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浅田真央が舞った。 フル=パッケージのフィギュアスケート。 独り部屋の中で、万歳三唱した。 いや、何度も何度も、繰り返した。 命を削るような試練の果てに、 彼女が研ぎ出だしたのは、古今絶無の剣だった。 なぜにここまで、鬼気迫る超越的な試練を彼女は自らに課したのだろうか。 ただでさえ理不尽不可解なジャッジのまかりとおる、五輪フィギュアの場に。 だからこそであるとしか、言いようが無い。 誰にも汚されない最高の捧げものを、彼女は銀盤の上にこしらえたかったのだ。 かくしてそれは、くべられた。 ジャッジも、点数も、順位もメダルも、もはや余人が与える物では、 なにものも、彼女の境地に踏み入ることはできない。 傷だらけの天使、天に則る。 壮烈な記憶を、人々に遺して 後は、体裁を失った採点システムがガラガラと音を立てて崩れ去る様を、なごやかに眺めていた。 「だから言ったろう? あの時、『鐘はもう、鳴ってしまったのだ』、と――」 カラチや出雲阿国のように、その名は青史に残るだろうか。 しかし今や誰も、彼女達の踊りがどんなだったか詳しく知る由もない。 たとえメダルに名を刻んだとて、名前だけでは意味を持たない。 浅田真央は、銀盤そのものに体を刻み、舞を刻み込んだ。 五輪でのこの舞は、六種を全て盛り込んだ8回の三回転ジャンプ―― 最高級の贅を凝らした詰め合わせ、スケートそのものへの最上のギフトとして、、 末永く人々の記憶に残り、銀盤の上で語りつがれてゆくだろう。 了 ※写真は庭から「出土」した、東京オリンピック1964のメダル置物。
真央ちゃんには、まだ世界選手権が残っている。いざ、まろやかな伝説の完結へ。 |
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お久しぶりです!!!ホントにホントに感動しました。この二日間は殆どまともに寝れませんでした。でもSPで失敗した時、まだフリーがある..という思いが沸々と湧いてきたんですよ。これまでの彼女の頑張りが報われないはずがないと。録画を何度見てもニュースを読んでも涙が出ます。点数もメダルも他の選手も関係ない。これぞ記憶に残る演技..。ラフマニノフ2番も特別なピアノ協奏曲になりました。あああ、感動冷めやらず(嬉し泣き〜)
2014/2/21(金) 午後 11:02
>Xiaolinさん
二夜とも、言葉に言い表せない衝撃でしたね。正直僕もSP直後はがっかりしたと言うより、まるで3.11の時のような、悪い物質が脳内にぐりんぐりん出てた感じでした。「いや、苦悩も共にしよう…もっと苦しい所に彼女はいるんだ!」と頭の中でカッコつけてみたり、でも結局気持ちの整理にもならなかったり、なんか色々大変でした(笑)。
しかし、僕等は、世界は、あのフリー演技の中にはっきりと見たんですよね。一人の女の子であり、偉大なフィギュアスケーターであり、同じ人間の快哉そのものを。 愛い哉、ういかな。
2014/2/22(土) 午後 3:15
真央ちゃんから学ぶものがたくさんありました。
ありがとうの一言ですね。
2014/2/27(木) 午前 7:51
>白洞さん
本当、たくさんありますね…すべてを正の値に変えていく、鮮やかな万華鏡のようです。
2014/2/28(金) 午後 10:24