“わが谷は緑なりき”〜私の映画ノート

原発のない、戦争のない世界に。そして「縮小社会」に向かう覚悟を。

ドキュメンタリー

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この映画の前作に当たる、本作と同じ監督による作品「アクト・オブ・キリング」は、描かれた残虐性を思うと私は鑑賞することができませんでした。
前作と対比をなす本作。鑑賞は厳しいかもしれないと思いましたが、インドネシアで起こった「大虐殺」のこと、余りに知らない事ばかりですので、まず知って考えたいと思いました。

1965年から66年にかけて当時非共産圏で最大といわれたインドネシア共産党が壊滅させられ、100万ともいわれる共産党員や華僑や共産党員と疑われた人々が殺戮されました。何の罪も犯していない人々ばかり。この大虐殺事件は闇に葬られ、犯罪とすら認識されていません。
その事件は「大虐殺」とも呼ばれず、虐殺された人々の実数すら把握されないまま、何の反省もなされることなく平穏な生活が営まれています。

2010年代に入っても英雄として暮らす大虐殺の実行者たちに自分の行ったことを演じさせた『アクト・オブ・キリング』のジョシュア・オッペンハイマー監督が、虐殺で家族を失った被害者側から悪とは一体何なのか見つめる」ドキュメンタリー映画です。
 
第71回ヴェネツィア国際映画祭で審査員大賞、国際映画批評家連盟賞などを受賞。
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2014年、デンマーク・フィンランド・インドネシア・ノルウェー・イギリス合作。監督:ジョシュア・オッペンハイマー、製作:ジョシュア・オッペンハイマー、シーネ・ビュレ・ソーレンセン、撮影:ラース・スクリー。出演:アディ・ルクン、アミール・シアハーン、アミール・ハサン、イノン・シア、M・Y・バスラン。

1960年代にインドネシアで起こった共産党員らの大虐殺、いわゆる『9月30日事件』で兄が殺された後に生まれたアディ。彼の両親は、辛く苦しい思いを胸にしまい込み、アディにはその日のことをほとんど語って来ませんでした。2003年、ジョシュア・オッペンハイマー監督のドキュメンタリーの中で、加害者らが兄を殺した様子を得意げに語る映像を見たアディは、彼らと向き合いたいと思い、監督と共に、同じコミュニティで暮らす「殺害者」たちのもとへ眼鏡技師として出かけて行きます。

現在も権力者として暮らしている加害者たち。彼らに無料の視力検査を行なうことで、彼らは警戒心を持たず、誇らしげにその日のことを詳細に語り始めます。
彼らの言葉によってそこで明らかになるのは「責任なき悪」のメカニズム…。



聞くに堪えない、残虐な殺害の仕方。想像を絶することが市民の間で行われていたことを知りました。ここまで人は冷酷になれるものなのだ。旧日本軍が行った蛮行に繋がるものがありました。

国の責任が問われない様、殺害は地域の人間によって行われました。そう言う人々が今でもその地で特別な地位にいる…殺害された家族の側は耐えられないと思いました。想像しがたい社会環境です。
殺害の実行者たちは一様に、残虐性が表情にむき出しになっていました。



監督がこの映画で伝えたかった事を語っておられるインタビュー記事がありましたので一部掲載致します。

「今作では、いかにインドネシアの社会に亀裂が入っているかということを暴いています。被害者と加害者たちが恐怖によって、別れて生活しており、起きた事を話すことすらできない。その事実を見て、特にインドネシアの方には、今すぐ真実や正義が必要だと感じるのではないでしょうか」

「自分がインドネシアでできることはすべてした」と語るオッペンハイマー監督。今後の同国とのかかわり方を問うと「私はインドネシアには戻れません。もし戻っても、安全に出国することはできないのです。この次の第3部は、これまでの2本を見たインドネシアの若い人々が立ち上がって、行動して綴ってくれる章になるのではと思います。僕ももちろん、支援は続けますが、ここからどんな物語になるかはインドネシアの人々にかかっています」と期待を寄せる。

