団塊の詩人

定年後の自分探しには、今を乗り越えていく詩人の精神が宿らなくてはならない。

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視点・論点 「貧困大国の未来」 堤未果

またまた身近にある図書館で借りた堤未果さんの本、「アメリカは変われるか?」
教育誌「クレスコ」に連載されたものをマルクスレーニンもので有名な大月書店が発行したものだが、アメリカの主体的な市民の姿が活き活きと描いてある。

本のタッチは、田中伸尚さんの「不服従の肖像」や「憲法を奪還する」に似ていて真摯で心優しく、いつも主人公は国民であり人民であり市民であるのだ。

13の事例を引きながら、かつての「誰にもチャンスが与えられ、あきらめず進み続ければ、その先にきらきらした未来が待っているという」アメリカンドリームが暴走する市場原理の前にずたずたにされる様を堤未果さんは日本でもアメリカでも目撃してきた。

堤未果さんは、切り捨てられた人々が敗者復活戦のない経済格差にがっちりと足かせをつけられ、目を伏せる絶望的な状況から再び顔を上げさせる「力」になるものとは何だろうか?と自問自答されるのであった。

そして堤さんはオバマへの幻想に目を眩ませることなく、エンターメント化かするメデアの尻馬に乗ることをもせず、貧困大国化したアメリカの未来への道を探すにはリーダーの「夢」にすべてを託すのではなく、その夢の中身を国民自らが知る必要があるときっぱりと主張されるのだった。

また、オバマ政権はブッシュの残滓もクリントンのイスラエル人脈も継続させたことを堤さんは明かし、いたずらにオバマに期待することを戒め、真に社会を変えるのは「どこにでもある街の片隅から聞こえてくる声」が広がっていくことでもたされると訴えられるのだった。

そして、堤さんは、チェンジは「待つ」のではなく「起こす」ものと語り、『真実』を武器に立ち上がるアメリカ市民からのエールを我々日本人に対して繋ぎつつ、日米市民の連帯を仕掛けるのだった。

 一度だけだが、堤さんのお話を月島の福祉会館で伺う機会があった。そのとき会場に向かうためにEVを待っていると、華奢ではあるが白の上下のスーツ姿でさっそうとEVに入って来られたのだ。横顔を見るとやや強張っていた表情に見えた。

 お話の内容も、自由と民主主義のシンボルとされるアメリカという国の大半の人は、貧困に喘ぎ、自らの力では往かんともし難い格差社会の中で生きながらえ、そうした最下層の黒人を狙って軍隊へのリクルートが盛んである実例を示しながら、貧困ビジネスの実態を含めアメリカの軍事力を支える理不尽な構造を明かされるのだった。

 リアルなアメリカ生活を体験している堤さんは、日本のジャーナリストとしては稀れな切り口から戦争と貧困の関係を忌憚なく指摘され、日本社会がアメリカ社会の相似形をなしつつあることを警告されるのだった。

 終始硬い表情を崩されることはなっかたが、堤未果さんの発想や着眼点に触れ、日本社会の新しい時代を切り開く女性の一人でであることを実感させられたのだった。

 真実を発見するためには、内側から見た事実に囚われるだけでなく、外側から検証する視点は欠かすことができない。

 日本人が信じて止まないとする日本文化なるものも、そうした考え方に立てば外国人の評価をしっかりと受止める必要があるのだろう。

 堤未果さんには、内側史観の日本人だけでなく外側史観をしっかりと身につけておられる一人であり、「9.11」の歴史的な意味を現場に立って受けとめた一人でもあった。
 大転換後の時代にあって、日本での存在感をさらに増していかれるだろうとの展望に立って、堤未果さんの時代を切り開いていく今後の活動にさらに期待したい思うのだ。

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