小説、彗星のように

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 第1章 1、

 圭が峠の頂上に着くと、そこにはフェアレディZが止まっていた。色はダークグリーン。
圭が車を止めると、フェアレディZの持ち主は車から出てきた。
圭も車を降り、そいつに近寄った。
「あんた、この峠の走り屋か?」
「そうだ。この正丸峠で走っている。それでは逆に質問しよう。お前も走り屋か?」
男は頷いて言った。
「いいや、俺はただのモグリのタクシーだ。峠は走った事は無い。」
「そうか・・・」
男は少し残念そうな顔をした。
「しかし、走ってみたいとは思っているんだ。さっきそこでRX−7とすれ違ったが、俺はアレに憧れたよ。」
「あぁ、あいつか。まぁ、あいつには及ばないが、俺も結構な走り屋なんだぜ。ひとつ、勝負してみるか?」
男はにやりと笑った。
「望むところだ。俺は、霧島圭。あんたは?」
「俺か、俺は麻生だ。」
麻生と名のる男は圭と握手をすると、車に戻っていった。
そして圭も車に乗る。
 桂と麻生は車を並ばせた。
「良いか、ルールを説明する。コースは下り。ゴールは峠を下ったとこにあるRX−7までだ。そして、
お前が先に出発し、俺がその数秒後に出発する。いいな!」
圭は余り納得いかなかったようだが、そのルールを承諾した。
「じゃあいくぞ!3、2・・・」
圭はエンジンをふかす。
「・・・1、GO!」
それと同時に圭は走り出した。
そして後ろから麻生がついて来る。
「最初は直進。ここでは負けないだろう。しかし問題は次のカーブ。ここでうまく決めないと抜かれる。」
圭は公道には慣れていたが峠はまったくと言って良いほど初めてだった。
第1コーナーでドリフトを決めたが、大きくアウトにそれてしまった。
そこを麻生にインを付かれた。
「しまった!」
しかしもう遅い。麻生はそのままインを付きつつ、圭の前へ出た。
「ふむ。走り屋としての才能はあるが、まだまだだな。」
そして第2、第3とコーナーを曲がるが、圭と麻生の差は一方に広がるだけであった。
「くそ!このままで終わるのか?」
そして直進が続き、麻生との差が縮まってきた。
「よし、後ろにつけた。次のコーナーで抜かす!」
そこは一番急な左カーブである。いろは坂並みの。
「ここで抜く気か。そうはさせん。」
麻生はドリフトをするとそのまま走り去ろうとした。その刹那。
圭が麻生のインを付き、前に出ようとした。
ブレーキを踏まず、アクセルをセナ足。
「あんたの弱点は左カーブだ。」
そう。圭はこの短時間で麻生の弱点を見抜いたのだった。
そして2台は並んで下り始めた。一歩間違えればどちらともただではすまない。
「ここからが本番だ。」
ゴールまであと少し。ここで勝負が決まるのであった。

 序章

 これは、今から何年も前の話である。この話は、傍から見ればただの馬鹿げた話にしか見えないだろう。
しかし、その馬鹿げた人生を送った一人の男がいた。名は、霧島 圭。この男、タクシードライバーでありながらライセンスを持っていない。そうモグリのドライバーなのであった。
 圭は個人で深夜タクシーを営んでおり、その改造に改造をした愛車「クラウン」で仕事をしていた。
乗せたお客は時間内に必ず送り届ける。がモットーであった。
 そしてその日も、お客を町まで送り、正丸峠を上っていた。
くだりまであと少しであろう。と言うところで圭は何かとすれ違った。
車を止め、後ろを振り返るとそこには白いRX−7が走り去ろうとしていた。
急なカーブをラインギリギリのところでドリフトし、滑っていく。摩擦により、リムが赤く染まっていた。その余りの速さにテールランプどころか、車の残像まで見えるほどであった。
「すげー!」
圭はその走りに圧倒され、魅了された。
そう。この出来事が、後の圭の運命を変える分かれ道だったのだ。
 そして圭は、峠を制覇する道を歩んでいった。

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