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なんじゃこりゃ!
新型プリウスの広告を見ての第一印象である。
正月の新聞の折り込みに、自動車メーカーの初売り広告が踊った。
まずはトヨタ。広告の表面を占めるのが新型プリウス。全体のフォルムに大きな変化はないようだが、フロントマスクは大胆に変更された。しかし「なんじゃこりゃ!」である。
LEDライトの導入によって、ヘッドライトのデザインの幅は広がった。切れ長の目のような形状が可能になった。今までにない斬新さを各メーカーが競うようになった。
でも私は受け付けないなぁ。デザイナーたちはテクノロジーの未来を感じさせるとでも思っているのだろうが、ガンダムやダースベイダーじゃあるまいし、なんか子供向けのデザインに見えて仕方がない。
未来と言えばトヨタのMIRAIか。未来車だと言わんばかりのフロントマスクだ。でもロボットのような味気ない顔だよね。そしてプリウスも同じようなコンセプトの顔になってしまった。それが時代の流れとでも言いたいのだろう。
スポーツカーなら分かる。先頭を突っ走るイメージのクルマなら、攻撃的なロボット風マスクも似合う。
そういえば、アクアGSはカッコいい。以前、男性的なデザインだと評したが、スポーツカーを模してこそ、このデザインが生かされることが証明された。
でもそんな形状ばかりだと、ヤンキーしかターゲットにしてないのか!と思ってしまう。ホンダがそうなりつつある。新型フィットはロングセラーにならないと発売時に予言したが、たぶん当たりだ。ホンダはHVでトヨタにいち早く対抗したが、軒並み敗退。デザインだけでなくコストパフォーマンスも悪い。
ホンダは軽自動車分野への割り込みに成功したところまではよかったが、いつまでたってもヤンキー重視体質から抜けない。なのであまり好きなメーカーではない。でもF1という過去の栄光があるから、当分は、世界に広く浅く売りさばくメーカーではいられるのだろう。
スポーツカーといえばマツダのロードスターが新しくなって注目された。そして切れ長の目である。LEDだからこそできた精悍なマスクである。世界市場を視野に入れる車種だから、こうならざるを得ないのだろう。確かに新鮮なデザインだ。
ただ私の好みからは離れていく。可愛げのある小型オープンカーとして好きだったロードスターだが、他国の市場ではよりスポーツマインドが求められるらしい。
マツダは全般に日本市場より世界を見つめてデザインされているようだ。ていうか、かつてのユーノスシリーズからヨーロピアンスタイルが始まったと言える。力を入れるクリーンディーゼルだってヨーロッパでこそ売れる。洗練されたデザイン路線がここ20年くらいの間により深まった。
近年の“レッド”というイメージカラーも世界戦略の表れだ。日本市場重視ならありえない。デザインに敏感な人の比率は日本は少ないような気がしてならない。日常使いのクルマに赤を選ぶ人は少ない。
それでもいいのだろう。デザインに敏感な人は大喜びなはずだ。レッドは派手のようだが、マツダ車を実際に間近でみると、シックな味わいがあり素敵だ。決してフェラーリの赤ではない。
マツダは調子に乗って、昨年のモーターショーではロングノーズの試作車RX-VISIONを披露した。
私はロングノーズが好きだ。子供の頃の一番カッコいい外車と思っていたのはジャガーだったし。だからデザイナーの気持ちはよくわかる。しかし次世代ロータリーエンジンを載せる予定というのが分からない。小型で高馬力がロータリーエンジンの特徴ではなかったか?
昨年、「なんじゃこりゃ!」と思ったもう一つはスズキの新型アルト。ヘッドライトが変である。ハコスカ? 若い人はわからないだろうが、大昔、若者を熱狂させた日産のクルマである。
今風の精悍さを求めていたら、はからずもこうなった、とでも言うのだろうか。なんとも奇妙な顔になった。
だいたい最近のスズキのデザインは中途半端なものばかりだ。ワゴンRはもはや大衆車だが、若者が好んだというイメージも残したい。ソリオで代替できていないからだ。
ハスラーのヒットは、この辺の中途半端さが生んだアダ花に見える。ウキウキするようなクルマがなくて困っていた若者がいたからこそ、熱狂的な売れ方になった。でもそんな若者の総数は少ない。スズキは勘違いしなけばいいが。これからの新型車に悪影響を及ぼす可能性が高い。その第一弾がアルトのような気がする。
若者向けといえば、エクストレイルの新型デザインも失敗じゃね? もっと武骨な感じのマスクでいいのにガンダムになっている。
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