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Q;新電力の株は買いなのか?
A;そういう話は聞いたことがないなぁ
Q;でも自由化だ。24時間営業のコンビニなんかは乗り換えるだろう
A;業務用の自由化はすでに始まっている。今度の自由化は一般家庭。携帯料金とのセット割引など宣伝は賑やかだが、需要は限られる
先日の新年会での会話である。規制緩和や自由化は確かに新しい企業の台頭を促す。そういうイメージを持つのは正しい。しかしインフラ産業では、勢力図が大きく変わるのに時間がかかる。
上場している新電力があるのかは知らないが、自前の巨大発電所を持つ会社は少ない。ましてや既存の電力会社に対抗できる発電量を確保できそうな新会社はない。数年後を考えてもありそうもない。新しい企業の台頭があるとしても、発送電分離を経てからだろう。20年後の話しではないか。
新規参入は確かに増えそうだ。でもその料金体系を見ると、多消費家庭を取り込もうとするものばかり。平均以下の電力消費家庭には意味ない。低消費世帯は値上げになりかねない。すなわち需要は限られる。
ダイビングで知り合った若い仲間たちも、結婚して子供を持つようになった。経済的に潤うことは子供のためでもある。儲かる株があるならば買ってみたくもなるだろう。
昨年は、親類の中にも、5千円でも1万円でもいいから儲けてみたいと話す人がいた。2012年の年末以降、株価は上がってきたからね。儲けている人がいるとの報道に接すれば、自分も!という気持ちになろう。
ただ人間は欲が深い。1万円儲かると2万円儲けたくなる。成功すれば次は5万円をめざす。成功すればしただけ儲けたい単位が上昇していく。ついには100万円を手に入れようともくろむ。
しかし相場の上昇一辺倒はありえない。累積100万円儲けたところで、倍にしようと欲をかき、100万円以上の損を被ったりする。プロたちは急激な変動が大好きで、下落であっても空売りで儲けるが、素人はそうはいかない。素人は成功体験が多いほど、落とし穴も大きくなりやすい。
だから一般には「素人は相場商品に手を出すな!」ということになるわけだが、金融商品の購入は生活防衛の手段でもある。本来は一般家庭でも金融商品に手を出していいはずだ。近年の日本は特に生活防衛が必要になりつつあるように私は思う。安全な預貯金だけでは将来のリスクに対応できないのではないか。
日本の将来のリスクと言えば、インフレである。公的債務の対GDP比は先進国随一の高さを誇る。誇っちゃいけないのに政府は平気である。いつ、どんなきっかけで金融ブローカーたちのターゲットにされるか分からない。小さな子供がいる家庭ならば、長期的に備えておく必要があるように思う。
株はインフレに強い金融商品と言われるが、グローバル社会の進展で、大企業と言えども安泰とは言えない時代になった。長期的観点で安心できる投資先企業を見つけるのは難しい。
インデックスファンドなどリスク分散型の商品もあるが、既存企業総崩れという現象もありえる。ファンドに組み込まれていない新興企業がまたたく間にシェアを拡大するとかね。
そこで外貨だ。為替相場だって見極めるのは難しいが、日本よりハイパーインフレが起こる可能性の低い国の通貨ならばリスクは小さい。たとえば米ドルだ。アメリカ政府が破綻する可能性は、日本よりもはるかに低い。
日本政府の財政破たんはハイパーインフレを確実に誘発する。インフレが進むとその国の通貨の価値は下がる。ハイパーインフレになれば、急激な円安になる。
米ドルを資産に持つことにもリスクはある。ここ十数年の円の対米ドル相場は、円高方向では75円、円安方向では125円という幅の動きがあった。10年単位では価値半減は珍しいことではないわけだ。
もしアメリカの方が日本よりもインフレ率が高い状態になれば、円高となり、米ドル資産は損失となる。短期的にそうなることはよくあるし、アメリカが大きな戦争に関わって戦費が膨れ上がれば、長期的にも円高ドル安傾向になる。為替は常に相対的なものだ。日本以上に公的債務が積み上がれば立場は逆転する。
そうなる可能性がゼロでない以上、米ドルを資産の一部に取り入れるのは覚悟のいることだ。ただ反対に、日本円が対米ドルで300円になることだってありえる。日本円だけを資産にすることの方が危険は大きい。
リスクヘッジみたいなことは資産家のやることだと言う人もいるだろうが、そう言いながら生命保険などにはしっかり入っていたりする。毎月2万円もの保険料を払う家庭も珍しくない。ならばインフレに備える保険にも入るべきなのだ。インフレ保険の一つが米ドルを持つことなのだ。
今、1ドル=180円ぐらいである。十数年後に300円になると思えば今がチャンスである。
日本はすでに生産年齢人口が減り始めている。将来、総人口が大きく減少することも自明である。反対にアメリカは、先進国では珍しく人口が増えている国だ。国力の差が開く要因として人口動態は大きい。
だから、1ドル=75円みたいな円高になることはもうないと思う。なったとしても一時的。そのときは米ドル資産を大きく増やす場面となる。
急に資金が必要となり、損を出して円貨に換えなければならない状況に陥るかもしれない。でもそのマイナスはまるまる損金と考える必要はない。ハイパーインフレに備える保険だったのだから、損失の大部分は掛け捨ての保険料だったと考えればよい。
掛け捨ての傷害保険に費やすのと同じだ。5年後に50万円損したとしても、月に換算すれば1万円に満たない。それよりも1ドル=300円に備える意義の方が大きい。子供のためにも10年単位で戦略を練るべきだ。
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