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3が16日に予告したとおりに
角幡 唯介さんの「極夜行」の感想を書いていきます。
久しぶりのヒット作です。
読んでいるのを前提に物語の流れを書きつつ進めます、
ネタバレしてから読んでも面白さは変わらないと思うので(たぶん)
未読でもどうぞ。
聞いたことのない言葉だと思います。 白夜はどうですか、学校の地理とかで学びませんでしたか? アイスランドとか寒い地域で太陽が沈まず、
ずっと明るいという現象です。 (極端な場合、半年も続くそう) グリーンランド(カナダの横の方)において、 極夜状態で4か月くらい、探検をおこない 「真の闇を経験し、本物の太陽を見る、そのときに人は何を思うのか」 というのが本筋なのですが その準備にまず4年くらいを費やしているんですね。 事前にデポと呼ばれる、食料や燃料を小屋に配置しています。 これがないと極夜探検が続けれないことになっています。 ウヤミリックという名前の、ソリを引くための犬を連れていきます。 この子がね、いやー、愛しいんですよ。 犬に、こんな感情移入したのは初めてです。 長い闇が、人間の頭をおかしくする、極夜病という症状もあり 朝昼晩のけじめがないので、何かやらなければならないことがあっても、義務感が生じなく 精神がぼわーってだらけてもしまうそうです 実はデポが白熊に食い荒らされていることを知らされ、やめるかと聞かれたのですが、 中止せず、以前に他の隊が設置したデポを頼りにしようと考えていました。 「探検とはシステムの外側の領域に飛び出し、未知なる混沌の中を旅する行為、 計画通りいかないのがいわば当たり前」 極夜では、太陽が昇らないので、乾かしものをコンロの火でします。 経験と技術をもとに現場の地形を読み解き、地図と照合して現在位置を測定 それが大きな創造的な喜びのひとつだから、だそうです。 不幸が続きます。 次は、無人小屋を目指します、月を頼りにしながら、 到着さえすれば、位置も完全に把握できるそう。 犬も旨そうに食べます。 極夜世界の深部入りこむ感覚。 「光は人間に未来を見通す力と心の平安を与えるのである、 それを希望という」 「闇は人間から未来を奪う、闇に死の恐怖がつきまとうのは、 この未来の感覚が喪失してしまうからではないか」 歩きにくい軟雪が終わり、快適な堅い地面に。
1月1日、無人小屋に、村から2週間の予定が27日もかかっていた。
白熊に破壊されたデポの確認。 白熊の食べなかった灯油20リットルを回収。 一番暗くて、ヤバい部分は乗り越えたと思った。
海岸線に沿って歩けば、4、5日で次のデポ地にたどり着く。
1月5日、小屋をあとにした。 50km先の1つ目のデポ地に9日に到着。 呆然とする、ここのデポも白熊に襲撃されていた。 牛脂800g以外は完璧に消失していた。 ドッグフードも20kgデポしていたがなくなっていた。 あまりの衝撃でまったく眠れなかった・・・
そこもやられていて、チョコレートバー系のお菓子の袋だけ。 「終わった」
準備したのに駄目だった。
35〜40歳という期間は特別な時間という認識 体力的にも、感性的にも、この年齢がもっとも力が発揮できる時期だからだ 人生最大の仕事として極夜の探索を選んだ 何か食べ残しが、出てきたのはガソリンばかりだった。 どうするか思案。 食料がなくなり、北極海を目指すなどといってられなくなった。
かといって村に戻ることもできない。 深刻なのは犬の食料だった、餌の残量は10日ぐらい。 このままでは餓死する、急に胸が苦しくなった。 死なせないために獲物を狩るしかない。 アザラシ以上の大物がいい(部外者が狩るのは違法) 湖にいけば牛がいるかもしれない。 極夜世界で狩りをするには月の光をあてにするしかない、残された時間は少ない。 自分の食料は、1か月弱残っていた。 ・・・犬の肉がある。 犬が死んだ場合、十日分の食料として見込める。 デッドラインにして狩りの期間を逆算した。 デポ地、北の岬を目指す。 1日やって狩猟の非効率性について痛感した。 うろうろ探し回るだけで数時間たってしまう。 オーロラも見える。
