澄み渡る秋晴れの中、10月2日に早稲田大学でステップ学級の生徒と早稲田大学生
による「稲刈り体験」が行われました。
今回私は残念ながら参加することができませんでしたが、ステップ学級の先生から報
告を受け、お話を聞くことができ、生徒達の写真と感想文を拝見することができまし
たので、ご報告いたします。
ステップ学級の生徒達の作文を紹介
★「稲刈りは足が泥にはまったり、稲の根元が太くてなかなか切れなかったが、大学生の方の手助けもあってなんとか無事に稲刈りを終えることができた。帰り際に、大学生の方達の姿が見えなくなるまで手を振り続けたことは、本当に心温まる出来事だった。来年も早稲田大学に行って、今度は稲刈りだけはなく田植えもやってみたい。早稲田大学に行って大学の見方が変わった。今日の体験は将来いい経験になったので、ぜひまた行きたい。」
★「私は以前にも稲刈りの経験があったが、泥の中に入って行ったことは初めての経験だった。順番を待つ間は楽しみでもあり、自分にもできるかな?という不安でいっぱいだった。でも、実際に行ってみると、泥の中に倒れることもなくて、しっかりと刈ることができた。終った後に長靴がぬけなくなったことには少し焦った。稲を刈り終わってから、稲を干すやり方がけっこう難しくて苦戦したが、頑張った後に食べたお弁当はすごく美味しかった。ふと私は帰り際に、なんとなくみんなと稲刈りに行く前よりも仲良くなったのではないかと実感した。一緒に行った子の中で普段はあまり話したことがない子もいたが、話してみたら意外に話が合って仲良くなれたことが、すごく嬉しかった。この遠足に参加して本当によかった。」
★「私は今回早稲田大学の見学に参加して、たくさんの感情が生まれた。正直な話、当日の朝まで『不安』な気持ちがおさまらなかった。なぜなら、集団の中で遊んだり交流をしたりする事に消極的だった為である。うまくみんなと絡んでいけるか心配で仕方がなかった。しかしそれもすぐに『安心』に変わった。自分なりにうまく溶け込むことができ、ステップのみんなが優しく受けとめてくれて、安心して会話のキャッチボールが出来た。『楽しい』『嬉しい』『面白い』等、たった一日だけのたった短い時間の中でこんなに楽しむ事が出来た事を嬉しく思う。でも、そんな中でも『焦り』を感じたことがあった。レクリエーションの終わりで、代表あいさつの指名を受けたことである。自分でも分かりやすいくらいあたふたしてしまったが、終った瞬間の何ともいえない達成感は忘れられない。とにかくうまくいって良かったという気持ちでいっぱいだった。これでまた一つ、自分の糧になったと思う。チャンスを作ってくれた先生には感謝している。」
★「稲刈りは小さい頃に行ったことがあった。今回足がはまってしまったが、頑張ってぬいたことは良い経験になった。最終的にズボンがぬれなかったのでよかったと思う。スタンプラリーでは、グループで仲間われもなく、仲良くできたのでよかったと思う。早稲田の大学生の方たちはとても優しかった。稲刈りの時も教えてくれて楽しい時間を過ごすことができた。稲刈りの順番を待っている時に、大学生と色々な話をすることができた。稲刈りも楽しかったし、大学生の日常生活について知ることができ、大学生と仲良くなれて本当によかった。」
★「ぼくは、初めて稲刈りをした。緊張したけどうまくいってよかった。稲刈りで靴下をぬらしたけど、なかなかできない体験ができてよかった。みんなで行ったゲームは、とても楽しかったので、またやってみたい。今回、食事は一人で食べるより、みんなで一緒に食べた方が美味しいということに気づかされた。また、行く機会があれば早稲田大学に行ってみたいし、このような体験がしたいと思った。」
★「大学についてから、みんなで行って楽しかったスタンプラリー。大学内の大隈庭園で農楽塾の学生さんたちが育てた稲を刈る体験。大学生の手本を見て、別のグループが稲刈りをやっているのを見ているうちは、以外と簡単かもと思った。でも自分の番になってやってみたらすごく難しくて思ったよりも大変だった。稲を刈った後は、「はさかけ」をしたが、これもとても大変だった。みんなでお昼ご飯を食べた後で、レクリエーションを行った。学生さん達と交流を深めることができ、最後に学生さんたちと握手をしながら帰った。初めての稲刈りは大変だったけど、楽しかった。」
彼らの思いを少しでも皆様に届けたいと思い、生徒たちの感想文をご紹介しました。
私が生徒達の作文より一部を抜粋要約しました。