最後に、アディ一家の現状について、一家は彼らを支える知識層や人権団体などに囲まれた安全な場所に引っ越し、子供たちは良い学校に進学。アディは眼鏡屋の店舗を持つことになると明かしてくれた。

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> じゃむとまるこさん
私も見たいというより、見なければという気持ちで見ました。
インドネシア社会の複雑な環境を思いました。

上手く感想をまとめられませんでした。
「アクトオブキリング」も見るべきか…思案中です。

2015/9/3(木) 午後 11:06 alf's mom

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> 短足おじさんさん
そうですね、お一人で見られた方がいいかもしれません。

残虐な場面は出てきませんが、語られた言葉は衝撃的でした。

2015/9/3(木) 午後 11:07 alf's mom

まともには、向き合いたくないです。
まともには、観れません。
まともには、考えたくない。
でも!
誰かが伝えなくては、歴史の歪みが埋没される。
その全ての犠牲の上で 我々が生活している。
知らない方が いいかもしれない。
でも!
その犠牲の最中にあった 逃れられない者たちが歴史上にある。
加と被害者がいる。
虐殺の英雄の正義とは?
何のための犬死を強いられたのか?

それらを踏まえての道徳、倫理の論理がある。生まれる。
哲学が、宗教が、、そして、
政治がある。企業経済がある。

上っ面の教育がある。
我が儘解釈の政治がある。
犠牲の上の経済がある。

少しでも真実の歴史を知って、虐殺された人たちのむねんを感じ、
その上で今、生きていることの意味を知れば、
ここにいる価値が違う。

2015/9/3(木) 午後 11:08 [ baldman ]

先月初めに一度見てとりあえず感想を書きかけたのですが、私にとっては自分の経験と照らし合わせて多角的に分析しなければいけないテーマですので二度、三度と繰り返し見なければアップ出来ないため下書きがそのままになっています。ついでに『アクト・オヴ・キリング』も再見して比較した上で気持ちがまとまったら改めてと思っています。

ついこの間偶然実際に無実の罪で政治囚という烙印を押された方の娘さんと友達になってお話を伺う機会がありました。大変苦労されたそうですが、大学教育は受けられたということで本当にケース・バイ・ケースです。興味深かったのはこの友人は昨年の選挙でジョコウィではなくプラボウォに投票したということ( http://blogs.yahoo.co.jp/farida_firdaus07/27378824.html)。驚きました。でもその理由を聞いた時なるほどとそれなりに納得出来ました。

その例からも明らかな様に単純な白黒、善悪の基準では割り切れない国です。依って私の感想は『アクト・オヴ・キリング』同様多少一般のものとは異なってくると思います。

2015/9/4(金) 午前 0:03 [ Farida ]

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> bald manさん
「誰かが伝えなくては、歴史の歪みが埋没される。」
…そう言う意味では、とてもよくまとめられた作品でした。
でも辛すぎました…
当時の傷を遺したまま「加害者」が英雄的に扱われ、人によっては高い地位を得て
政治に参画している…普通に考えれば許し難い状況です。

上っ面の教育がある。
我が儘解釈の政治がある。
犠牲の上の経済がある。…それがその状態を生んでいるのだと思います。
映画の中の学校での授業でも、洗脳教育が行われているように感じられました。

「少しでも真実の歴史を知って、虐殺された人たちのむねんを感じ、
その上で今、生きていることの意味を知れば、
ここにいる価値が違う。」同感です。
もっともっと知らなければならない、闇に埋めれた歴史があるのだと思いました。

2015/9/4(金) 午前 6:13 alf's mom

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> Faridaさん
インドネシアの歴史について余りにも無知でしたのでこの事件のことは衝撃でした。

Faridaさんの記事を読ませて頂き、鑑賞しようと思った作品です。
同様に「アクト・オブ…」も、読ませて頂き、感想を断念した作品です。
でも今は、「ルック・オブ…」をさらに理解するために観るべきでは、と思い始めています。

