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先日読み終えた本です。
「魏晋南北朝」川勝義雄 講談社学術文庫 2003(原著1974)
中国の魏晋南北朝時代が、400年に及ぶ長い分裂時代にも関わらず、特に漢民族が亡命政権を開いた南朝において、貴族文化が花ひらき、次の時代の隋唐時代に至るまで、貴族が力を持ち、科挙官僚と勢力でしのぎを削ったというのは、高校の世界史の教科書にも記載されている周知のことです。
しかし、戦乱の時代でもある、この時代に何故、どのようにして貴族文化が花ひらいたのか、南北朝時代と隋唐時代の貴族制に担い手は同じだったのか?分かったようでいて、よく分かっていなかったですが、この本により、そのアウトラインは理解することができました。
また、貴族文化といっても、400年の中で一様であったわけではなく、教養とその名望で武人たちを押さえてきた南朝の貴族は、後半期には次第に退廃の中で、その貴族としての存在価値を失い、たびたびの王朝交代や北朝による侵攻で多くが没落したこと。隋唐時代には、北朝の軍事貴族や北朝で生き残っていた漢族系貴族が新たに加わり、南朝系の生き残り貴族と併存したことなどが、よく理解できました。
やがてその隋唐の貴族たちも、唐後期、それを上回る五代の戦乱で壊滅し、宋代の家柄に因らぬ、士大夫(科挙による文人官僚とその母体)の時代を迎えることとなります。
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