おぴにおん0号

反論、質問受け付けますが、何せ思いつくままなので

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昨日、竹中平蔵氏が出演するというので、TBSの「久米宏のテレビってヤツは!?」を見てみた。

竹中氏の反論はさすがである。まず、小泉内閣での規制緩和が現在の「派遣切り」のような悪質な雇用情勢を招いた、との論調に対し、次のように反駁した。
派遣労働者は全雇用者の2.6%に過ぎない。あたかも派遣労働者ばかりの世の中になってしまったかのような印象をマスコミはばらまくが、大きな誤解である。
また、90年代に労働分配率は60%から70%に上昇した。そんな急上昇は他国ではありえない。
原因として、正社員の解雇が難しいことがある。司法の判断がそうさせている。企業は、存続が危ぶまれる事態になるまで解雇できない。90年代、企業は業績を悪化させたが雇用調整できなかった。そんな企業の危機を救う必要があった…

えー! たったの2.6%! 何かの間違いじゃないか?と思ったが、「労働力調査」を見てみると確かにそうだ。派遣労働者は、5,500万人を超える全雇用者数のうち、たったの144万人である。

ただ、他にも分かったことがある。
外国との比較は、こういう反論のときの常套手段だが、それを言うなら正規雇用者比率は、アメリカが77.7%でフランスは78.1%である(厚生労働省「1999年 海外労働情勢」)。日本の62.2%(2007年)は異常に低い。非正規雇用者の多さは日本の特徴と言える。

日本も1990年頃は、非正規雇用者は20%ぐらいで米仏と同じだった。ところがその後は一貫して増え続け、ついに33%を超え、3分の一が非正規で占められる雇用状況となった。
非正規雇用者の増加は、パート・アルバイトが主に担った。派遣労働者の寄与度は低い。
しかし、派遣労働者数が規制緩和とともに増え続けてきたことは間違いない。99年以前は40万人に満たなかったが、その後急増し、瞬く間に140万人を超えることとなる。比率も1%に満たなかったのが、2.6%へと急進したのである。

派遣労働者の増加率は、非正規雇用者全体の増加率を大きく上回るわけだから、非正規雇用者の増加に大きく貢献したと言うべきだ。
そして今後も増え続けるだろう。企業にとって、雇用管理の手間が省ける派遣は、パート・アルバイトより手軽である。増やさないわけがない。いずれ派遣労働者は、非正規雇用者の代名詞になるのではないか。今はその途上と解釈すべきだ。

製造業では派遣切りが盛んだが、たとえばコンビニのアルバイトなども派遣に切り替える動きがある。製造業での減少が、全体数の減少につながることは、長期的にはない。業種を問わず派遣できるようになった規制緩和の効果はこれからが本番だ。

竹中氏には、正規雇用者の解雇が難しい日本では当然の成り行き、と反論されそうである。米仏より正規雇用者比率が少ないといったって、あちらでは解雇が容易だから、それでも企業はやっていける、となる。

でもいま問題視されているのは、雇用者を解雇しやすい企業社会でいいのか、ということである。アメリカを見習えばいいというものじゃない。
企業が強くなることは悪いことではないが、経営者を一方的に強くすることは良くない。解雇しやすい制度によって経営者は強くなるだろうが、企業が強くなることとは別だ。むしろ安易な経営となって、経営力は低下していく。競争力だって失われていくのではないか。その辺の勘違いがあるような気がしてならない。

労働分配率も調べてみた。90年代は確かに上昇した。統計によれば、85年度以降低下して90年度に61%になった後、上昇に転じ、70%前後で推移した。
しかし、2002年度以降は再び低下している。企業業績は03年に反転し、最高益を更新していながらである。

業績の回復は、輸出の増加という外部要因が大きいが、それを可能にした、つまり国際競争力の維持を可能にしたのは正社員たちではないのか。正社員の貢献があってこそ可能になったのではないのか。
そしてそれは、労働分配率の増加に目をつぶり、雇用を守ってきたからこそ、引き出すことができた貢献ではないのか。まさか経営者の手腕だけで実現したとは思っていないだろうな。もしそうなら、勘違いもはなはだしい。尊大さは必ず能力の劣化を招く。

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初めまして、竹中平蔵が日本経済を破壊した。って俺は思う。
これ、どう思いますか?

http://diamond.jp/feature/takenaka_sp02/

2009/3/11(水) 午後 6:30 [ ゲンさん ] 返信する

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特定の個人に原因を帰すのはあまり好みませんが、自由市場の信奉者であり、政府の中枢にいた人物として、反論のしがいはありますね。

かんぽの宿問題への反論見てみした。理路整然とした話しっぷりに圧倒されますが、「機会費用」とか「相対価格」という経済用語がポンポン飛び出す。経済学の基礎とはいえ、これじゃあ伝わらないでしょうね。

2009/3/11(水) 午後 7:37 [ alb**t1107*3 ] 返信する

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