主婦だって楽しみはそこかしこに!

こちらの意図と反するコメントなどは独断で削除させていただきます。ごめんちゃい。。

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空気人形

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「空気人形」


レトロなアパートで秀雄(板尾創路)と暮らす空気人形(ペ・ドゥナ)に、
ある日思いがけずに心が宿ってしまう。
人形は持ち主が仕事に出かけるといそいそと身支度を整え、一人で街歩きを楽しむようになる。
やがて彼女はレンタルビデオ店で働く純一(ARATA)にひそかな恋心を抱き、
自分も彼と同じ店でアルバイトをすることに決めるが……。




穏やかな時間の流れとは裏腹に、それぞれが抱える心の闇や葛藤が色濃く描かれている。




何とも切なく悲しい、それでいてちょっと優しい文字通り「大人のファンタジー」でした。

秀雄は古びたアパートに毎日いそいそと帰っていく。
玄関を入ったとたん、秀雄は誰かに話し掛ける。

そう、その相手が空気人形。


ゆりかもめに乗っている時の秀雄は寄り添いあうカップルを見ながら
窓へ頭をつけ、ガラスに映った自分と寄り添う。
何とも物悲しい姿に胸が締め付けられる

そんな秀雄だが自宅へ戻ると表情は明るく声も弾んでいる。
空気人形こそが秀雄の日々の生きる糧、唯一の家族の様にいつくしむ。

しかしやはりそこは空気人形。
一日の終わりの営みとして秀雄の相手となる。


そんな空気人形に心が宿った。



何ともふんわりした雰囲気の心をもつ空気人形。
透明感があり、且つ触れれば折れてしまいそうな繊細さを持ち合わせている。

彼女の眼に映るもの全てが新鮮で、何を見ても楽しそうな表情に
こちらもつい、人形だという事を忘れそうになる。

レンタル店で見かけた男性に心ひかれ、そのお店で働き始める彼女。
何もわからない彼女に店長やその男性定員はやさしく対応してくれる。
この時間の何とも優しくやわらかいことか。
ふと、普通の女の子の日常を垣間見ている錯覚に陥るのだ。

そんな彼女を空気人形だと思いださせるのが一日の終わりに行う秀雄との営み、それである。

「私は空気人形。性欲処理の代用品。」。空気人形の心の声。
わかっているんだけれども、物語が進むほどに彼女のこの声が切なく響く。

心を持った事はいい事だったのか。
それとも必要のないことだったのか。

彼女は徐々にその疑問を抱き始める。

この作品の魅力の一つとしては風景の美しさがあると思う。
こんな綺麗な東京観たことないかも、と思わされるほど魅力的で美しい。
彼女のけがれのない瞳を通して見ているからなのだろうか。
そんな事を思いながらも何とも言えない素晴らしい風景にこちらの気持ちも浄化される様。


しかし人間の欲望や不安は彼女を暗部へといとも簡単に引きずり込んでしまう。
大好きなバイト先の店長の脅しともいえる言葉に、体を預ける。
そう、人形である彼女は求められれば応じる。
何の疑問も持たないのだ。

あー、醜い。
欲望の塊である人間の何と汚いことか。
彼女が何も発せず淡々と受け入れている事が、重苦しい現実としてこちらを捉える。


心が通じたと思った純一は誰かを自分に重ねて見ている。
しかもあんなに自分を可愛がってくれていた秀雄ですら、すぐに変わりを見つけ
日々の生活をすんなりと取り戻していた。

もうこの辺から胸の中にじわりじわりと不安が押し寄せてきて、つい眉間に皺が寄ってしまう。


そう、心を持ったばかりの彼女に対してももともと心を持ち合わせている周りの人間は
抽象的な表現で言葉を操るのだ。

彼らと会話している彼女はその抽象的なことばの数々をどう理解しているのか。
怖くて出来れば観ていたくない、そんな衝動すら湧いてくる。

そして純一の部屋で悲しく切ない出来事が起こる。




もうね、だから言ったでしょ!と真剣に怒りたくなる私がいました。
だって遠回りな言い方なんて自分に都合がいいだけで相手に伝わってるかなんて
わからないじゃない。

ラスト、ある場所に横たわる空気人形を見て女性が「きれい」と呟く。

悲しいかな、心を失った今でも彼女は綺麗なのだ。
最初から最後まで本当の意味で何にも汚されることのない、彼女。


ただ彼女が心をもったことが幸せだったのか正直私にはわからない。


でもこの作品は見てよかったと心から思える。
素敵な大人のファンタジーでした。


星は
★★★★★
です。
期待以上に好きな作品でした。
ARATAは相変わらず素敵です。

閉じる コメント(16)

