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 阪神1000系は、2009年春に開業を目指す阪神なんば線および、同時に相互乗り入れを開始する近鉄線に対応した車両で、これらの相互乗り入れ開始に伴って製造された車両である。

ヨソイキ・モード

 阪神電鉄の車両はこれまで震災後の臨時投入車9000系を除く各車両は、普通用車両は青、急行用車両は赤(9300系およびリニューアル後の車両はオレンジ)を基調とした色に、クリームもしくは白色のツートンカラーのデザインであった。
 しかし今回この1000系は「ヨソイキ・モード」(*1)と名付けられた一新したデザインテーマのもと、「ちょっと乗って出かけてみたくなる車両」(*1)のイメージを目指した車両デザインになっている。

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室内の様子。全車ロングシートでバケットタイプの座席

 座席は従来の車両でも使用されているバケットタイプのシートとている。全車両ロングシートとし、9300系や8000系に見られる転換クロスシートは設置されていない。なお特筆すべき構造として、近年流行の片持ち式を採用しておらず、従来どおりの脚台構造になっている。これは熱的効果を考慮してだそうだ。

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車端部の車椅子スペース

 車椅子スペースは従来の車両は中間車のみだったが、1000系は先頭車両にも設けられている。また非常通話装置も従来の車両は車端部妻面に1両当り2カ所設置していたが、1カ所をこの車椅子スペースに変更している。

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運転席後部。乗務員室と客室の間にある扉は、連結時にも閉められるよう引き戸の扉になっている

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照明周り。カバーが廃止された。が、このように照明器具および周りの天井に工夫を凝らし連続性のある形になっている。

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扉上部の車内表示器と開閉予告灯

 側面扉上部はLEDの車内表示器が千鳥配置で設置されている。なお9300系などに見られたマップ式の表示器は見送られた。また1000系からは予告開閉ブザーに加え、予告開閉灯が新規に設置されている。
 
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側面の様子

 車体はステンレスを使用し、無塗装である。しかし先頭車運転台付近は普通鋼製であり、ステンレス部分よりも濃いシルバーで塗装されている。またレーザー溶接技術を採用し外板の溶接後が大幅に削減され、仕上がりが美しくなっている。この技術は鉄道では最先端の技術で関西では321系に次ぐものになっている。(工場出場がほぼ同じ時期の521系もこのレーザ溶接を採用している)
 先ほども述べたが阪神はツートンカラーが基本で、ステンレス車体の9000系も帯にその伝統があったが、この1000系では一新されている。前面はブラックフェイスに貫通幌の部分を銀色に塗装、アクセントとして前照灯、およびテールライト下部にオレンジが配置されている。
 側面はステンレスを基本とし、扉とその上部をオレンジを配し、その両側に白のストライプが配置されている。なおこのオレンジ色は急行車両の暖色系を受け継いだものであり、「ビバーチェオレンジ」と言うそうだ。(ビバーチェは音楽用語で活発に速く、生き生きと言った意味。)

阪神、山陽、そして近鉄へ...

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このスイッチこそが近鉄乗入れ対応車だという最大の証であるだろう

 1000系は阪神、山陽の保安装置に加え、近鉄線にも対応した保安装置が搭載されている。そのため乗務員室を160mm拡大し対応している。(近鉄ATSや列車選択装置などの運転保安装置類は設置準備工事の段階。)
 また運転保安機器を一括して切り替られるスイッチも設置されている。
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運転台。左側に抑速ブレーキのポジションが追加されている

 主幹制御器およびブレーキ制御器は9300系と同じタイプのものであるが、近鉄線乗入れに対応して抑速ブレーキのポジションが追加されている。
 またタッチパネル式のモニターが新規に設置されている。このモニター装置は運行支援機能の他、主要機器の状態表示、行先表示や車内表示などの乗客サービス機器設定などが可能である。その他運行状況を記録する機能もある。
 放送装置は、増結時に切り離し前の案内に備え、増結車両にだけ案内放送が可能な機能付きのものを採用している。

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運転席側面の機器類。三宮駅3番線や山陽大塩駅などで必要なドアカット機能も搭載されている。


増解結を日常的に行う車両として

 現在、阪神電鉄では車庫などの裏方を除くと増解結は一切行われていない。これは急行列車、普通列車共に有効長限界の編成を組んでいるからである。もちろん6両編成のままでは近鉄線および難波乗り入れは混雑が激しくなることから、久々の増解結を前提とする車両となった。

