“わが谷は緑なりき”〜私の映画ノート

原発のない、戦争のない世界に。そして「縮小社会」に向かう覚悟を。

外国映画

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マミー/mommy

こういう映画は、スティーヴの感性の深さ=監督ドランの感性の深さだと思います。そういう意味で天才だと思いました。ドラン監督作品は全作品網羅しようと思います。そう思う監督さんは少ないです。満点です。

グザヴィエ監督の作品を初めて見たのですが、この若さにしてこれだけ奥の深い作品がつくれるとは、
これからがとても楽しみです。天才と言えるのではないでしょうか

これが計算じゃなきゃなんなんだ!天才か!緻密な科学的ですらある心理的な計算と、情緒性の豊かさ、この2つを見事に併せ持っている映画はなかなか無いと思う。


上記は、本作を絶賛する鑑賞者の声。
2014年カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞作ですから、映画人の心も掴んだということ。
夫を亡くした母親とADHD(多動性障害)の15歳の息子と隣人女性。三人の愛情と葛藤のものがたりです。



  カナダでは、2015年の連邦選挙で新政権発足後、公共医療政策の改正が目的の法案が成立。中でも特に議論を呼んだのはS-14法案、それは「発達障害児の親が経済的困窮や身体的、精神的な危機に陥った場合は、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を保障した法律」。

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2014年、カナダ映画。監督・脚本・プロデュース・衣装・編集:グザヴィエ・ドラン、撮影:アンドレ・ターピン。出演:アンヌ・ドルヴァル、スザンヌ・クレマン、アントワン=オリヴィエ・ピロン。

15歳のスティーヴの母親ダイアンは夫を亡くし、多動性障害をもつ息子を施設に入れて働きながらギリギリの収入で何とか日々を乗り切っています。しかしある時、施設の食堂で放火事件を起こしたスティーヴは施設からの退所を命じられます。

感情の赴くまま、母親に甘えたり、感情的になって暴力をふるったり、女性に親密に寄り添おうとしたり…。母親の力では制御不能なことがしばしばおこります。母親は愛情を注ぎつつも、その愛情をスティーヴは受け止めながらも、「障がい」のために、意思の疎通が不能となることがあります。

少しでもいい収入を得るための職探し。顔見知りになった元高校教師の隣人女性カイラに、スティーヴの家庭教師を頼み、母親は外出。カイラは精神不安状態に陥ったために休職中の身でした。二人は勉強しながら意気投合します。

勉強し合う中で、カイラの心も徐々に回復していくように見えました。
しかし、スティーヴの「障がい」は、生活の中に予測不能の混乱をもたらします。
考え抜いた末に、母親は未来に「希望」を託して、苦悩しつつ、ある決断をします。






どの登場人物にも感情移入できないまま、リアリティを完全には感じられないまま、ラストにも納得できないまま、何故この監督が天才と言われるのかも分からないまま鑑賞を終えました。

ADHD(多動性障害)の子どもさんに、実際に接したことがありませんので、親子の本当の苦しみや葛藤に対し、心を寄せることが出来なかったのかもしれません。ただ私は「それに近い状況の『渦中』」にあった時は公的機関に何度も何度も足を運んで相談しました。丁寧に対応して下さった精神科医、臨床心理士の方々、分かって下さる人がいる、その存在はなによりも貴重でした。

息子と隣人と母親。その中で葛藤を続ける母親には、もっと話を聞いてくれて、心情を理解し、共に「今」を「将来」を考えてくれる人々の中に入っていく事で、違う「選択」もできたのではないかと思いました。

カナダで可決した「
発達障害児の親が経済的困窮や身体的、精神的な危機に陥った場合は、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を保障」する法律。

全ての人が生き生きと自分らしく生きる社会を作って行くために必要な法律なのか…、とても疑問でした。

閉じる コメント(14)

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この映画も知りませんでした。公的機関に何度も何度も足を運んで相談されたのですね。そう言う時に丁寧に対応して下さった精神科医、臨床心理士の方々、分かって下さる人がいる、大事なことですね。
人間は謎の部分があります。ADHD等昔はわからず親の育て方に問題があるなどと言われてましたよね。

2016/3/22(火) 午後 9:32 hitomi

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> hitomiさん
2014年のカナダ映画です。
ネットでの評価が高い作品でしたので、いつか見ようと思ってました。
でも粗筋を知った時点で、私には合わないかも、という思いもありました。
理解しながら見ていた展開でしたが、最後の母親の選択には、
必ずしも納得はできませんでした。本人と同じ立場にならなければ分からない事ではありますが。

私の場合は、本当にいい方々に恵まれたことで、絶望から立ち直れました。
そうですね、「発達障がい」を、育て方と関連付けて言う方々ありました。
今もそう思っている人がいる気がします。

2016/3/22(火) 午後 10:12 alf's mom

解りません。
映画は観てません。
でもこういう題材はこれからは、取り上げられるんでしょうね。
結論は出ないでしょうね。
ただ、単に利益のための映画にして欲しくない。

2016/3/23(水) 午前 1:53 [ baldman ]

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> bald manさん
「こういう題材はこれからは、取り上げられるんでしょうね」
そう思います。究極の親子の問題。
これからも取り上げられて行くテーマだと思います。
「単に利益のための映画にしてほしくない」。私も同感です。
この映画の監督も、そう言う気持ちは恐らく持っておられたと思います。

