ミーちゃんの赤い靴

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全6ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6]

[ 次のページ ]

両親との再会はミーちゃんにとっても父や母にとっても素晴らしかった
 
ミーちゃんが再び消えた時、母には確信があった
 
「あの子はきっと、大切な役目のためにいなくなったんだ。それが、成された時に、必ず戻ってくる」
1度目にミーちゃんが失踪し、戻ってきた時に、そういう時が再びくるであろうと予感していた。
父は何にも言わなかったけれど、白髪交じりの髪、細くなった背中が離れていた年月を深く感じさせて胸が締め付けられた。無言のまま抱きついた。父は背中を優しく撫でてくれた。
オージーがマリアを抱いて近くに立っていた。
「マリアです。雄太さんとの子どもです。」
オージーが母親へマリアをあずけました。
マリアを見て両親は涙を零します
「マリア・・良い名前ね。よろしくあなたのおばあちゃんとおじいちゃんよ」
マリアは笑った
 
キラキラ光る種が地面に落ちていった
 
父親がオージーの方へ向かって行く
 
「君がずっと護ってくれていたんだね。実は私達は時々、あの本を見てたんだ。あれが、君からのメッセージだと気が付いたんだ。ありがとう。」
 
ミーちゃんはオージーがあの本を通して両親にミーちゃんが無事だという事を報せていたと初めて知った。
 
「これからまた、暫くお別れになります。」
オージーが両親に向けて言った。
 
「地球はもう大丈夫なんでしょうか?」
 
「はい。もう再生は始まっています。来年になると更に人々に幸せをもたらす事が出来るでしょう。ご安心ください。」
オージーはお辞儀をすると後ろを向いて歩きだした。
 
「お父さん、お母さん。行かなくてはいけません。」
「ああ、そうだね。私たちは君を誇りに思うよ。これからも逢えなくても、私たちの家族の絆は永遠だよ。お母さんと一緒に此処から君と、マリアの幸せを祈っているからね。」
父と母に見送られてミーちゃんは歩き出した。
 
愛する家族のために
愛する地球のために
 
ミーちゃんは再び宇宙へと飛び立った
窓から見える蒼い地球
 
「マリア、あれが地球の美しい姿なのよ。私たちはあの地球を護る大切な役目があるの」
 
「地球へ送り続けましょうね。愛する想いを。決して絶えることのない無限大の愛。太陽も月も地球にその命を送り続けて下さっています。私たちにできる事をあなたが受け継いで、その次の世代へ受け継いでいくのよ。お願いね。」
 
マリアは眠っていました
でも、その顔に微笑みが浮かんでいました。
 
 
タンポポが咲く黄色い絨毯の様な丘の上にそよ風が吹きました。
ふわふわの綿毛が一斉に空へ向かって飛びました。
風がそよそよ流れていくと、綿毛もそよそよ風に乗っていきました
 
世界中で白い綿毛が飛んでいきました
 
とても美しい光景でした
 
一年が経ち
たんぽぽの咲く季節になりました。
一本、二本と沢山の木が延びていました
新緑の頃になると枝が延び、小さな蕾が付きました。
白い薔薇の蕾でした。
薔薇の名前は「マリア」
 
もしも、またこの地球が危険に陥った時、その白い薔薇は青い花へ変わるでしょう。
 
窓から眺める地球は今日も美しい
ミーちゃんの手をしっかり握るマリアは一人で立っていた。
ミーちゃんは雄太の逞しい腕の中にいた。
「アッ蹴ってる」
ふっくらしたお腹に手を当てた
「わたしにも!」
マリアが手を置いた
「アッ!ママ!!あかちゃん!」
雄太とミーちゃんは顔を見合わせて笑った
 
「幸せ・・」
ミーちゃんが言うと雄太が唇を重ねた。
「コホン、失礼。」
「あらっオージーお帰りなさい。どうだった?」
オージーが地球から戻ってきた
「順調です。マリア様の花が咲き始めました。」
「そう、良かった。これで空気中の毒性ウイルスはいち早く発見出来て、対処できるわね」
 
