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. このコーナーで何度か紹介したオスカー・ピーターソンですが、 彼が「心の師匠」と公言して憚らなかったジャズピアノの巨人がいます。 それがアート・テイタム(1909-1956)です。 アート・テイタムは生まれつき白内障を患っており、片目は完全に盲目で、 もう一方も極度の視野狭窄で25%ぐらいしか見えなかったそうです。 しかしそのピアノプレーは超絶技巧を誇っていただけでなく、アドリブセンスも素晴らしいものがありました。 彼の活躍した時代はスイング期でしたが、ビッグバンドやコンボではほとんど活動せず、 もっぱらソロかトリオで活動し、その唯一無二の音楽性を発揮しました。 彼の演奏は、当時アメリカに滞在していたヨーロッパのクラシック音楽家にまで注目され、 あのホロヴィッツまでが52番街を訪れて彼の演奏を聴き、絶賛したといいます。 テイタムのジャズは、当時のジャズシーンの中でも極めて異質のものであり、 他に同じスタイルや方向性でジャズをやるアーティストはほとんどいませんでした。 当時特にピアニストとして評価が高かったのは、テディ・ウィルソンやアール・ハインズなどですが、 テイタムの紡ぎ出すサウンドはどれとも異なるものでした。 唯一、彼の演奏に衝撃を受けつつも、自己の演奏表現に積極的・発展的に取り入れたのが、 ここで何度か紹介したオスカー・ピーターソンだったワケですね。 さて、テイタムは非常に古い時代の人だった上に、1956年に47歳で若くして亡くなっているので、 それほど多くの動画が残っているワケではありません。 今日はちょっと珍しい演奏を紹介します。 ドヴォルザークの有名な「Humoresque(ユーモレスク)」を軽快なブギウギ調でソロ演奏するテイタム。 ここでは、それほど技巧的な演奏はしていませんが、その「テイタム流解釈」に注目してみて下さい。 もしもドヴォルザークがまだ生きていて、この演奏を耳にしたら、 思わずほくそえんでしまうのではないでしょうか?(^〜^) お次は、動く映像ではありませんが、テイタムの十八番「Tiger Rag」です。 「神の指」が絢爛豪華に鍵盤を駆け巡ります。淀みとか迷いといったものが全くありません 技巧派テイタムの演奏を代表するチューンであり、私もCDでよく聴きます(^^) 彼はビ・バップ期より前の人ですから、和声的にピーターソンより古さを感じるのは仕方ありません。 しかしその自在なテクニックはまさに「ピアノと戯れる」という表現がピッタリで、 どんな演奏も軽々とこなしてしまう小気味良さが素晴らしいのです。 次回もテイタムの動画を紹介しましょう。 .
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