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日本的経営の特徴といわれる終身雇用、年功序列が崩れたといわれて久しい。
主要企業はことごとく能力給を重視する給与体系に変えたと、マスコミが伝えてきた。
競争の激しい製造業などでは、完全能力給を取り入れて、年功など全く考慮しない企業さえ出てきた。
だが、最近は、それも行き過ぎて、見直しが始まっているという記事も見かけるようになった。
元社員が、富士通の成果主義賃金制度の実態を暴露し、疑問を投げかける本なども話題になっている。
社員に目標を定めさせ、それに到達したかどうかで評価。しかし、低い目標を立てた社員の達成度が高くなってしまった。
上司が客観的な評価できるとは限らない。評価に納得がいかない社員がやる気となくす。賃金にストレートに反映されるから強い抗議も起こる。
評価制度を作った人事課が、全員高評価となるなどの矛盾。評価しづらい部署は意外に多かった。
自分の評価だけを気にかけるようになり、部下の指導をないがしろにする中間管理職が多発・・・などなど多くの弊害が出てきた。
そこでチームプレイを一定の評価に導入するなど改善を図っているのが、主要民間企業の最近の動きのようです。
しかし、余裕のある組織や、勘違いしたままの企業には年功制度は静かに残っているようです。
余裕のある組織とは、競争のない独占企業であったり、官制談合が常態の業界などです。
独占企業ともいえる公的機関には、さまざまな非効率が温存されている様子は以前書きました。年取ればだれでも上がる賃金体系などで年功は静かに残っています。
官制談合の最新の事例は、鉄鋼製橋梁工事ですが、各社のその直後の動きはスゴかった。部門を独立させる、子会社化して独立採算を徹底するなどの対策を、各社がつぎつぎと決めました。
それらには、不要人員を削減するという意味が含まれています。石川島播磨などは、はっきりと3割減らすと発表しました。
これは何を意味しているかというと、今までは、官制談合のお陰で、余剰人員を抱えてもやってこれたということでしょう。談合できなくなったので人員削減を進めます、とは、なんとまぁ、現金な対応でしょう。
国際競争の中で切り詰めてきた、電機や精密、自動車などの製造業はあきれていることでしょう。
(と思ったら、トヨタの奥田経団連会長が、「談合は慣習」と言ったのには驚きましたが)
こうした業界には、終身雇用をいいことに、「自分はいままで充分貢献してきたのだから、給料に見合う仕事をしなくてもいいのだ」とふんぞり返っている年配者がたくさんいたのでしょう。
そうした人が温存できたのも、業界全体が仕事量に見合わない高収入を得てきたからに他なりません。
公務員も談合企業にも、能力を給与や人事に反映させる制度は必ずあります。
公務員でも若くして係長になる人間もいます。
代議士の鈴木宗男氏とともに糾弾されたS氏も、ノンキャリアとしては異例の出世とされました。キャリアという壁は残るものの、実力次第の部分はあります。
談合企業にも、給与や出世をちらつかせて仕事をさせるという管理は、営利企業にとしては当然導入します。
しかし、まぁ、競争の激しい業界に比べれが、コップの中の嵐みたいなもので、出世のための権謀術数がいくら華々しくても、所詮、余裕があるからできる内輪のもめごとともいえます。
こうした余裕がないのに、年功を重視した組織体制を維持していると大変なことになります。
私が若い頃いた会社の例ですが、その後、その部署は事実上崩壊しました。
<続く>
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