「おじい様の研究はこうなる事がわかっていたからだったようです。」
 
ある日夢の中で、おじい様とおばあ様がミーちゃんに逢いにきました
 
青い薔薇の花を持ったおばあさまの足元には赤い靴。
おじい様の持つステッキはまるで生きているように動いていました。
驚くミーちゃんにおばあさまがウインクして言いました。
あなたが育てた薔薇の木で出来ているのよ。
「おばあさま、おじい様とちゃんと逢えたんですね」
微笑みながら二人は消えてしまいました。
地球を愛する者への愛は降り注がれています。
その愛を感じる事が出来た時、空を見上げて言ってみてください
「ありがとう」と。
愛は平等に与えられますが、その愛を受け止める事が何時出来るかは自分次第なのです。
 
宇宙と共に地球は存在します
誰かが壊さなければ永遠に。
『奇跡の惑星』なのだから。
 
                                                   Fin
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タンポポの花があちこちに咲いていました。
「そうか・・もう春だったね。美咲、よく見つけたわね。可愛いね」
近くにいた人達もそのタンポポを見てホッとしていました。
 
「地球がちゃんと生きてるって事を教えてくれてるんですよ。」
女の子の前に、赤ちゃんを抱いた、女の人が立っていました。
「地球は生きてるの?」
女の子が聞きました。
微笑みながらその人は頷きました
 
「ほらっ空も綺麗でしょう。青い空は好き?」
「うん。美咲、青いお空が好き。でもね、ずっと見れなかったからつまんなかった」
「美咲ちゃん。もう大丈夫、これからは青い空一杯見れるからね」
「ほんとーわあいわあーい。お母さんも大好きなんだよね。青いお空」
 
それまで二人の会話を聞いていた人達がざわめきだした
 
「地球が大丈夫って本当ですか?あの木が無くなっても?」
「もう、大丈夫です。だから空を遮るものは無くなります。」
 
「マザー?もしかしてあなたがマザーですか?」
周りの人が集まってきていました。
みんながひそひそ言い合っています
「マザー?あの人が?日本人っぽいよね・・」
「まさか〜マザーじゃないでしょ、普通の人みたいだよ」
「いや、マザーに違いない。あの青空が見えた時、あの人が現れた。きっとマザーに違いない」
 
「おばちゃんってマザーなの?」
女の子が首を傾げた
その人はほほ笑みながら女の子の頭を撫でた。
「あかちゃん、可愛い!美咲と同じ女の子?」
 
「ええ。女の子よ。」
「なまえはなあに?」
「マリアよ。」
「マリア?マリア様と一緒のマリア」
 
「マリア様のような優しい人になって欲しくて、美咲ちゃんはきっと優しい女の子なんでしょうね、美咲ちゃん、これからもタンポポみたいに温かい人でいてね。」
 
ミーちゃんは女の子のお母さんに会釈して歩きだした。
 
ミーちゃんの歩いた跡に、タンポポが咲いていきました。
 
みんなの瞳には涙が溢れていました
中には手を合わせている人もいました
 
青い薔薇の絨毯が、温かなタンポポ色に染まりました。
 
薔薇の木の枝はまるで生きているようにスルスルと土の中へ入っていきました
 
「マリア、ごらんなさい。綺麗でしょう。心がホッとする。これが地球よ。美しい地球が蘇ったのよ」
 
世界中が、タンポポの花が咲いたというニュースを伝えていました。
 
青い薔薇は枯れて、土へと消えていきました
 
タンポポの絨毯は人々の顔に笑顔を取り戻しました
 
高いビルの屋上にミーちゃんはいました。
ミーちゃんは、マリアを抱いてジャンプします
マリアがキャッキャッと笑うと小鳥たちが集まってきました
 
青く澄んだ空をミーちゃんはあの赤い靴を履いて飛び回りました
マリアが笑うたびにキラキラとした種が地上へ落ちていきました。
 
「マリア、あなたの種がしっかり根をつけて花を咲かせる日が楽しみね。」
 
「希望の花、明日咲く花。これからもずっと地球を護り続けていきましょう」
 
 
「マザーお迎えにまいりました。お母様とお父様がお待ちです」
 
オージーだった
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

春の訪れ  26

地球は平常を取り戻しつつありました
 
ウィルスによる感染も青い薔薇が抑えていました
 
復興のために人々は力を合わせて取り組んでいました
壊れた建物の残骸は取り除かれ、今は新しい建物が幾つも建っています
道路も鉄道も修復工事が急がれたので、街も人も動き出していました
 
