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涼しい日々が続いていますがお元気ですか?
本日は読むたびに感動がじわじわと実感できる絵本についてご紹介します。
秋の夜だからこそ思い出したことについても述べます。
以前、私が感動した詩人として紹介した長田弘さんの文章です。
『ねこのき』 長田弘/作 大橋歩/絵 クレヨンハウス
《あらすじ》
たくさんの花に囲まれたおうちにおばあさんは、
オレンジ色の長いしっぽのねこと一緒に暮らしていました。
ところが、ねこは車にひかれて死んでしまいます。
おばあさんは、庭に死んだネコを埋めました。
季節が移り変わり、春が来て不思議なことが起こります。
庭に小さな芽が出て、その後どんどん大きくなり、やがて大きな
立派な一本の木に成長します。
ある時、その木にオレンジ色の実がなっていることに気がつきます。
なんと、そのオレンジ色の実から・・・・・
死を見つめる
本文中で、おばあさんはねこの死を知らせてくれた
女の子に、自分の育てたきれいな花をわたします。
悲しい気持ちをこらえながらも、愛するねこを届けてくれた
女の子に対する、おばあさんのやさしさが伝わってきます。
きっと、おばあさんは生きて戻ってきて欲しかったはずです。
とても複雑な気持ちだったと思います・・・。
特に私の心に響いた絵本の最後の文章を引用
こころという にわにそだつ
いっぽんの ゆめのき。
これが おばあさんの
ゆめのき です。
ねこのき です。
命はめぐっていく
やさしいパステルで描かれた絵には心癒されます。
読み返してみて、しみじみと感じました。
重く受け止められがちな「死」の問題について、最初は悲しくて
しんみり受け止めていました。
でも、最後に近づくにつれて、おばあさんの手のひらに落ちてきた
オレンジ色のねこは「新しい生命の誕生」を意味すると思います。
読みながら、私が出逢うことができた人々、私が庭に埋葬してきた
亡き動物たちのことを思い出しました。
私と出逢った全てのものたちは、土に還り、他の生あるものたちを
育てて、今は大気の一部となり私を守っていてくれている。
そう考えるだけで、私の心にまたひとつ「希望の実」がつきます。
おばあさんのやさしいこころが育てた木。
死んだねこが生まれ変わりおばあさんと再び出逢う。
おばあさんの思いが生み出したミラクル・・・。
夢のような話だけれど、信じてみたい!
子どもにはもちろんのこと、大人の方にこそ
読んでいただきたい一冊だと思います。
何回か読むうちに、「悲しみではない涙」が
流れることを感じるはずです。
心に沁みるすばらしい絵本です!
自分の愛するものの死を受け入れること。
残りの人生を生きていくこと。
すなわち自分の死を受け入れること。
ゆるぎない決意をたずさえた心の庭に
「勇気」という品種の種が蒔かれ
「最初の一歩」の芽が顔を出し
「心の栄養」となるたくさんの経験を携えて
「輝きの花」を次々と咲かせて
「希望の実」を実らせて次世代へとつないでいく。
今夜も出逢えたことへの感謝と再びめぐり逢えることを
願いながら眠りにつきます。
あそう あきこ
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