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この前、古本屋で今村太平著「漫画映画論」(昭和17年・再販版)なる本を買いました。 別に漫画映画論を勉強と思ったわけではないですが、一度読みたくなりいわゆる衝動買いです。 値段は5,000円程度です。 買ってから中身をパラパラとめくっていくと、2〜3ページ目にこんな絵を発見しました。 左のページを良く見ると。 おお!これはあのミッキー・マウスではないか! さすが昭和16年(初版)に書かれたとは思えない、ウォルト・ディズニー評論本の金字塔!おおげさか…。 この本は昭和16年2月に刊行され、私が購入したのは再販された昭和17年1月版である。 と言う事は、日本が昭和16年12月8日に大東亜戦争が開戦された約1ヶ月後の発売である。 最近の研究では、戦前戦中とあまり検閲はさほど厳しくなかったと言われていますが、 これも裏付ける一つの史料となるのではないでしょうか? もちろん、これだけでは厳しくなかったと断言するのは早計ですが…。 ちなみに写真2枚めの右ページの地図は、 ウォルト・ディズニーの「音楽合戦」と言う映画の地図で、この本の中にもその評論が書かれています。 またミッキー・マウスをはじめドナルド、プラトー、グーフィー、べティー・ブープ、ポパイなどの、 おなじみの名前を確認することができます。 この本の中で今村太平はこう言っている。 以下引用 (前略) 「チャールズ・チャップリンは、「モダン・タイムス」で描いた。機械の螺旋をしめる仕事に追われて発狂するチャップリンと、便利な機械のために虐待されて悲鳴をあげるドナルドとは、ともにアメリカ資本主義の機械的合理主義なるものの他の一面を告白しているものである… (中略) …このような描写は、いうまでもなくアメリカ資本主義の機械主義に対する反対性を表現しているものと見ていい。だからディズニー漫画におけるほど、また自然が反機械主義のために愛好されているものはない。つねに彼の空想は、アメリカの高度な機械工業会社から逃げ出そうと方向をとっている」 p124-p125 引用ここまで なのだそうだ。 資本主義社会を何気に批判する、共産主義的な視点であるのは言うまでもない。 まあ当時のこういう映画理論は偏った視点で書かれているのが普通ですがね。 飯島正、岩崎昶など当時映画界に流行したマルクス史観で映画を論じていることは有名です。 「漫画映画論」 今村太平著 第一芸文社刊 しかし、ミッキー・マウスもこんな視点で論ぜられるとは思っても見なかったでしょうね…。 ちなみに、この本は2005年にスタジオジブリが復刊しています。やっぱりな…。(2005年11月29日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/ghibli/cnt_eventnews_20051129a.htm |

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