世界が同じ目標に向かっています
世界が同じように傷つき、苦しみそして希望へ向けて動き出していました
世界中の国が、新しい時代を迎えていました
 
宇宙連合軍の存在が明らかにされ、地球を守った青い薔薇に命を与えた人物をみんなはマザーと呼んで崇めています。
日本人である事はまだ公表されていませんでした
 
今日も青い薔薇が咲いています
世界中が、その枝で繋がっていました。
世界中が、争う事を止めて手を結んでいるように。
 
地球を護っていく事。
それが人類の役目だと世界中の子ども達に教えられました。
 
新緑の緑が鮮やかな早朝
天に繋がったような網の目の木の枝が徐々に大きく拡がっていきました
その場所には青く拡がりました。
灰色の空を見なれていた人達は、現れた青空に見とれて動けなくなりました
「眩しい!」
目を開けていられないほどの光
それはゆっくりと降りてくると富士山の頂きで停まりました。
同時に、幾つかの光の筋が日本各地へ向かって走りました
 
「マザーが来て下さった!!」
みんなが口ぐちにそう叫びます
青い空がどんどん広がっていくごとに、枝から薔薇の花が地上へ降ってきました
 
青い薔薇で埋め尽くされた地上は、まるで絨毯のようでした
 
「この花が無くなってしまったら私達どうなってしまうの?」
美しい光景の中で不安になった女性が叫びました
 
人々から笑みが消え、足元の薔薇を茫然と見つめていました
 
あの日からずっと自分達を護っていた青い薔薇が無くなる
その事がどういう意味なのか
 
「ママ見て、可愛いお花が咲いてるよ。」
3歳くらいの女の子がお母さんの腕を引っ張っていました
 
小さな女の子の指の先
そこには春の訪れを知らせるように黄色いタンポポが咲いていました。
 
 
 
 
 
 
 

未来へ紡ぐ  25

2013年 4月
 
「オージーお願いがあります」
オージーはミーちゃんが立っている窓の近くまで歩み寄りました。
「地球へ行ってみますか?」
オージーは、ミーちゃんの腕の中でスヤスヤと眠っている赤ちゃんの顔を覗きこみながら、そう静かな声で言いました。
「ええ。」
「では、明日手配します。おやすなさい。」
「ありがとう。おやすみなさい」
 
ミーちゃんは揺りかごに赤ちゃんをそっと乗せるとゆっくりと揺らしました。
「明日、パパに逢えるわよ。」
ミーちゃんは優しい声で話しかけます
眠っている赤ちゃんが笑いました
「ふふ 嬉しいのね。」
 
雄太は地球にいました
宇宙連合軍の若き指揮官として、地球で活動をしているのです
あの惑星衝突から3カ月が過ぎ、地球は落ち着きを取り戻し始めています
宇宙連合軍の存在も今では世界中が認めていました。
 
地球を護っただけでなく、破壊されたあらゆる場所を新しく造る為に尽力している連合軍は、地球に暮らす人々にとって、救世主のようでした。
 
マザーの力で薔薇の木に命を与え、生きているように意思を持った木が枝を延ばし、被害を最小限に食い止めてくれた事や、その後に起こる筈だったウィルス感染による人類滅亡を防いでいたのが、あの青い薔薇でした。
 
それでも世界中で、多くの命が失われてしまいました。
 
生き残った人々は宇宙連合軍と共に、再生へ向けて働いています。
 
マザーの正体は今だ明らかにされていませんでしたが、指揮官の雄太が地球人である事からみんなはマザーが地球人の可能性が高いと思っていました。
 
雄太が地球人であるという事しか明かされないままでしたので、雄太はまだ、両親へも逢いに行く事はしていませんでした。
ミーちゃんは直ぐにでも地球へ戻り、両親の顔を見たかったけれど、生まれたばかりの赤ちゃんの事を考えて、時がくるのを待っていたのでした。
 
「雄太・・辛いでしょうね。ご両親にあれ以来逢っていないのですから。直ぐに逢いに行けますよね?」
雄太が地球へ向かう日、ミーちゃんはそう尋ねました
「いや・・両親が無事な事は分かっているから。今は地球の為に遣れる事を遣る。その役目に集中したいんだ。」
雄太はミーちゃんの頬に軽くキスをした。それから赤ちゃんのおでこにも。
 
