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今日の新聞に、レクサスGSの全面広告。Debutとあるから今年の新車ということか。
いいデザインだ。全体のフォルムは最近の高級車にありがちな居住空間重視で面白味はないが、フロントマスクは好みだ。ていうか、昨日の“ガンダムやダースベイダーじゃあるまいし”批判を分かってくれているヘッドライトだ。だから評価したい!と書かずにはいられない。
高級車といえども新車と見なしてもらうためにはデザイン面で流行を取り入れないといけない。だからヘッドライトの面積は小さめだが、あえて曲線を取り入れた判断はすばらしい。“切れ長の目”路線から離れてくれて喜ばしい。それでいて、まぶた部分のL字型サブライトが今風で憎い。
ちょっと褒めすぎか。ここ数年のレクサスデザインの変遷をみるにつけ、小気味よく私の求めをたどっている印象があるため、評価が甘くなる。レクサスのデザイナーとは気が合うような気持ちになりつつある。
ところでクルマの売れ行きはデザインだけで決まるものではないので、デザイン面で妥協することはよくある。でも感度の高い人間を引き付けるのは大事だ。みんなが良いと言っているから買う、みたいな人も多いしね。
しかし感性は人それぞれだから、デザイン重視といっても戦略は多様になる。ヤンキーが好きになるデザインをダサいと感じる大人は多い。あまり目立たないデザインがいいという感性もある。
とはいえ今はグローバル展開の時代だ。少数派をターゲットにしたデザインも量産可能になったといえる。
たとえば世界人口70億人のうち一割の7億人にしか評価されず、そのうち購入できる層もわずか1%だったとしても700万台売れることになる。
まぁ現実にはアフターサービス体制の良し悪しなども購入動機として重要だから、買えるのに買わない人もでてくるが…
それでもインターネット普及の影響で、地球の裏側にいる顧客にも瞬時に新型車を披露することができるようになった。
日本のサブカルチャーが世界でもてはやされていると言うが、日本でマイナーなものでさえ世界で流通している。つまり日本で1%の人にしか受け入れられてない作品も、他の50か国で平均0.2%の人がファンになってくれれば、たちまち十倍の売り上げが見込めることになる。
クルマはデジタルコンテンツではないから同じようにはいかないが、クルマも将来はネット販売がされるようになるかもしれない。価格表に国別の船便運賃一覧が載っているサイトが立ち上げる。
ともかく、実用本位だけでは物足りない消費者は、デザイン重視になるだろうし、そうした人は途上国でも増えていく。純粋なデザイン戦略は、表面的なイメージ戦略以上に重要になるだろう。
昨日は“エクストレイルの新型デザインも失敗じゃね?”と書いたが、純粋にこのデザインしかないという熱い思いがあるのなら、グローバル展開の中では成功するかもしれない。
いけないのが妥協の産物だったり、幼稚な感性のデザイナーの発言力が強くなった場合。客観性を失って新規性が過ぎるデザインを生み出したり、反対に感性が鈍ったことを自覚できずに遺物的デザインに固執したり。新たな刺激を嫌う彼らは、今までのデザインに支配され、跳躍ができない。
仮に“エクストレイルの新型デザインも失敗じゃね?”が正しいとすれば、どれにあたるのか。昨日書いたスズキのハスラーの成功体験と同じように、ジュークのスマッシュヒットが悪影響を及ぼしているのかもしれない。
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