと2人で話したいと思うのに、、
何故、ここに来る。 察してくれよ、お袋。。


再び戻ったリビングで
ソファにはつくしとお袋、そして俺。 対面に別れて座る。
使用人が飲み物を運びつくしとお袋に。 
俺には、、お辞儀だけして去っていく。 
・・・・・・飲む物は、ない。 
歓迎されてない事は解っている。 
・・・・・・そんな事も構わねぇ。

体調を崩していると聞いて、いても経ってもいられなかったが、つくしの顔を見て少し安心した。
今までの事を素直に詫びよう。

『つくし。。 いなくなって心配した』
『連絡もせず、ごめんなさい』
『体調も悪かったんだから仕方ないわよ。 つくしさんは何ーーんにも悪くはないわ!』

『離婚届は出すつもりは無い』 
『でも、、』
『一日も早く出してくれて結構だわ!』

『・・・・・・邸に戻って来て欲しい』
『総二郎にとって、妻は私じゃなくても、、いいでしょう?』
『・・・こんな事を言わせて、、つくしさんのことはお父様と私で守ります! 私達の娘ですから! つくしさんの事は放っておいて頂戴!』

『うるせぇぇ!! 
俺はつくしと2人で話がしたいんだ! お袋は出て行ってくれっ ! !』 

さっきからごちゃごちゃと!! 言いたい事も言えやしねぇ。 

『な、情けない。。 この期に及んで総二郎さんは何一つ本心を言えないなんて!』
『大丈夫です、出て行かないで下さいね。 ここは西門の別荘。 出て行くのなら関係の無い私の方ですから』

つくしはそう言うと、コロコロに着込んでいた服やマフラーをやっと脱ぎ 膝の上に畳んで置いた。
初めて見た、いつもと感じの違う 渋いオレンジ色のワンピース。   

ちゃちゃ入れて、俺の本心を言わせない様にしてるのは、お袋だろうがぁっ!
どんどん悪い方に転がっていくだろうが!! 

やっぱり想いは俺だけの一方通行なのか、、?
俺だけがイラついて・・・ そんな風に感じた時、

『・・・いい加減にしなさいよっ、総二郎。 お義母さんに向かって何て言い方するのよ』
『つ、つくし・・?』

それまで冷静だったつくしが俺をギロッと睨んで怒りを向けた。  
そしてつくしの言葉を聞いてお袋が、、我慢していたのかシクシク泣き始める。

『な、情けない・・・』
『お義母様、新しい飲み物を持って来ますね』

つくしが目の前で立ち上がり、、、何か違和感を感じる。。。
初めて見たニットのワンピース。 それだけじゃない。。 オフタートルで首元も、いや全体がゆったりしている。 

まさか、、、

『つくし、、お前、妊娠・・・してるのか?』
『・・・・・・・・・・』

『つくしっ!!』
『だったら、、何? 大きい声を出さないで』

つくしはお袋を安心させるようにニコッと微笑み、飲み物を渡す。 
けれど俺に向ける表情は冷たいもの。 

『何って、俺の子だろ!?』
『迷惑は掛けない』

『何言ってるんだ?』
『この子は私が精いっぱい育てる』

俺が父親だと言うのに、俺を・・・排除するつもりなのか?

『総二郎の隣にいるのは、、、私じゃなくてもいいでしょ?』
『はっ? お前何言ってんだ?』

『外泊する事はなかったけど、、いつもいつも違う香水を纏って帰って来た。 私とは同情から結婚したんだもの。 もう私が用無しならはっきり言えばいいのよ』
『・・・・・・・・・・お前だって、、俺を愛してた訳じゃねぇだろう! ずっと司を忘れられないんだろう!?』

つくしが手をぎゅっと握り 泣くまいと必死に我慢しているのが解る。 

道明寺の記憶は戻ってる』

ずっと俺の抱えていた不安が現実になる。 
とうとう記憶を取り戻した司が、つくしを取り戻しに来た。。

『私達の結婚式のひと月前に、記憶が戻ったって』 

俺達の、結婚前・・・?

『まだ間に合う、俺とやり直して欲しいって。。 でもそんな事考えられなかった。 私には、私を支えてくれて、側にいてくれて、笑顔にしてくれて、愛してる人がもういたから・・・・・・』

『つくし・・・』

『一方通行の想いは、もう疲れちゃった。 西門さんが他の人に 《好きだ、愛してる》 なんて囁いてるところなんてもう見たくない。 もう無理しなくていいから。 本当に好きな人と幸せになってよ、西門さん』

つくしは自分の気持ちを全部伝えられた、、そんな思いでいっぱいだったのだろう。
今日会って初めて俺に笑顔を見せた。

『・・・俺は、遊んでいた頃も、つくしと付き合ってからも、結婚してからも お前以外にそんな事一度たりとも言ったことは無い。 俺はずっと、お前だけだ。 つくしだけを愛してる』

『・・・・・・・そんな信じられない』

『いつか司の記憶が戻ったら、つくしは司の所にいってしまう、、俺は決してつくしの1番にはなれないって、ずっとそう思ってた』

『・・・・・・・そんな事』

『俺達は、、言葉が足りなかったんだ。 不安を自分の心に溜めて、疑心暗鬼になって・・』

結婚した時、絶対離さない、幸せにしてみせると・・・そう誓ったのに、、
つくしを悲しませてしまった。。

『つくし、、俺達もう一度やり直そう。 俺はお前だけを、誰よりも愛してる。 ダメ、、か?』
『うっ・・・うぅぅぅ』

『つくしさん、、遠慮はいらないわ。 ダメならダメとはっきりおっしゃいなさい!』

お袋よ、、、、一体誰の味方なんだ? いい加減にしてくれよ。。。。。




お袋は東京に戻り、つくしと俺は数日この金沢で一緒に過ごした。
すれ違わないよう、間違わないよう、お互いの想いを伝え合う為に。。

2人で一緒に手を繋ぎ東京の邸へ戻る。 いや、お腹の子と3人で。
そして出迎えたのは、親父・お袋・直三郎。
西門のリビングにまた温かい空気が流れた。


公につくしの妊娠が発表された。 つわりが酷く安定期まで療養していたと・・・ 
そして、あきらから祝いの電話が入った。

『良かったな。 総二郎』
『あぁ。 サンキュ。 なぁ、お前、司の記憶が戻った事、知ってたか?』

以前あきらと話してた時と違い 穏やかに話せる。

『んぁ? もちろん類も知ってるぞ』
『・・・・・・何で俺だけが知らねぇんだよっ!』

『くくくっ、司の、お前への嫌がらせだろ。 牧野は司の唯一の女だったんだからよ。 それに俺はお前に忠告しただろ。 《牧野を悲しませるんじゃねぇ 。 そんなことがあったらお前を潰す! それが俺らの総意だ》 ってな
『総意って、、』

『もちろん司も入ってるって事。 ったく、毎晩の司の電話からやっと解放されるぜ』
『・・・・悪かったな。 くくっ』


何があっても俺の帰る場所はつくしのところ。。
これからずっと伝えよう。。

お前だけを愛している、、
あなただけを愛している、、と・・・。


fin.




こんにちは

初の総二郎編でした


haruwoさん
いつも本当にありがとう🌟
これからもよろしくね❣


追伸
明日0時に予約投稿するはずが
ちょっと早まってしまいましたっ
ナイスポチ
ありがとうございます♪
とっても励みになります


あお 

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