カレー&スパイス伝道師☆ブログ

クッキングスタジオ「サザンスパイス」主宰、渡辺玲のカレーな日常

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5月26日(日)

 幡ヶ谷のおいしい店「ジッカjicca」をお借りし、料理つきトークライブ「ひとつのスパイスから料理が広がる スパイスセッション」 を実施する。

 15回目になる今回のテーマは「梅雨を吹き飛ばすうま辛インドスパイス」。
 
 辛くて、おいしい。これが本来インド料理の持つ大きな魅力のひとつだろうと思う。
 
 ところが、テレビのグルメレポーターなどが、エスニック系の食レポの際中などに、よく口走るフレーズにこういうのがある。
「辛いけど、おいしい」
 辛いのは完全にネガティブ、否定である。おいしいものは、辛くてはいけないらしい。

 今回は、試食のプレートを召し上がった皆さんが「辛いけど、おいしい」ではなく、「辛くて、おいしい」とつぶやいていただければ成功、そんな風に考えている。

【試食予定メニュー】
.船ン・チリ
その名の通り、チリ(赤唐辛子粉)で風味を高めた、鶏肉の炒め煮込み。北インドやパキスタンのイスラーム式レシピ。

イメージ 1
 トウガラシたっぷりの「チキン・カライ」。北インドのスパイシーなチキン炒め煮込みだ。

▲戰献織屮襦Ε哀蝓璽鵝Ε船蝓Ε▲凜ヤル
季節の野菜を、ココナッツ、ヨーグルト、すりつぶした青唐辛子のソースで煮込む南インド、ケララ起源のカレー。今回は青唐辛子を利かせて、よりホットかつさわやかに仕上げます。

辛くておいしい「ダールカレー」といい弔發凌匹ない「ダールカレー」
ふだんは辛くないカレーを上手に辛くする方法その 6饌療な手順や使用食材は、当日、デモ調理でお見せします。辛いものと辛くないものを比較試食。

タ匹ておいしい「バター・チキン」とΔい弔發凌匹ない「バター・チキン」
ふだんは辛くないカレーを辛くておいしいものに変えるやり方、その◆今度は、日本で最も人気のあるインドカレーのひとつ、「バター・チキン」を「辛くておいしい」バージョンに変化させます。これもまた当日、デモ調理でその全貌がわかります。辛いのと辛くないのを比較試食します。

Д屮薀奪・ペパーの炊き込みご飯「ペッパー・プラオ」
 ブラック・ペパーを利かせたさわやかなスパイス炊き込みご飯

 辛さを演出するスパイスの紹介はもちろん、各スパイスを活用した料理例や参考レシピもいつもより多くなる予定。

 絶対にタメになるのは保証する。ぜひどうぞ。 


・ 各回2部入れ替え制で開催
(内容は同じ。ご予約の際にはどちらの部をご希望かをお知らせを)
【第1部】開場 11:15 / 開始 11:30 / 終了 13:00
【第2部】開場 14:15 / 開始 14:30 / 終了 16:00 ​

・参加費:3,800円 (テキスト、試食、1ドリンク込)

・会場:カフェレストラン jicca
〒151-0066 東京都渋谷区西原2-27-4 升本ビル2F奥
京王新線 幡ヶ谷駅から徒歩約5分 / 小田急線・東京メトロ千代田線 代々木上原駅から徒歩約10分    

問い合わせ、申し込みは
https://southern-spice.wixsite.com/spicesession/schedule
からどうぞ。

《このブログを書いているときのBGM》
クイーンのセカンド(1974年)
最高傑作の声もある。
https://www.youtube.com/watch?v=vRulFyRWFrY&list=PL2tMgWgIvcWlgHLog2-vv5Zrky4PmcQZf

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へ!

★個人サイト/~masala/ 『誰も知らないインドカレー』からも、「サザンスパイス」レッスンスケジュールや参加申込みは可能!