そちらの社会で暮らしておられるFaridaさんがこの映画を見て感じられることと
遠くから見つめる私の思いとは大きな隔たりがあると思います。
感想をどうまとめるか悩み、結局浅い、ありきたりの事しか書けませんでした。

「単純な白黒、善悪の基準では割り切れない国」、そうなのだと思います。
Faridaさんが次に書かれる記事、しっかり読ませて頂きます。

2015/9/4(金) 午前 6:14 alf's mom

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反共の嵐が吹き荒れた時がどこにもありますね。レッテルを張り同じ国民を殺しあう。なんと愚かで悲しいことでしょう。しかしそれは」ずっと続く我々人間たちの歴史でもあります。認め合い、支え合い、生かしあう隣人、地域、国、社会を実現したいですね。同じ人間同士、殺しあうのはどんな理由を付けても許されません。

2015/9/4(金) 午前 6:43 [ できごと・つぶやき ]

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お忙しいのによくご覧になられていていつも感心しています。人間がここまで殺し合うとは…御紹介ありあがとうございます。
井上ひさしの舞台「ムサシ」は米軍のイラクへの攻撃に対する批判、憎しみの連鎖を断ち切ってという願いで出来てるようでした。

お勧め映画「少女は自転車に乗って」、あいち国際女性映画祭で上映しますが行けそうもないと思っていたらていたら明日WOWOW で放送してくれるので助かりました。
3時間ぐらいで目覚めてしまわれるのですね、私も寝付きはよいのですが夜中に何回も起きたり朝早く猫に起こされるので睡眠不足になってしまいます。冬は遅くまで寝ていられるのですが。

2015/9/4(金) 午後 3:34 hitomi

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> できごと・つぶやきさん,

「反共の嵐が吹き荒れた時がどこにもありますね」、
そう言う時代がありました。その最も激しかった時代が、インドネシアは65〜66年に掛けてだった
のだと思います。市民が市民を襲う…、本当にむごたらしい虐殺が行われたことがよく分かりました。
「認め合い、支え合い、生かしあう隣人、地域、国、社会を実現したい」…心からそう思います。

現政権が目指す社会とは全く逆の社会です。

2015/9/4(金) 午後 3:45 alf's mom

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> hitomiさん、
時間があるから見に行っているだけです。
この作品は、自分が如何に無知であったかを知る為にも行くべきだと思っていた作品です。
かつ、こういう採算度外視をしてみる価値のある社会派の映画を
この夏ずっと見せ続けて下さったdenkikanを支援したいという気持ちもありました。

hitomiさんも、体調不良な中、良く発信を続けておられます。
「少女は自転車に乗って」、ご覧になれそうで良かったです。

井上ひさしはイラク戦争への批判も舞台劇にされていたのですね。
先日井上さんの「少年口伝隊」という作品を読みました。
余りにリアルな描写。投下の日、広島におられたのかと勘違いしたほどでした。
本当に、素晴らしい取材をもとに作品作りをされる方なのですね。

2015/9/4(金) 午後 3:51 alf's mom

これも辛い作品でしたね。でも見ておかなければ、という思いで鑑賞しました。後ほどTBお願いします。

2015/9/4(金) 午後 4:30 atts1964

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> atts1964さん、
辛すぎて、殺人者たちが語った言葉をここに記すことができませんでした。
ただ、その事件後も加害者と被害者が共に暮らすコミュニティにおける
特に被害者の心理を思うと複雑な気持ちになりました。
でも、まだ、本当にこの映画で監督が伝えようとされた思いに,届いていない気がしています。

TB、有難うございます。

2015/9/4(金) 午後 6:18 alf's mom

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こんばんは。
前作もこの作品も未見です。それにしても凄まじい映画を観ましたね。疲れたと思います。
知らない歴史がたくさんありますね。

2015/9/4(金) 午後 7:43 [ hisa24 ]