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この映画はタイトル同様不思議な雰囲気がありそうですよね。何度か予告を見ましたけど、予告を見ただけでほとんど内容が伝わってた感じで、、、。ちょっとイタそうな板尾創路が気持ち悪そうでいい感じですね。デヘッッ。

2009/10/30(金) 午後 10:36 ぢゅんちゃん 返信する

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個人的にはペ・ドゥナが魅力的でした。ちょっとエッチだけど、そんなことを感じさせない監督の演出がよかったですね。

2009/10/30(金) 午後 11:24 mossan 返信する

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ぢゅんちゃん>思っていた以上によかったんですよ!
板尾さん、軽く気持ち悪いんですけどね。
何というか悲哀の様なものを感じたりして。
いい作品でした。

2009/10/31(土) 午前 0:12 あこまる 返信する

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もっさんさん>素敵な女優さんでしたね。
そうそう、厭らしさは感じずいい演出でした。

2009/10/31(土) 午前 0:14 あこまる 返信する

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以前yahooのトップページでこの映画の監督と主演女優のインタビュー載ってて、それ読んで以来興味を持ってました。ちょっともう、この記事だけで胸がいっぱいで泣きそうです。ドロドロの欲望や劣情にもみくちゃにされて、それでもキズひとつない清潔な人形の体を想像してますます悲しい。あこまるさんのこの記事で、ひとつ別の映画見たくらいな深い読後感です。もちろんこの映画も是非見たいんですけどね。

2009/10/31(土) 午前 0:41 ここふじ 返信する

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ここふじさん>うわぁ!
そんな風に仰って頂くと恥ずかしいやら嬉しいやら。
とても励みになります。
どうか、ご覧になってくださいましな。
私では伝えきれないものがまだまだです。

2009/10/31(土) 午前 1:08 あこまる 返信する

これは、近場での上映が無かったので見逃してしまいました〜
DVDが出たら絶対観ます♪

2009/10/31(土) 午後 10:09 juju 返信する

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jujuさん>是非是非!ご覧になってくださいませ♪

2009/11/2(月) 午前 11:26 あこまる 返信する

ペ・ドゥナさん大好きのわたし、いそいそ都会まで 出かけてしまいました(^_^;)
もうドゥナさんあっての ラブドール、でも もしわたしが秀雄さんだったら、ドールが心を持ってしまったら、たとえドゥナさんでも「面倒なんだよ〜」と 言ってしまうかも(^_^;)

2009/11/2(月) 午後 8:45 たんたん 返信する

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たんたんさん>私も都内まで出掛けた甲斐がありました。
あははは!
たんたんさんでもやはり「面倒なんだよ」と言ってしまわれますか♪

2009/11/4(水) 午後 0:35 あこまる 返信する

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本当に大人のファンタジーでした。
「私は…代用品」というセリフが、何度も繰り返されるのが、とても切なかったです。その時の映像も…。
僕は誕生日を祝ってもらいたかった、彼女の観る夢のシーンに、涙でした。
自分の心も空っぽだ、という人間たちの物語も、しみじみと胸に沁みてきました。

2009/11/26(木) 午後 10:41 出木杉のびた 返信する

のびたさん>あぁ・・・誕生日のシーンもなんとも切なく印象的でしたね。
人間たちの欲望を受け入れ、その処理をしている空気人形の姿が胸に刺さっています。

2009/11/27(金) 午前 9:24 あこまる 返信する

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ペ・ドゥナ、美しいですねぇ。
ほんとに。
TBはらせてください。

2011/5/14(土) 午後 11:15 Mago 返信する

あたしも見ましたー。これからは、見たらコメしますねー。
あこまるさん絶対に先ですからねんー。

2011/5/15(日) 午後 6:42 [ - ] 返信する

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Magoさん>はい、美しい方でした。惚れ惚れです。
トラバありがとうございます!

2011/5/17(火) 午前 8:41 あこまる 返信する

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マグさん>お、ご覧になられたのですね♪
まぁ今後のマグさんのコメント、期待しちゃいます❤

2011/5/17(火) 午前 8:42 あこまる 返信する

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