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(すごい昔に書いたSSですが、載せてたサイトから移行してみました) |
お話本棚
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ラーファがトゥーリンの元を訪れた時、運の悪いことに、トゥーリンが自分用の天幕一杯に衣装を広げ、一つ一つを手にとっては身体に当ててみていた時だった。 ちょうど手にしていたのは丈の短くしかも裾がシースルーになっている黒いワンピース。 それを見て我慢できなくなったラーファはつい口を挟んでしまった。 「ずっとずっと、言いたいと思っていましたが……」 言いながら天幕に入ってきたラーファを、トゥーリンはきょとんと見た。 「あら、ラーファ。どうしたの? あ、ねえねえ、これどう? 可愛いと思わない?」 「可愛いと思わない? じゃありません!」 思わず叫んだラーファに、トゥーリンは目をまん丸にした。 「何怒ってるのよ」 「踊り子の衣装は、仕方ないと許可しましたよ。あれが通常というなら仕方ないですから。でもそれ以外の衣装……というか普段着も、露出が多すぎです!」 言われたトゥーリンは自分の身体を見下ろした。腰から下はゆったりとしたズボンをはいているが、胸は踊り子の衣装と同じ胸元しかかくしておらず、確かに露出が多いと言われれば多いだろう。 でも、はっきり言って今更である。 「踊り子ってのは魅せてなんぼでしょ〜? 舞台立ってない時だって営業中よ。野暮ったい格好なんてできないって」 「それでも、もう少し控えてください! あなたの格好に対して、私のところにいろんな方面から苦情がきてるんです」 「え〜……」 「ザッド=ルーラー雑技団の男性陣からの切なる訴えもあるんですよ! 目の毒だって」 力一杯訴えてくるラーファに、困ったトゥーリンは頭を掻いた。 うーんと唸っていたが、ふっと視界に入ったものに、ぽんっと手を打つ。 「わかった。わかったわ。今夜のお祭りの衣装は露出控えめな衣装を選ぶ。約束するわ」 返ってきた答えに、ラーファが喜色満面の顔を上げる。 それに、ただし、とトゥーリンは続けると、意地悪な笑顔を向けてやった。 「交換条件があるわ」 「交換条件ですか」 「あのね、世間ってのはそうそう要求は通らないようにできてるのよ。何かをして欲しければ対価を払う。ギブアンドテイク。わかるかしら?」 「はあ……」 「私はラーファの要求を呑んで露出の少ない服でお祭りに出るわ。その代わりラーファも私の選んだ衣装を着て、留守番じゃなく一緒にお祭りに出てちょうだい」 「……」 何とも答えがたく、ラーファは沈黙した。 要求に対して対価を求められることについては、異論はない。世の中そういうものだ。 だが、それでもすんなりうなずけないのは、トゥーリンがあまりにも底意地悪そうな顔をしているからだ。 「一体何をたくらんでいるんですか?」 「別に? たんに一緒にお祭り行きましょうよって誘ってるだけだけど」 「……本当ですか?」 「本当よ。で、どうするの? 要求を呑むの呑まないの?」 ラーファはまじまじとトゥーリンを見上げた。明らかに何かたくらんでいるのだが、そのたくらみの中身が見えない。 仕方なくラーファは、元々の要求を通すことにした。 「わかりました。その代わり、露出は控えてくださいよ」 「了解! 契約成立! 言質取ったから約束、違えちゃ駄目よ」 にんまりと笑って、トゥーリンは言った。 その夜、衣装をもらいに行ったラーファは、「なんですかこれは!」と大声で叫んでしまった。 けれど時すでに遅し、言質は取られて約束をしてしまったあとである。 渋々その衣装を受け取ると、自分の天幕--彼は他の団員と共同だ--に戻り、着替えると、再びトゥーリンの元を訪れた。 その時にはトゥーリンの方も着替えが終わっていて、黒いドレスに身を包んだ彼女が迎えてくれた。 約束通り露出は少ない。いつもに比べたら大分。だが…… (それでも世の男性の目の毒のように見えるのは私だけなんだろうか……) 思い、がっくりと肩を落とした。 「さあって、年に一度のお祭り。片っ端から回っていくわよ!」 「……やっぱり私いきたくないです」 「何言ってるの、ほら、行くわよ」 ずるずるとラーファを引きずって、まずトゥーリンは、座長の天幕を訪れた。 そして言う。 どんな衣装でも、東国に咲いた華の色香は色あせないのだ、というお話。 前座:
舞姫恋綺譚説明:http://blogs.yahoo.co.jp/akira_saetsuki/18843113.html 第一章: エピソード1:http://blogs.yahoo.co.jp/akira_saetsuki/19414998.html エピソード2:http://blogs.yahoo.co.jp/akira_saetsuki/19415402.html エピソード3:http://blogs.yahoo.co.jp/akira_saetsuki/19416162.html エピソード4:http://blogs.yahoo.co.jp/akira_saetsuki/19416478.html エピソード5:http://blogs.yahoo.co.jp/akira_saetsuki/19417006.html |
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舞姫恋綺譚 |
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こんばんは。今日何回目かのUpです。 きょうは珍しいですなあ。 舞姫恋綺譚を全部一掃しました。 てのはPCで開いてみたら恐ろしい文字の小ささで なんてかこれが会議資料なら 「わしらに読ませる気なんか〜〜〜〜〜」 とシニアにおこられそうな (シニアっておじいちゃんって意味じゃなくて『シニアマネージメント(経営者)』の略ですよ) フォントサイズだったので、大きくしついでに 色とかつけてみました。 背景かわってるのは ここ最近の友人とのもめなくていいごたごたにイライラして 気分一掃のためです。 二個年上の友人をマジ説教してきました。はい。 てなわけでいったん一章終わり。 次二章……と行くのってどうなんだろ? 全然気楽な短編じゃないっすよね。 うーむ。。。 もう少し気楽なのがかけそうだったら書いてみます〜
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