読んでいただいて感じられたと思いますが、生徒達の楽しかった様子がひしひしと
伝わってくる作文ですよね。
作文を読み進めていくうちに、私の眼前に黄金色に輝く稲穂があらわれ、
太陽の光をあびて、懸命に取り組んでいる生徒達の姿と明るい笑い声が
聞こえてくるかのような錯覚をおぼえました。
早稲田大学とステップ学級の交流は、以前もブログでお伝えしたように、
6月の《すみだ食育フェスティバル2008》から始まりました。
今回のステップ学級の生徒達が「稲刈り体験」に参加したことにより、
区役所を越え、ステップ学級と早稲田大学がつながり、墨田区が目指す
「食育を通じて人の輪をつなげていきたい」という願いの種が芽を出し、
着実に成長し続けていることを実感することができ、とても嬉しくなり
ました。
報告によると、キャンパス内の見学の後に、あきたこまちの稲の収穫を
体験したようです。
写真から「刈り方→結び方→はさかけ」を早稲田大学の学生達から学び、
懸命に稲刈りに励んでいる様子が伝わってきますね。
どろんこになりながらの体験は生徒達の心に大きな変化をもたらしたよう
です。
※ 「はさかけ」
木材や竹などで柱をつくり、地面につかない程度の高さに横木を何本か掛けて
作った「はさ」に刈り取った稲を束ねて天日に干した状態だそうです。
私は昨年の決算特別委員会において、不登校の生徒達に必要な教育プランは
「体験学習である」と発言しました。
それも「衝撃的な体験が必要である」と述べました。
それらの体験を通じて、役割を持って行動し、自分が必要とされているというこ
とを自覚することにより、自信をもたせることにもつながると思ったからです。
以前まで、私が触れ合ってきた不登校の生徒は、様々な体験学習を通じて、
イキイキとした活力を取り戻し、自らの進むべき道を見つけ歩みだしていく
様子を見てきたからです。
今回、縁あって早稲田大学農楽塾の学生のみなさんと出会い、稲刈り体験を
通じて、生徒達が得たものは大きいと思います。
生徒達はステップ学級において出会った友人達を通じて、自分以外にも苦しむ
ものの存在を知ることができました。
他者を思いやる心を人一倍、持っているのがステップの生徒達だと思います。
私は生徒達に、自分の現状を嘆き悲観にくれて欲しくないのです。
学生時代もそうですが、社会に出ると色々なことが自分の身に絶えず降り注い
できます。
自分を守ってくれる最も身近な存在は、親でも先生でも友人でもありません。
ほかならない自分自身なのです。
私はステップの生徒達に、
「こんな貴重な体験をいま自分はしているんだぞー!」
と思って生きていってもらいたいのです。
子供の時期、思春期の時期にしか感じられないことはたくさんあります。
その時に感じることができた思いを大切にしてもらいたいなと思います。
ひとつひとつの体験が、彼らの成長につながっていることをほほえましく
思います。
いつもお話をお聞きする中で、ステップ学級の先生方が、生徒たちのことを、
本当に愛していることに気づかされます。
反抗する生徒の心にも、先生の真剣な思いが伝わり、信じられる大人として
感じるからこそ、そこに絆が生まれ、また頑張ろうという思いが生まれるの
だと思います。
ステップ学級の先生方の生徒達をあたたかく包み込むだけではなく、生徒一
人一人の立場にたち、時には厳しい態度で毅然と指導していらっしゃる姿勢
には、いつも心底感動をおぼえます。
先生からお話を伺うたびに、墨田区において不登校の問題に、重点をあてて
考えていかなければならないと実感しています。
引き続き、生徒達の成長を見守り区議会において発言してまいります。
【早稲田大学農楽塾の学生さんたち。すみだ食育フェスティバル2008より】
『黄金色の稲穂ろ〜ど』
作詞作曲 早稲田大学 松橋 拓郎(農楽塾)
そこのみなさん 知っていたかな
昔この街は田んぼに囲まれていたんだよ
だけどなんで早稲田なのに田んぼが無いの
それならみんで作ってみよう
もっと身近に感じてみよう
みんなで作った稲穂ろ〜ど
黄金色の稲穂ろ〜ど
毎日向き合って本当によかった
こんなに大きく育ってくれたね
都会の中でも君はたくましく
黄金色の稲穂ろ〜ど
みんなで作った稲穂ろ〜ど
黄金色の稲穂ろ〜ど
どこまでも続け
稲穂ろ〜ど
あそう あきこ
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