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豆腐を買うのが日課のようになっている。 惣菜の食材として使うことも多いが一番多い用途は夫の酒の肴である。 最近は夫のお酒の呑み方ががらりと変わった。 以前は月に一度しか飲まないこともあったが今では二日に一度は呑んでいる。 三日続けて呑むことも珍しくない。 以前は呑むときには一升瓶を空けていたのが最近では一度に呑む量は減って三合になった。 仕事が忙しかった三年前にはふだん全く呑まなかったのが今では週に四日は呑みの日になっている。 酒量が増えては困るので週にお酒は一升瓶を空けたらそれで終いにするようにしている。 けれど父と呑むときにはいっしょにビールを呑むのであり、それは酒量の勘定には入っていないらしい。 二人がいっしょに呑むのは大概はプロ野球観戦のときだ。 巨人ファンとヤクルトファンが同じビールを差し合いながら呑むのである。 夫が一人で呑む日には木綿の冷奴が欠かせない。 いつ呑むかは決まっていない。 今日は呑まないと言っておきながら土壇場でやっぱり呑もうか、である。 なので私はほぼ毎日のように冷奴を用意しなくてはならない。 はなたれ小僧さまに海老のなますをこしらえて供えるように私は夫のために冷奴をつくって出す。 キッチンペーパーで包み冷蔵庫で水切りをした木綿豆腐を皿に移し、刻みネギと鰹節をのせ、お醤油と昆布だしをかける。 絹ごしではなくて木綿でなくてはならない。 それが夫の好みの冷奴だ。 これをいつでも食べれるように用意しておく。 冷奴だけでお酒を呑むときもあれば晩酌で他の惣菜といっしょにやるときもあって、それは長年の夫婦の呼吸でわかるのである。
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