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たくさんの肉を抱えた橋本が立っていた。
「今日は ばりばり食べるばい」
「さとこ、皆さんにも声掛けてきてくれ、
用意頼むな。それとおまえといとの分は別にして
たくさん食べるんだぞ。」
「うん、兄ちゃん、早く太郎の顔みて少し大きくなったよ。
いと姉ちゃんも待っているよ。早く行ってあげて。わたしが用意しておくから」
「たのむな」
宴会が始まった。
橋本は子供のために現金が欲しい事。
奉公するには妻子をここにおいてもらいたいことを皆に話した。
「いいよ。さとこちゃんも良く働くしね。さとこちゃんがいるとあかるくていいよ。」
「みんな、いただこううまそうな肉だ。野菜は売るほどあるからな。」
「あっそうだ。笠戸丸で一緒だったイッパチ、覚てますか?」
「ああ、イッパチならここにいたよ。しばらく山戸もいたよ。
イッパチの奴、賭博場ではたらいていて最近じゃ、
羽振りがいいらしいよ。街を肩で風きって歩いているらしい。
あんまり評判はよくないよ。まぁやくざな家業だしな。
あいつ、なんだか勝負運が強いんだ。ここにいた頃も
なんとかっていう動物くじを当てたって言ってたな。
博才があるのもどうかな。
あいつの人生にとっちゃいいんだか、悪いんだか。」
「正直、うらやましいかぁ。」
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