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5月18日

 本日、クッキングスタジオ「サザンスパイス」では14時から、パールシー料理の代表的セットメニューをレッスンする。

 パールシー料理とはゾロアスター教徒の料理のこと。古代ペルシャからやってきた西洋的なルックスのアーリア系人種を先祖に持つパールシーの人たちは、そのほとんどがインドでもムンバイ周辺に住んでいる。パールシー料理専門のレストランもほぼムンバイにしかなく、ちょっと変わった個性を持つパールシー料理はムンバイ名物の一つにもなっている。

 パールシー料理は、インド料理とペルシャ料理、2つの個性が巧みにミックスされているといわれる。一見ふつうのインド料理に見える。しかし食べると、いつものインド料理とは異なる食感、異なる風味が見え隠れすることに気づく。もっとも意外なのは、メニューによってはたいへんに辛いこと。インドとイランの折衷だから、辛さも両国の中間ぐらいと油断して食べるとたいへんだ。
 スパイスや食材の使い方も独特で「パールシー・サンバルパウダー」というミックススパイスがあったり、南インドでビリヤニやマサ―ラーに使われる「カルパーシー」と、北インドでしか使わない「カスーリ・メティ」(フェヌグリークの若葉を乾燥させたハーブ。「バターチキンやホウレンソウカレーに欠かせない)を、同じ鍋に入れたりする。

 本日、レッスンするのも、そんなパールシー料理の個性がよくわかるものばかり。

「ダンサク」(ダーンシャークなどとも聞こえる)
 たいていマトンでつくる、野菜や挽き割り豆も入ったカレー。チキンやベジタブルのダンサクもある。「ダンサク・マサ―ラー」と呼ばれるミックススパイスが味の決め手だが、カスーリ・メティとタマリンドという、ふつうのインド料理では絶対に同じカレーで顔を合わせることのない2つの食材を入れて煮込むなど、かなりの個性派。マトンとともにジャガイモ、ナス、カボチャなどの野菜も煮込む。
何しろ、一説にはパールシー料理版「サンバル」(南インドを代表するカレーで、タマリンドや各種スパイス、ダンサクにも使われる挽き割り豆や野菜が入る)ともいわれる伝統と人気のカレーなのだ。

イメージ 1
 マトンのダンサクの一例。私がつくったが、ちょっとカレーソースが濃いな。

 ダンサークに合わせる主食もちょっと変わっている。「ブラウンライス」というのだが、茶色味を帯びたその色は砂糖を熱してできるカラメルでつくるのだ。
 食べると当然やや甘いのだが、ホットなダンサクとの相性も申し分ないので脱帽するしかない。

 カレーとライスに生野菜のサラダがつく。このことも案外非インド的だが、野菜サラダがちょっと変わっている。「カチュンバル」といわれるが、ドレッシングが酢と塩、それに大量のパームシュガーなのだ。

 これから午前11時まで、本日のレッスン参加希望があれば、お受けする。席がまだ少しあるからだ。

 ご希望の方は、
panipuri@muh.biglobe.ne.jp
 までご連絡を。
 初めての方には、順路や持ち物もお知らせします。

 少年の頃のフレディ・マーキュリーはボンベイに住んでいて、家はゾロアスター教を信奉していた。おそらく、彼も食べたに違いないパールシー料理の傑作、ぜひこの機会にどうぞ。

《このブログを書いているときのBGM》
QUEEN『QUEEN』(1973年)
当然。
https://www.youtube.com/watch?v=oU7rqB9E_0M


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クッキングスタジオ「サザンスパイス」本日15〜18時

最近ほとんど紹介していないメニューを急遽レッスンすることになりました。

1.サンバルパウダーなしのカボチャのサンバル
 通常、「サンバル・パウダー」を使うことで、はじめてそのおいしさが保証される南インドを代表するカレー、「サンバル」。本日は、ふだんサンバルに使わないカボチャを使い、サンバル・パウダーなしで本場のテイストを再現します。
2.かんたんラッサム
 ラッサムも、本来、本場のテイスト再現にはセオリーがありますが、ここでは手軽なレシピで本場の味を再現します。
3.レモン・ライス
 最近、ミュージシャンの小宮山雄飛さんの尽力などもあり、注目度アップの南インド式混ぜご飯の代表。ここでも、美味で手軽なレシピをご紹介します。

イメージ 1
カボチャのサンバルの一例

イメージ 2
ラッサムの一例。マドゥライの一流ホテルにて

イメージ 3
ケララ州コーチンのグランドホテルのレモン・ライス

《このブログを書いているときのBGM》
IGGY AND THE STOOGES『RAW POWER』(1973年)
基本。
https://www.youtube.com/watch?v=_vUVAE4G31w

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「東洋経済オンライン」の『インド人が驚く日本の「ナン」独自すぎる進化〜ホッピーもある「インネパ料理店」てなんだ』という記事については、黙っていようと思っていた。あまりに間違いが多すぎる。しかし、それらを自ら率先して訂正するほど暇でもない。だから無視するのが一番だと考えた。
https://toyokeizai.net/articles/-/278786

