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時代は昭和のとある3月の事、八ヶ岳の主峰・赤岳の西壁に誘われ、すぐにその誘いに乗ってしまい付いていく事に。
岩登りはやるものの・・・氷壁などとんでもない・・・冷たい・寒い・・・間違ってビバークなんかになったら・・・どうしよう。
じゃあ行くなよ・・・・しかし経験してみたいと言う悪魔の誘いに乗ってしまいました。
車に同乗し、美濃戸口まで。(積雪期は車はここまで)ここに着くまでに既に吹雪き。ここから赤岳の麓の行者小屋まで歩きます。
行者小屋が近づくにつれ吹雪はひどくなる一方。雪の上に付いた踏み跡を外さないように歩くだけです。
しかし河原のような広い場所では、時として何本も道が出来るのです。
その様な場所で、便意をもよおしたオイラ。踏み跡から可能な限り離れて事を済ますのがマナー。当然マナーの良いオイラも踏み跡を外れ、新雪をかき分け数メートルの所に臨時のMYトイレを確保します。
折からの吹雪、視界は良くありません。視界が悪いと雪面の状態が良く判りません。起伏が判りにくく、別の場所に着いている踏み跡は見えにくいのです。すぐに雪が積もってしまうし...。
さて・・・キジ撃ちを始めると・・・・・・そこは別に付けられていた踏み跡の脇で、よその登山者が除けて歩いて行くではありませんか...よりによって何人も。吹雪でヤッケを頭から被っているので助かりました。
結局、行者小屋まで行ったものの、天候は回復せず登攀は中止に。
臨時山用語講座
キジ撃ち
キジとは鳥の雉(キジ)のこと。
お通じをする格好が、キジを鉄砲で撃つ格好に似ているという事から、排便を致す事を
「キジ撃ち」と山屋さんの間では言います。
女性はこんな言葉は下品なので使いません。お上品に「花摘み」と申されます。
このキジ撃ちから派生した言葉で、体から出た物体そのものを「親キジ、キジ」。液体を
「コキジ」。その他バリエーションとして、キジ紙、キジ場 etc.
山を離れても、山屋さん達の間では「キジ」と言う言葉は生きています。街中でも、綺
麗な飲食店でも「キジ...」と言って場を離れたり...。隠語で呼ぶ辺り、山屋さんは
とってもお上品です。
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