「行ってくるよ。君は大丈夫かい?」
「ええ。私は、この子と一緒だから。地球をお願いします。」
 
その時がやってきました
ミーちゃんが地球へ戻る時が。
スヤスヤ眠る愛しい我が子の寝顔を見つめるミーちゃんでした。
 
「マリア・・」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2012年 12月21日
 
その時が迫っていた
母船から見える地球へ向かう赤い稲妻
ひとつの惑星がその命を燃やしながら地球へと落ちて行く
 
「遂にこの日がきてしまいました」
オージーがミーちゃんと雄太の横で呟いた。
 
「オージー今は見守る事しかできないの?」
「マザー。あの惑星の中心部に爆発を誘導する装置があります。しかし、今、爆発すれば他の惑星にまでその残骸による被害を負わせることになります。地球が危機的状況な事である事を検討した結果、地球を蘇らせる為にも、取り決めになった事です。」
 
ミーちゃんは静かに頷きました
「分かっています。人類がもたらした地球の破滅が近かった事も。」
「そうだよ。このままだといずれ地球は壊れて消えてしまうんだ。今、この時が地球再生のために必要なんだ。」
雄太がミーちゃんの肩を抱きよせた。
「神様・・どうか成功しますように、御守下さい。」
 
地球まであとわずか
赤々と燃える星が最期の時を知らせるように一段と燃え上がった
 
「マザーいよいよです。」
 
ミーちゃんは両手をお腹に当てていた
昨夜からあまり動かなくなっていた
新しい命が誕生の時を迎えようとしていました
 
人々は黒い空が赤く染まっていくのを見つめていました
肩を寄せ合い。手を繋いで。涙が流れる頬。膝を立てて祈りを捧げる人。
 
赤く染まる空が一段と赤く光る
至る処でサイレンや鐘が鳴りだした
避難を呼びかけるスピーカーから、震えながら大きな声が響いた
 
「みなさん。生きていてください!!希望を捨てないでください!生きてまた逢いましょう!」
 
地球に赤い稲妻が衝突する寸前に
 
爆発が起きた
 
巨大な惑星の姿が、崩れて、大きな石の塊となって
地球へと落ちていく
 
「マザー!!指令を!!」
「みんな、地球を護って!!」
 
地球の姿は異様だった
まるで宇宙に浮かぶ毬のように、その周りに張り巡らされた網の中にありました。
 
それでも網をくぐってしまう石が地球へ落ちていった
 
その隕石によって世界各地の海には津波が起こっていた
陸地に落ちた隕石で、多くのビルや建物は破壊されていった
鉄道や道路も同様だった
火があちこちで上がる。地震のような揺れも続く。
一方で、多くの家や施設が護られた
病院も消防署も。
 
「お母さん、お父さん。」
そう叫んだ時。
ミーちゃんは痛むお腹をさすっていた
 
「雄太・・産まれる」
 
ミーちゃんは雄太に連れられ部屋を出た
 
「オージー大丈夫だよね。地球は無くならないよね。」
オージーはにっこりほほ笑んだ
 
「地球は生まれ変わります。マザーの赤ちゃんが生まれ出るようにね。
マザー。これから新しい地球へ向けて再生計画が始まります。指令をお願いします」
 
「青い薔薇を。蕾よ、花を開かせて。地球を護って!!」
 
外にいた人がバタバタと倒れていた。
胸を抑え苦しさに顔を歪めてうずくまる人もいた
その人達を抱きかかえて救助する
ガスマスクを着けた消防士や自衛隊、警察官達
マスクをつけた人々が家から飛び出てきた
「火事だー!!」
殆どの人がリュックをからっている。幼い子を護るように抱いてる母親も。
 
 
「マザー赤ちゃんが出てきました!」
 
オギャーオギャー
 
元気な産声が母船に響いた
 
新しい時代を築くために
地球の未来を掛けた再生への道
 
 
 
 

全6ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6]

[ 次のページ ]


.
あみ
あみ
女性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

お肉、魚介、お米、おせちまで
おすすめ特産品がランキングで選べる
ふるさと納税サイト『さとふる』
話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン
ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!
コンタクトレンズで遠近両用?
「2WEEKメニコンプレミオ遠近両用」
無料モニター募集中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事