江戸東京博物館開館15周年記念【北斎展】に行って来ました。 文政年間(1818-1830)長崎のオランダ商館長は4年後との江戸参府ごとに 北斎と交流があり、日本の人々の暮らしぶりを描いた作品を依頼していた そうです。今回の特別展では「オランダ、フランスから謎の風俗画40点」 が初の同時里帰りを果たしました。貴重な北斎とその弟子が描いた肉筆画は ライデンのオランダ国立民族学博物館とパリのフランス国立図書館に所蔵さ れているそうです。 「知らなかった北斎」と「知っている北斎」。 この二つの視点が、今回の特別展のねらいでした。 「知らなかった北斎」は海外にある作品たち、「知っている北斎」は、 ブログにも掲載した有名な冨嶽三十六景の作品たちですね。 また、北斎はすばらしい版画を残しましたが、一生を通じて描き続けたのは、 肉筆画や各種の版元への絵の提供だったということを、改めて多くの作品から 感じることができました。 オランダやフランス所蔵の貴重な作品郡を拝見することにより、 江戸時代に外国の人々に、北斎が絵を通じて、日本文化を伝えた 業績を改めて感じました。 初めて観る作品が多かったので、今まで知らなかったそれらの 経緯も知ることができ、ついつい興奮してしまいました。 また、私が好きな百人一首を題材にした、北斎晩年期の最大シリーズ 「百人一首うはかゑとき」が気に入りました。 北斎独自の解釈で描き出されている絵には見惚れました。 北斎の幾何学的な構図で全体が引き締まり、とてもエキゾチックな シリーズです。 1月27日で北斎展は終わりです。混んでいたので、一つ一つの作品を ゆっくりと見る時間を持つことができなかったのが、とても残念です。 「百人一首うはかゑとき」シリーズは、町田市立国際版画美術館蔵なので、 また会いに行きたいです。 冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏天保2〜5年(1831-34)山口県立萩美術館・浦上記念館蔵
テレビのCMによく登場する知名度NO.1の作品だと思います。 私のブログ上でも何回かご紹介させていただきました。 カメラもビデオもなかった江戸時代に、一瞬の波の動きをとらえ、 描き出したこの作品には、色あせない魅力があります。 とどまることなき探究心「北斎漫画」も公開され、展示されていました。 山水、人物、花鳥、鳥獣、楼閣、姿が見えない水や砂や風が、 北斎の手にかかると、今にも紙から抜け出して動きだすかの ような見事な画です。本当にすばらしかったです。 また、奇才・北斎の人柄が伝わるユニークな踊りの振付け『踊独稽古』 には、多くの人々が立ち止まり、注目して和やかに笑っていました。 私も観た途端に笑みがこぼれました。 足を踏み出す時に入れる力やその速さや次の動きなどが、一目瞭然にわかり、 改めて北斎のすごさを実感しました。 冨嶽三十六景 凱風快晴天保2〜5年(1831-34)山口県立萩美術館・浦上記念館蔵
この赤く染まる雄大な富士山の画も有名ですね。 「凱風」とは南風、初夏の風のことで、快晴の朝、年に何度か 富士山が見事に赤く染まることがあるそうです。 動いているようにも見えるいわし雲は、劇的な瞬間へ向けての 時間のうつろいを暗示しているそうです。 北斎のように、感動する瞬間瞬間を、素晴らしい画に残していく ことができたら、人生がより豊かになるなぁと思いました。 北斎展の会場は、観客の熱気に包まれていました。 現存する北斎の貴重な肉筆画や狂歌絵本の挿絵を拝見することが でき、本当に嬉しかったです。 最後の時まで、情熱を捨てずに生涯描き続けた北斎。 江戸時代の人々の声を、絵という形で残してくれた北斎たち。 北斎の『八十三歳自画像』からは、北斎の人柄が伝わってきました。 ちょっと風変わりな個性的なおじいさんという雰囲気です。 国立国会図書館に八十三歳の北斎と娘のお栄の姿を描いた 弟子の絵が残されているそうです。 重ね着をして、寒がりで炬燵に一度入ったら出てこない、 出不精な絵師の姿が想像できますね。 杉浦日向子著『百日紅』の中でも、娘のお栄との会話などから そんな北斎の生活を知ることができます。 それらについては、今度また述べたいと思います。 21世紀の私たちが、芸術作品と対話し続けることの意味は、 たくさんあることと存じます。 北斎が放つ自由闊達な光を感じる時、日々の喧騒からひととき離れ ることができる、かけがえのない時間であり、喜びでもあります。 今回の北斎展から、更なる探求心や課題が私の心に芽生えました。 また、研究報告いたします。 『絵本隅田川 両岸一覧』刊年未詳 オランダ国立民族学博物館蔵
この絵は、心惹かれるものがありました。 紫の傘がとても印象的です。 隅田川の下流から上流に向かって景観を描いた 狂歌絵本です。 画像がキレイに見えなくて申し訳ありません。 追伸◎ブログ(10月10日)「北斎の源流をたずねて」では視察報告として「波の伊八」(北斎の源流)について述べました。↓http://blogs.yahoo.co.jp/akiko_miyu/17628079.html ◎ブログ(12月2日)「決算特別委員会(北斎館について)」の中で、海外で評価されてきた北斎作品や北斎に関することを述べました。↓http://blogs.yahoo.co.jp/akiko_miyu/19189634.html 〔参考文献〕 ●『北斎(北斎展カタログ)』(東京新聞) ● 週刊「歴史をつくった先人たち―― 日本の100人 葛飾北斎」 ●『葛飾北斎 ― すみだが生んだ世界の画人 ―』監修・永田生慈 (財団法人墨田文化振興財団 北斎担当) ●『一日江戸人』杉浦日向子(新潮文庫) ●『お江戸でござる』杉浦日向子(新潮文庫) ●『百日紅(上・下)』杉浦日向子(ちくま文庫) あそう あきこ
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音楽/映画/絵画/陶芸
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