オルタナティブを考えるブログ

タイトルも新たに、1年ぶりですが、まずは過去の記事を整理しなきゃ

全体表示

[ リスト ]

リリスとは誰なのか?
イメージ 1
イメージ 2
 
 
イメージ 3
 
しばらくはその謎に迫ってみよう。
 
 
前回の記事で、アダムの最初妻リリスという伝説について次のように書いた。
 
”リリスは中世に創作された話”というウィキの書き方は、日本語のみならず他の言語でも似たりよったりなのだ。『ベン・シラのアルファベット』という書物が発端ともされるのだが・・・が、実際はもう少し複雑だ。
 
この『ベン・シラのアルファベット』という文献にはリリスに関して次のような話が書いてあると言う。
 
リリスはアダムの妻(Havvah)が作られる前にアダムとともの土より作られた「最初の女性」で、リリスはアダムに従わず、呪いの言葉を口にしながら海へ飛び去ったので、主は三人の天使(Senoi, Sensinoi, Semangelaf)を遣わして探させ、戻らぬ時には毎日彼女の子供100人を殺すと脅すように命ずる。

紅海に隠れていたリリスは許しを乞い、その代わりに彼女自身、男の幼児は生まれてから8日間、女の幼児は20日間苦しめる力を得た。だが三人の天使の名が書いてある家には近寄らぬと誓う。この話は、古代において産婦や赤子の危険や死亡率が高かった処から出てきた物語とも推定され、厄除けの呪いとして先の三人の天使の名前やリリスの縛られた姿を扉やベッドに描いたといわれる.
 
日本語版ウィキペディアにはちょっと違うバージョンが紹介されている。
リリスは性行為の性交体位におけるアダムの支配的地位を拒否し、そして彼を捨てて去っていった(「彼女は『私は下に横たわりたくない』と言い、彼は『私はきみの下になりたくない、上位にしかいたくない。きみは下位にしかいてはならないが、私はきみより上位にいるべきだ』と言った」)。リリスはただちに神の名を口にして、空を飛び、エデンの園を去り、紅海沿岸に住みついた。

リリスは紅海沿岸でアスモダイやほかの多くの悪魔たちと関係を持ち、無数のリリンたちを生んだ。アダムは神に、リリスを取り戻すように願った。そこで3人の天使たちが彼女のもとへ遣わされた。セノイ、サンセノイ、セマンゲロフという3人の天使たちである。

天使たちはリリスに、「逃げたままだと毎日子供たちのうち100人を殺す」と脅迫したが、リリスのほうは「永遠にアダムと(現在の妻の)エヴァの子供たちを餌食にするが、その子供たちはただ3人の天使たちを召喚することによってのみ守られるだろう」、(アダムとエヴァの子供たちを守れるのはその三人の天使だけであり、天使たちはアダムとエヴァの子供を守っていろ、こちらには構うな、という意味だろう。)と言い返した。

彼女はアダムのもとへは戻らなかった。
 
ふむ。
 
しかし・・・
 
そもそも 『ベン・シラのアルファベット』 とは何であろうか
 
僕のような素人が調べると、まず『ベン・シラのアルファベット』のベン・シラ(Ben Sira/Sirach) と 聖書の外典である『シラ書』もしくは『ベン・シラの知恵』のベン・シラ(Ben Sira/Shira)がごちゃごちゃになってしまうのだが・・・
 
実は、とんでもない事実がこの2つの文献の関連に隠されているのでは・・・と最近思うようになってきた。まぁ、その話はもうちょっと調べてからにしよう。
 
とりあえず、ここで話している『ベン・シラのアルファベット』というのは、一般的に作者不詳であり、書かれた時期に関しては西暦8世から11世紀頃のものと推察されている物語は予言者エレミヤの息子である主人公ベン・シラの出生から成長までの物語や、彼の格言や処世術などがアラム語のアルファベット順に並びながら記述されている。ちなみに、彼の母親は予言者エレミヤの娘、つまりベン・シラにとっては姉にあたる人物だ。
 
リリスに関する言及は、彼が王の息子に魔除けのために語った物語の中で述べられている。
 
彼が話を聞かせる相手である王の息子はネブカドネザル、もちろん後の新バビロニア王国の王ネブカドネザル2世(紀元前605年〜紀元前562年)の事だ。・・・ということはベン・シラを雇った王とはアッシリア帝国を崩壊させ新バビロニア王国を建国したナボポラッサル(Naboporassar)ということになる。
 