2016/3/23(水) 午前 5:54 alf's mom

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障碍者の養育と高齢者の介護は、ほぼ同じです。障碍の程度によっては共倒れもあります。親として子どもを手放すことには抵抗があることは当然です。でも限界があることは間違いありません。客観的に見て強制入所できる制度もやはり必要なことだとおもいます。

2016/3/23(水) 午前 9:53 ギャラさん

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> ギャラさんさん
客観的な視点からのご意見有難うございます。
確かに「障碍者の養育と高齢者の介護」はほぼ同じなのかもしれません。
程度によって共倒れも…確かにそう言うこともあると思います。
家族環境もコミュニティの環境も変化した今、
考えていくべき問題を提供した映画ではあったと思います。

2016/3/23(水) 午前 10:15 alf's mom

「発達障害児の親が経済的困窮や身体的、精神的な危機に陥った場合は、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を保障」

素晴らしいと思います。何でも家族の愛情で解決出来ると思う方が間違っていますし、第一親が経済的困窮、身体的・精神的危機に陥った時親戚は元より他人は誰も助けてくれません。だからこそ個人の善意に丸投げする代わりに社会システムの整備が必要なのです。そのために税金を払っているのでなければ何のためか分かりません。システムがきちんと機能していれば京都の介護殺人事件とその後の自殺も防げたでしょう。

2016/3/23(水) 午後 4:30 [ Farida ]

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こういう障害を持った子をもった親にしかなかなかわからないことを描いた作品でしたね。ただ、カイラという存在が、少しの間だけ均衡を取っていた、でも逆にそれが辛い別れを生んでしまったところもあるのかもしれませんね。
最後、走るスティーブが印象強かったですね。
TBお願いします。

2016/3/23(水) 午後 4:54 atts1964

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> Faridaさん
「何でも家族の愛情で解決出来ると思う方が間違っています」…私も全てが愛情で解決できるとは思いません。
「個人の善意に丸投げする代わりに社会システムの整備が必要」だと私も思います。
ただ映画の少年は母親に愛情を持っていると思えました。その子のこれからの長い人生を思うと、母親が選択した施設に強制入所の後、その子はどこに安らぎを見出し、どこに希望をもって生きていくのだろうと思いました。
貧困についても、障がいと向き合っていく上でも、施設に強制入所させる前に
もっとやれることがあるのではないかと思ったのです。ただ、それははたから見ての思いですので、当事者の本当の苦しみは想像しかできません。ですから母親による納得の上での選択であれば、尊重すべきなのだと思います。

高齢者の介護についても、「愛情」だけで支えるのは無理があり過ぎます。
システムが上手く機能しないことは、悲劇を生みます。
生活保護、介護施設の充実、公的援助などなど、税金が適切に使われることで
苦悩されている方々の重荷は軽減されなければならないと思います。

2016/3/23(水) 午後 6:29 alf's mom

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> atts1964さん
そうですね、同じ障がいを持つ子を持った親にしか本当の思いは分からないのかもしれません。
カイラの存在は、親子二人にとっては貴重でした。最後の決断をする時、母親はカイラに相談したのだろうかと思いました。

施設から、留守電になってしまった母親の電話に伝言を入れた少年。
その受話器を少年自身の手が握っていなかったことは、少年の今いる環境の厳しさを思わせました。
最後、彼は逃げてどこに行こうとしたのだろうと思いました。
TB、有難うございます。

2016/3/23(水) 午後 6:38 alf's mom

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こんばんは。
レンタル屋では見かけませんでしたが一度探してみます。カナダ映画には異色の作品が
多いですがこれは案外、正統派の作品のような気がします。意見は違っても真摯な取り組み
の映画のように思えます・・観ないとわかりませんが・・。

2016/3/23(水) 午後 9:47 [ hisa24 ]

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> hisa24さん
準新作の作品としてTSUTAYAには置いてありました。
正統派の作品と言えると思います。
「意見は違っても真摯に取り組まれた」映画だと私も思います。
鑑賞中は、描き方の何かが違う気がしていらだちも感じましたが
見終わって色々考えるうちに、この映画が問いかけたものが整理されて行きました。

2016/3/23(水) 午後 11:58 alf's mom

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難しくて、現実的な問題を突き付けている作品ですね。家族で一緒に生活し、地域に支えられれば一番いいとは思いますが、いつかはできなくなります。その時どうするのか。私も老老介護ですからそう思います。ましてや障害を持つ子供の親は・・・昨日ハンセン氏病駿河療養所で暮らす人のドキュメント番組を見ました。無理やり家族と引き離され、隔離され、断種を強制された人々。今は自由に外出もでき生活も保障されていますが、親も無く兄弟も無くいくところがない人々です。その方は15歳から施設に入り、今は畑を作り、野菜を育て仲間に配って感謝されていました。施設でも地域から隔離されたものでなく、触れ合えるものだったらいいと思います。共生、共存、どんな人にお優しい地域社会。それが理想ですね。

2016/3/24(木) 午前 6:42 [ できごと・つぶやき ]

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> できごと・つぶやきさん
丁寧にコメント頂き有難うございます。
正に現実的問題。当事者の思いに沿って考え続けた作品でした。
つぶやきさんは、介護を続けられているのですね。
私が里に近くはないために、母は介護施設でお世話になりましたが、
引き取っていたら本当に大変だったと思います。母はその方が幸せな日々を過ごせたかもしれませんが。

「施設でも地域から隔離されたものでなく、触れ合えるものだったらいいと思います」
…そう言う施設づくりが必要になって行くでしょう。
共生、共存の社会。少しでも生きやすい社会が生れていく事を願います。

2016/3/24(木) 午前 10:14 alf's mom

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