ところが、ヤフーニュース等にこの記事がフィーチュアされ、軒並み閲覧数トップだという。これはさすがにまずいと思った。インド料理やスパイスについて無知や誤解の蔓延するこの日本、さらに日本人の頭の悪さに拍車がかかってしまう


細かく指摘していくとキリがないので、いくつか例を示そう。

カレーの本場・インドでは、こうした大きなナンはまず見られないという。
→なるほど、日本のナンはたいてい大型だ。しかし、インドに日本のように大きなナンがないということはない。ちゃんとあるのだ。デリーやムンバイ、コルカタなどのレストランに行けば、小さいのもあれば、東京と同じサイズのものにも出会う。

なぜ日本のナンは、インドよりも大きくなったのか。
→繰り返すが、インドにも日本並みに大きなナンは存在する。それに、小さかったナンがだんだん多くなったのではない。1980年代、すでに東京では大きいナンもあれば、小さいのもあった。

その謎を解くカギが、近年激増しているインド・ネパール料理店、通称「インネパ店」にあった。
→大きなナンとインド・ネパール料理店の因果関係は薄い。というか、単にインド・ネパール系レストランの特徴であり、日本のインド料理全体に当てはめることはできない。詳しくは後述。

ところが、インドには北インド料理以外にも、南インドスタイルや、東インドのベンガルスタイルなど、土地によってさまざまな料理が存在する。
→東インドのベンガル料理は、「北インド料理」に含まれる。この原稿の筆者は、インド料理の基本的な分類もできていない。完全に勉強不足。

多くはナンが主食ではない。にもかかわらず、日本にはなぜインドの一地方に過ぎない北インドのスタイルが圧倒的な主流となっているのか。
その理由は意外にもロンドンにあるというのが、南インド料理店「エリックサウス」などを展開する円相フードサービス専務の稲田俊輔氏だ。
→完全な間違いとしかいいようがない。この珍説は初めて聞いた。
→日本で北インド料理メインなのは、インドのスタイルを踏襲したのであり、ロンドンの影響ではない。

ヨーロッパ人向けのレストランということで、そこでは肉をメインとしたカレーやタンドール料理、そしてパンに趣が近いナンという、いわゆる北インドの料理をベースとし、さらにそれを食べやすくアレンジしたスタイルが定着します。その後、当スタイルはインターナショナルインド料理として各国に広まり、逆輸入の形でインドにも入りました。そうして伝播した国々の一つに、日本もありました」
→完全に間違い。日本へは当初ロンドン経由でインド料理は入っていない。
→それに「ロンドン」といっても、ブリックレインのカバブやタンドゥール系庶民派レストランとインド・タージグループの精鋭が集まってできた「ボンベイ・ブラッセリー」では、同じ「ロンドンのインド料理」といっても、まるで別物。「ロンドンのスタイルを輸入」などと大雑把なくくりで説明するのは、乱暴だと思う。
→モティ、マハラジャ、サムラート、ラージマハール、ザ・タージ、アショカなど、日本のインド料理勃興期を支えた「宮廷料理」系北インドレストランは皆デリーやボンベイの名店を模範にしていた。ロンドンではない。そういった話は、私が各店オーナーや関係者から直々に聞いている。

「日本人が喜ぶものをということで、ナンはどんどん大きく、甘く、ふかふかになっていきました。
→そもそもインドのナンにはパンジャーブ型とイスラーム型の二つがあること、ここから説明しないとナンの秘密は解き明かせないはず。この点、まったく言及がないのも不自然かつ不親切。
→ナンは日本人の好みに合わせ、大きく甘くフカフカになったのではない。

また、意外と気づきにくいところで大きかったのが、カレーのグレービー(汁気)の分量です。以前はグレービーと具の分量はおおよそ半々だったのが、グレービーが多いカレーに慣れ親しんだ日本人のニーズに応え、今やグレービー8・具2くらいの割合になっています。
→これも日本人の好みに合わせたわけではないはず。主たる理由はコストダウンだろう(ネパール系レストランは、絶対に認めないだろうが)。こういうネパール系のやり方に対して、インド人シェフが怒るのもわかる気がする。グレービー過多のカレーはバランスがわるく貧相、私も嫌いだ。

ナンについてきちんと考察すべきところ、はっきりした結論が書いてないように私は思った。代わりに「インド・ネパール料理店は素晴らしい」みたいな結論で締めくくっているのは、あまりに脳天気な感じがする。