                     ネブカドネザル2世
イメージ 4
 
ベン・シラがラビ(予言者)エレミアの息子であるということは、彼をユダヤ人とみてまず間違いないであろう。しかし、彼がいろいろと教えを説いているネブカトネザルというのは、後にユダ王国を滅ぼし2度にわたり歴史上名高い「バビロンの捕囚」を行う人物だ。
 
イメージ 5
 
 
時代的にネブカドネザルで奇妙な共通点を感じるのは、旧約聖書でバビロニアの捕囚を記しているのは「エレミヤの書」を記したエレミヤである。
 
偶然だろうか・・・
 
 
おっと! いけない、いけない
 
リリスに話をもどそう。
 
「リリスがアダムの最初の妻である」という話は中世の創作に過ぎないとする見方もあるが、「ノアの箱舟」同様に、少なくとも「アダムとエバ」の原型となるような話がメソポタミア地方に存在したと考えるのはそれほど間違った見方ではないだろう。
 
しかし、時代によって名前、姿が変幻自在であるリリスの本当の姿を描き出すのは難しい。彼女はいったいどんなそんざいだったのだろうか?
 
彼女が一番最初に登場するのはシュメール神話だ。
 
リリスはシュメール神話においては風の女神として、世界創造における一連の話でも登場する古い神々の一員だ。リリスの表記はシュメール語でLIL.du/LIL.LUバビロニアでLilituヘブライ語では「ליליתとして女性の悪魔を意味している。
 
神話の中で、彼女は罪によってイナンナの楽園(ウルクの聖なる園、シュメール版エデンの園)から追放されるのである。その結果、その後のオリエント世界において悪魔的な力を持つ女性の合成獣など同一視され、後には翼をもった姿で描かれている。
 
シュメール時代にかたられるリリスというのは『イナンナとフルップ(ハルブ)の樹』もしくは『ビルガメシュ神 エンキドゥと冥界』という話に登場する。
 
『イナンナとフルップ(ハルブ)の樹』
リリスは、シュメール神話のヒロインであるイナンナ女神がユーフラテス川沿いにあるフルップの樹をウルクに持ち込もうとする物語に登場する。この話はシュメール神話における天地創造に関連して展開されており、アンは天、エンリルは大気、エンキは知恵(大地の支配者ともなるが、彼のお住まいは地下世界で淡水を司るアプスのいる近くだ)、エレシュキガル(イナンナの姉)は冥界といった具合に神々がそれぞれの役割、持ち場を決めた後の話だ。
 
当時のイナンナにはまだ神としてふさわしい権力が与えられておらず、アンやエンリルの指示に従っていた。
 
イメージ 6
 
ある日、イナンナはぶらぶらとユーフラテス河畔を歩いていると、強い南風にあおられて今にもユーフラテス川に倒れそうなフルップ(ハルブ)の樹を見つけた。あたりを見渡しても他の樹木は見あたらず、イナンナはこの樹が世界の領域を表す世界樹(生命の樹)であることに気がついた。
 
そこでイナンナはある計画を思いついた。
 
この樹から典型的な権力の象徴をつくり、この不思議な樹の力を利用して世界を支配しようと考えたのだ。
 
イナンナはそれを持ち帰り、聖なる園(エデン)に植えて大事に育てようとする。
 
イメージ 7
 
まだ世界はちょうど創造されたばかりで、その世界樹はまだ成るべき大きさには程遠かった。イナンナは、この時すでにフルップの樹が完全に成長した日にはどのような力を彼女がもつことができるかを知っていた。
 
「もし時がきたらならば、この世界樹を使って輝く王冠と輝くベッドをつくるのだ(王座という説も)」
 
その後10年の間にその樹はぐんぐんと成長していった。
 
しかし、その時(アン)ズーがやって来て、天まで届こうかと言うその樹のてっぺんに巣をつくり、雛を育て始めた。
 
さらに樹の根にはヘビが巣をつくっていて、樹の幹にはリリスが住処を構えていた。リリスの姿は大気と冥界の神であることを示していたので、イナンナは気がきでなかった。しばらくの後、いよいよこの樹から支配者の印をつくる時が来た時、リリスにむかって聖なる樹から立ち去るようにお願いした。
 
しかしながら、イナンナはその時まだ神に対抗できるだけの力をもっておらず、リリスも言うことを聞こうとはしなかった。彼女の天真爛漫な顔をみるみるうちに失望へと変わっていった。
 