こんばんは。

私も、何も知らないではすまされないので、
是非とも観たいと思いながら、¥500玉貯金をしています。

私が最近みたドキュメンタリーでは、「ルンタ」というのがありますが、焼身自殺をしながら自分の意志を貫けばならないほど、
世界は緊迫しているのだな、と思います。

ミャンマーの僧侶が、軍事政権によって、弾圧されているという映画も観ましたが、日本もそのうち・・・ていくか、もうなっちゃってるけど、
自衛隊が、世界の指折りの軍事大国だとは、あまり知られていないようです。。
話は脱線しましたが、我が身が平和であるのを、感謝しつつ観ようと思います。。

2015/9/4(金) 午後 8:04 [ カンコ ]

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> hisa24さん
前作は加害者たちの側から撮られた作品ですので
もっと辛いのではないかと思っています。
でも、この映画を見ることができましたので、
「責任無き悪」のメカニズムについて、前作を見て更に考えたいと思始めています。

2015/9/4(金) 午後 10:04 alf's mom

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> カンコさん
辛い映画ですが、とても考えさせる映画です。

「ルンタ」は池谷監督の作品なのですね。
「蟻の兵隊」を見て、監督のことを知り、ファンになりました。
とても丁寧な作りに、いつも大切なことを学ばせてもらっています。
その後見た「延安の娘」も「先祖になる」もとてもいいドキュメンタリーでした。

「ルンタ」も是非見たいと思います。
教えて下さって、有難うございます。
>自衛隊が、世界の指折りの軍事大国だとは、あまり知られていないよう
…多分多くの方がご存じないと思います。
手近に得られる情報だけでは、自ら考える材料としては不十分な気がします。

2015/9/4(金) 午後 10:09 alf's mom

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> alf's momさん こんばんは
社会派の映画をよくご覧になっていますね。
私はしばらく映画とは無縁でしたが、こちらでご紹介のあった映画はできるだけ見ようと思っています.
そういう意味では世界を広げてくださって感謝しています。
この映画の存在も、虐殺という事実があったことも少しも知りませんでした。
でも、こういう事実は、人間がいくらでも残虐になれるものだということの証明であり、記録として残しておかなければいけない映画だったと思います。映画の果たす役割は大きいですね。
気になった言葉が、「責任なき悪」です。戦争は関わる者たちを狂気の世界に連れ出すだけでなく。いくらでも残虐になれるのはこの「責任なき悪」であるからだろうと思われます。
今、安倍総理が実現させようとしているものも、絶対に止めなければと思います。

2015/9/4(金) 午後 10:15 mimi

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> mimiさん
この夏、熊本のdenkikanは「野火」「戦場ぬ止どぅみ」など、
今見るべき社会への強いメッセージを発する映画をたくさん企画してくれました。
こういう映画館が存続して行くことが、熊本の文化を守ることになると思い
支援の意味もあって見に行ったものです。

本作はFaridaさんの記事を読み、見なければ、と思っていたものです。
私もこの事件のことは知りませんでした。
一番思ったのは「人間がいくらでも残虐になれるものだということを証明」するドキュメンタリー
だったという事。
「(戦時に)いくらでも残虐になれるのはこの『責任なき悪』であるからだろう」
私もそう思います。その悪に染まらなかった人々の苦しみも、ドキュメンタリ―では語られていました。

2015/9/5(土) 午前 0:01 alf's mom

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アクト・オブ・キリング同様、とても観たい作品です。入院してる間に、終わってしまって残念な思いでおります。

2016/4/11(月) 午前 2:29 [ datechibu ]

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> datechibuさん
アクト・オブ・キリングのことはFaridaさんが丁寧に記事を書かれていました。
読ませて頂いて、私には鑑賞は無理ではないかと思いました。
でも本作を見て、厳しい証言から浮かぶ虐殺の傷ましさに胸塞がれる思いになりつつも、
加害者側の眼を通して描かれた「アクト…」も見るべきではという気持ちが湧きました。
まだ鑑賞できていませんが。

2016/4/11(月) 午前 9:40 alf's mom

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