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タイトルがベンチャーズのヒット曲と同じでしたので、軽快なテンポのサスペンス映画だと思っていましたが、心に澱みをもたらした重苦しい作品。 異常な性癖を持った男とその魔の手にかかる純真な若い夫婦の物語です。映画は第二次大戦末期から始まりました。原題は10 Rillington Place。実話が基になっています。 戦前から古いアパートに暮らす初老の男クリスティー(リチャード・アッテンボロー)。彼には以前から異常な性癖がありました。
戦後、妻と暮らすアパートに、子どもを連れた若夫婦が移り住んできます。穏やかな表情で二人の細々とした世話を焼くクリスティー。しかし、若妻の脚部が露わになった時に彼が見せた異常な目の輝き。その後の展開が予想されました。 理知的で物静かな「装い」のクリスティーは、貧困に喘ぐ若夫婦が第二子を懐妊し、堕胎を考えて苦悩する若妻に「自分は医学的知識があり、堕胎補助の経験もある」と優しく手を差し伸べます。費用もかからないと告げられた若妻は、身を彼に委ねることにします。 文字を読む知識のない若い夫は、クリスティーの部屋を訪れ安全に処置してもらえるかの確認に行った時「医学書を読んでいた」というクリスティの言葉を信頼して、彼に妻の処置を依頼します。その後の展開は予想通り…。夫がどこかでクリスティーの騙しの手口に気付くのではと思っていましたが、彼の話術は実に巧妙でした。 願いもむなしく、最悪の結末を、映画は迎えます… この映画で彼が見せた「無表情で感情を極端に排除した独特のセリフ回しで見せた、内に秘めた主人公の底知れぬ狂気と欲望」は秀逸でした。 純粋で真面目な若夫婦は彼の餌食になる格好の「素材」でした。 真実と嘘を巧みに使い分けながら、若夫婦の直面した辛い問題に寄り添おうとする男。その手口の巧妙さと、その言葉にほとんど疑いを持たない若夫婦。余りにも悲惨な結末でした。 今は色々な科学的捜査手段によって、犯罪捜査は行われて行きますが、そういう手順が無く「自白」が最重要視された時代の物語。理不尽さに激しく抵抗することもなく、最後の最後に、信頼していたクリスティーが、最愛の家族を陥れたことを知った若い夫、しかし時すでに遅し。彼は静かに刑に処されます。 主人公の男に限りない憎悪が湧いた作品。後味の悪さは、「最高」でした。 |

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音楽は良かったけどΣp[【◎】]ω・´)
映画は別ですか⁉
2016/2/24(水) 午前 7:54 [ 短足おじさん ]
> 短足おじさんさん
紛らわしいタイトルですが、実はベンチャーズのヒット曲とは別物の作品です。
ベンチャーズの曲が映画の中で流れることもありません。
これ程「理不尽さ」に胸傷んだ作品はありません…
2016/2/24(水) 午前 9:28
いや、ちょっとこれは


予備知識が必要でしたね〜。
異常な性癖・・・
サイコとホラーは苦手です。
2016/2/24(水) 午後 0:45
こんばんは。
ご覧になったのですね。後味は悪いですが、何よりも恐怖を感じる映画でした。
「軽快なテンポのサスペンス」私もそう思っていましたが違っていましたね。実話と
いうところが怖いのです。TBさせてくださいね。
2016/2/24(水) 午後 5:48 [ hisa24 ]
> じゃむとまるこさん
確かにもう少し予備知識が必要でした。
お二人の記事を読んで、興味がわき、見たのでしたが…
後味が悪過ぎました。
そう言う意味では「召使」と共に、忘れられない映画になりそうです。
2016/2/24(水) 午後 9:16
> hisa24さん
とても辛い展開でした。
私の場合は恐怖心より、彼の騙しのテクニックにまんまと騙されて行く
若夫婦の末路が悲しくてなりませんでした。
2016/2/24(水) 午後 9:17