大きいナンが日本の主流なのは、1980年代以前、「インド・ネパール」系レストランが出現する前からすでに事実としてあった事柄だ。だから、ナンの大きさを「インド・ネパール系レストラン」の登場や発展と絡めて語ること自体、中途半端で不完全な話なのである。
このことについて、この記事の登場人物たちは理解していない。そりゃあ、そうだ。リアルタイムで、その時代、インド料理に関わっていなかったのだろうから。一方、私はその時期、インド料理店で修業の真っ最中だった。

なぜ、その頃から大きめのナンが主流だったのか。
小さいものを2枚焼くより、大きいのを1枚焼く方が、仕事として楽だから。
また、ネパール人が学んだナンはたいてい「パンジャーブ」型で、これはサイズ大きめに作りやすい。テクニックのないネパール系タンドゥール担当でも、何とか焼けた。

繰り返すが「インド・ネパール系レストラン」(「インネパ」と短縮するのは嫌いだ。個人的な意見だが、どこか見下した感じがするのだ)について書きたいのか、ナンについて書きたかったのか。
この原稿からは、よくわからない。
SNS等で執筆者(私は、問題ありとご本人宛メールしたが、まったく訂正もせず、宣伝コメントに終始。私も軽んじられたものだ)、登場人物とも自信ありげにいろいろ語っているし、手放しでほめちぎったコメントも多い。私としてはただただあきれるばかり。

インド・ネパール系レストランとナンの関係を解読したいなら、ネパール系料理人が日本で働く前、どこでどのような修業をどの程度積むのがふつうか、まずはそうした点に言及していただけるとよかった。

インド料理に限らず、生半可な知識と経験しかない者が意思を伝えるツールを持つと恐ろしいことになる。謙虚に精進しよう。

イメージ 1
見事なイスラームスタイルのナーン。

イメージ 2
デリーの名店、モティマハールの「ログニ・ナーン(バターを利かせたナーン)」。サイズは日本並みに大きかった。

《このブログを書いているときのBGM》
PARIS『PARIS』(1976年)
スタジオで撮影取材のBGMにかけたら、ライターとカメラマンの方々がすかさず反応。
https://www.youtube.com/watch?v=62AX-et_NeM
A面1曲目。いきなりツェッペリン。 

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4月某日

 一昨年末に発売開始し、一部食品スーパーや量販店で好評をいただいた「ボンベイトレイルミックス」だが、最近はその存在を知らない人が、私の周囲にも少なくない。

 実はアマゾンをはじめとしたネットはもちろん、リアルなマーケットでも、その取り扱いは今も続いている。

イメージ 1
 JR中野駅前の「ドンキホーテ」にて。

 ドライフルーツやナッツのミっクスである「トレイルミックス」に、私の設計によるオリジナル配合のインド流スパイスミックスをプラス。ちょっと口寂しいとき、少しお腹が空いたとき、行楽や外出のお供に、そしてお茶請け、もちろんビールやワインの肴としても重宝だ。

 ドライフルーツやナッツによく合うスパイスミックスといわれたら、ガラム・マサーラーやチャート・マサーラーの名前がすぐに思い浮かぶのが、インド料理のプロの世界だろう。私もこれらのマサーラーの風味をベースに独自の配合に仕上げてみた。

「ボンベイトレイルミックス」は、そのまま召し上がるほか、料理に使っても美味だ。例えば、ルウでつくるカレーの仕上げに入れる。サラダのトッピングにもいい。ピラフ的な炊き込みご飯やチャーハンぽい炒めご飯にもよく合う。

 そんな中私のイチオシは、一口大にカットしたチキンとの炒め物。ボンベイトレイルミックスのスパイスがチキンにも絡み、自然とインディアンエスニックな風味に仕上がる。

 おととい発売された私の新刊『カレー&スパイス伝道師がおしえる 四季の食材でつくる スパイスカレー入門 』(スタンダーズ)を「アマゾン」で購入する方、ぜひボンベイ・トレイル・ミックスもお試しいただきたい。

《このブログを書いているときのBGM》
HUMBLE PIE『THUNDER BOX』(1974年)
 1991年4月20日、自宅の火事で亡くなってしまったスティーヴ・マリオット。英国ロック史上最高のシャウターのひとりだったのは、間違いない。このアルバムはたいして評価されていないが、私は好きだ。
https://www.youtube.com/watch?v=DvcCvaCE0Tg
 当時のライブから。「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」のリフが途中さりけげなく入っていたりするのもカッコいい。

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