そして、このリリスを押しのけられるだけの力を持った神は誰かと考えた。そして彼女の兄弟である太陽神ウトゥに頼んでみることになった。
 
暁方にウトゥは日々の仕事として通っている道を進んでいる時だった。イナンナは彼に声をかけこれまでのいきさつを話し、助けを懇願した。ウトゥはイナンナの悩みを解決しようと銅製の斧をかついでイナンナの聖なる園にやって来た。ヘビは樹を立ち去ろうとしないばかりか、ウトゥに襲いかかろうとしたので彼はそれを退治した。ズー鳥は子どもらと高く舞い上がると天の頂きにまで昇り、そこに巣をつくることにした。
 
リリスは自ら彼女の住居を破壊し、誰も住んでいない荒野に去っていった。
 
ウトゥはその後、樹の根っこを引き抜きやすくし、銅製の斧で輝く王冠と輝くベッドをイナンナのためにつくってやった。彼女は他の神々と一緒にとともにいる場所ができたととても喜び、感謝のしるしとしてその樹の枝と根を使って贈り物をした。

 


これがリリスの物語だが、他にもバージョンがある。「シュメル神話の世界」(岡田朋子・小林登志子著)で紹介されている『ビルガメシュ神 エンキドゥと冥界』という話の中では、太陽神ウトゥはイナンナに協力的ではなく、ズー鳥を追い払ったのは英雄ビルガメシュということになっている。そして最後のイナンナの贈り物についても、ビルガメシュがイナンナに贈ったことになっている。
 
この贈り物として書かれているプック(Pukkuミック(Mikkuについては古くから議論されてきた。アッシリア学者のベンノ・ランズベルガー(Benno Landsberger:1890年〜1968年)より、太鼓と太鼓ばちと訳したらどうかという提案がありこれが広く考古学の世界に受け入れられた。
 
その後、彼自身よりフラフープ(車輪のように転がすもの)と回すための専用棒、つまりフープ・ローリングという遊具の一種であると修正された。根拠としては、それを使用する場所が通りや平面屋根であることが挙げられ、ボールや何らかの球体であるとすることも提案された。オリエント学者のビリギッテ・グロネベルク(Brigitte Groneberg)は、類義語という観点から、それが「弓と矢」ではないかと提案している。
 
イメージ 8
 
全世界を支配できるかもしれない魔法の樹と引き換えに、フラフープ(フープ・ローリング)とは何とも不釣り合いだが神話なのでしょうがない。いずれにせよ、これが生命の樹とリリスに関わる伝説だ。
 
生命の樹について語ると一つのシリーズができてしまうので、話をリリスのまま続けよう。
 

閉じる コメント(8)

顔アイコン

すごい

2011/4/13(水) 午前 1:11 マーラーー

顔アイコン

>予言者エレミヤの息子である主人公ベン・シラの出生から成長までの物語や、彼の格言や処世術などがアラム語のアルファベット順に並びながら記述されている。ちなみに、彼の母親は予言者エレミヤの娘、つまりベン・シラにとっては姉にあたる人物だ。

これは、予言者エレミヤが、実の娘と近親相姦をしたという事ですか?

2011/4/13(水) 午後 0:02 マーラーー

マーラーーさん
そういうことだと理解しました。

2011/4/13(水) 午後 0:46 [ 9回裏二死満塁 ]

顔アイコン

一般的解釈によれば、(アン)ズーは、エンリルの象徴である。

一般的解釈によれば、リリスの原型は、二ンリルである。

だから、世界樹に巣くう、リリスとアンズ―は、二ンリルとエンリルの夫婦をあらわしている、かもしれない。

2011/4/14(木) 午前 4:52 マーラーー

顔アイコン

又、蛇は、リリス(エバ)の象徴。

さらに、リリスは淫乱女神だが、イナンナも愛欲の女神。

以上の解釈を、どう思われますか?

2011/4/14(木) 午前 5:00 マーラーー

顔アイコン

>その後、彼自身よりフラフープ(車輪のように転がすもの)と回すための専用棒、つまりフープ・ローリングという遊具の一種であると修正された。

これには、驚きました。

2011/4/14(木) 午前 5:07 マーラーー

アダパの船を破壊したのはニンリルと関連付けられる南風、時にはリリスとなり、そしてズーと解釈されたとは思うんだけど、ズー鳥に限って言えばやはりエンリルの僕で同列ではないような気がします。
まぁ、でもそこまでまだ調べてないです。

2011/4/14(木) 午後 6:41 [ 9回裏二死満塁 ]

蛇は、リリス(エバ)の象徴 >多分 次回の記事かな・・・?
淫乱女神と愛欲の女神… ほとんど同じように聞こえますが…笑

2011/4/14(木) 午後 6:43 [ 9回裏二死満塁 ]


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事