峠から少し下がると、足元に荘厳な光景が開けた。 闇夜の中、天空から照射される月の薄光りより 遠くまで白く発光して浮かびあがっていた 雪原はどこまでも奥に続き、闇の向こうで朧げに消えている それは壮絶なまでに美しい 幻想的な様子にしばしば見とれ、あきらかに地球上の風景のレベルを超えていた 太陽が常に存在する私たちの住むシステムの外側に 人知れず存在してきた地球の別位相に入り込んだのを感じた すなわち極夜の院内である。 月がでるとその運行時間に合わせ行動し、消えると太陽の運行にもとづいた、 24時間制に戻すという生活をつづけたせいで、 太陽と月の時差ボケに終始悩まされていた。 1日5000カロリーの食料を用意して前半は空腹を感じなかった。 カロリー不足、肉体の急激な消耗、 こみ上げてくる、ぞわぞわした寒気に、震えた。 極夜の深淵の縁に立ち、底の見えない黒々とした闇をのぞき見してる。 一歩踏み出せば奈落の底に転落するような。 犬も肉がごっそり落ちて、あと一週間ぐらいで死ぬだろう。 早く太陽の光が見たかった。 午前11時、南の空がうっすらと明るみ、急速に赤く染め始めたのだ。
もう1月18日。
順に橙、緑、水色、青とスペクタクルを変化させて夜空に吸い込まれていた。 次の日から行動時間を昼間に移すことにした。 が、厚い雲が上空を覆い、太陽の光はまったく出ていなかった。 そんな訴えをするかのように犬は私のことを凝視するのである。 レーズンを2粒足元に放り投げた。 闇の憂鬱も蓄積、動きたくなかった、発狂しそうだった。 牛の頭蓋骨を発見しむしゃぶりついた。
白熊の足跡が続いていた。
うようよしているかと思うと不気味でしかたなかった。 1月24日、デポ跡地付近に到着。
2週間ぶりに見ると記憶といくらか印象が違っていた。
20キロのドッグフードの袋を発見した。 雄たけびを3発はなった。 即座に2キロぐらい、ばらまいて食べさせた。 1月30日、元来た道を。 さらに明るくなった世界で、狐を撃って、その場で解体した。 小屋で5日ほど待って、2月5日、二週間分の食料と燃料をもって出発する計画を立てた。 脱力感が抜けないまま、2月7日から村への帰路につくことにした。 小屋を出てすぐ、狼が喉元に食いつくぐらい近くにいるのに気づかなかった。 トリガーを引き、狼の肉を手に入れた、この肉が最後に窮地を救うこととなる。 ツンドラ中央高地に達した。 氷床が見れたのは2月12日、翌日から難関である氷床越えにとりかかった。 近年、北極海を旅して、経験したことのないような不安定な天気。 氷河の入り口までたどりつけるかは微妙だった。 行ける日に進んだ方がいいと、心配している様子。 生還に必要な装備以外を捨てることに。 ライフル、カメラ、医療品、双眼鏡、乾電池をバックに詰め置いた。 3つの目印をすべてクリアし正しいルートであると確認。 たまらず電話。 ブリザードは天気予報を無視していた。 2週間前に計画した食料がつき、 狼の肉により命がかろうじてつながっていた。 テントの外にいた犬も仮死状態に、介抱。 太陽が出ていた。 「わあ すげぇ 太陽だ」 太陽の光を正面に浴び、氷河下りにとりかかった。 豪風は、まだ続き、天気予報以外頼れるものがなかった。 また犬を食べるという考えが。 が、ぎりぎりのところで嵐は止んだ。
氷河の入り口、次第に見慣れたフィヨルドの光景が広がる。 旅がいよいよフィナーレを迎えた。 だいたいどの本も1日あれば読み終わるのですが、
読破するのに3日以上費やしました。
1語1語かみしめてる自分がいました。
終わらないで欲しいなんて思いながらページをめくるなんて、いつ以来か覚えてません。
小説をなぜ、読むのかと聞かれたら、 「知らないことを知るため」と答えると思います。 イヌイットさんがフェイスブックしてるなんてもちろん知りませんし、知識の宝庫でした。
そのユーモアセンスも含め、他の著書もいずれ読むでしょうね。
本が読み終わるころ 「橇」 この漢字が「そり」であることをきっと忘れなくさせてくれる、
今年の自分内NO.1候補となる作品でした。
ながながとお付き合い、いただきありがとうございました。
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