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編成図

 基本編成はこれまでの急行形車両と同様6両編成とし、付属編成は2両編成になっている。最大10両で運転することが可能である。

 連結器はこれまでバンドン式密着連結器を採用していたが、近鉄と乗り入れを開始することもあり廻り子式を装着している。連結を行う6両編成の梅田側Tc1と2両編成の両先頭側は電気連結器を装備している。

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6両編成の三宮側先頭車、Tc2の連結器付近

 よって6両編成の三宮側先頭車、Tc2は連結を考慮しておらず、電気連結器を装備していない廻り子式連結器になっている。そのためスカートも左右繋がった状態になっている。室内の運転席も同様で、通路にできる構造にはなっていない。

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増結編成同士の組み合わせ4両で西大阪線の運用に就く。写真手前の車両は1501形


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2両増結編成の三宮より先頭車、1501形の連結面付近。スカートの切り欠き辺りに転落防止放送用のスピーカーが付けられている。


2両編成の1501形(Mc)は連結、必ず連結相手になることからこの形式のみ貫通幌が装備されている。また同時に連結面での転落事故を防ぐため注意喚起放送のスピーカも設置されている。(放送内容は阪神1000系、デビュー初日 動画編のおまけに収録しています。)

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先頭車同士の貫通通路。運転席反対側にも立ち入ることができないようになっている。


装置など

パンタグラフ

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 集電装置は阪神では初めてとなるシングルアーム方式を採用している。(PT7160-A形)ちなみに従来の下枠交差形のパンタグラフに付け替え可能な構造になっている。

側面LED表示器

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 種別表示器はフルカラーLED方式を採用し種別ごとに色分けが可能になっている。(特急は赤、急行はオレンジ、普通は青といった具合)行き先表示器きは同様にLED方式だが白色のみになっている。ちなみに側面は種別と行き先の一体型。

主電動機

 これまで急行用車両は中間車は全て電動車のMT比4:2であったが、1000系は3:3、増結編成も1:1なのでモータ車の割合が少なくなっている。なので130kWから170kWにパワーアップし編成全体の容量はほぼ同一としている。
 最高速度はは9300系と同じ110km/h

簡易運転台

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 これまで通り構内入替え運転な可能なように編成の中間、T車(1301形、写真上)とM2車(1101形、写真下)のそれぞれに簡易運転台を設けている。他の中間車同士の連結は半永久型だがもちろんこの車両間は廻り子式。

走行区間

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 阪神なんば線と近鉄乗入れにあわせて誕生した車両だが、ご覧のように一足先に運転を開始している。デビュー開始初日は山陽電鉄線の須磨浦公園まで入線したが、当面は2000系と同じ運用に就き阪神線内を中心とした運用になると思う。これから先の運用区間は基本的に予定なのでご理解頂きたい。(ちなみに近鉄線の近鉄難波〜上本町の正式名称は近鉄難波線)

参考文献:鉄道ファン2007年2月号(通巻550)新車ガイド
     (*1)はここからの抜粋

参考サイト:新型車両1000系が完成しました-阪神グループ

あとがき(と言うか筆者の独断と偏見を交えた意見)


 いよいよ運転を開始した阪神1000系。2006年度中(つまり07年3月まで)に運転される予定で公式発表もしていましたが、何かと不具合があったらしく半年遅れてのスタートとなりました。しかし快調のスタートと言うことはできず、初日も遅れを発生させての運転でした。しかも6両編成の車両はトラブルが発生し運用から外れているとか.....こうも続くとちょっと気になります。もしかすると今後の製造は予定通り進まないのかとも思ってしまいます。
 室内の感想はあまりいいものとは......デザイン的に少し安っぽいように感じました。9300系の完成度が高かっただけに少しがっかりです。でも蛍光灯周りの処理には感心しました。一見カバーがあるように見えましたがよく見ると裸で。照明器具や、やや凹んだ電球周り、カーブしている天井がそう見せてくれるんでしょうね。一般的なカバー無しの車両とは全く違う印象を持ちました。
 まあ色々ときついことを述べましたが、思い切った外観デザインは評価しています。早く難波や奈良でもみたいですね。



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