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「こんにちは!おばあさん、マリーさん!!」
カチガラス君はおばあさんの家に着くと急いで荷物お籠を下ろしました。
扉が開いて、おばあさんが顔を出しました。
「おやまあ カチガラス君じゃないかい。ジャムさんに何かあったのかい?」
マリーさんも赤ちゃんのゆりかごの傍から心配そうに見ていました
「ジャムさんは元気です。でも、ミミさんのお母さんが亡くなってしまって・・」
おばあさんとマリーさんは顔を見合わせました
「お気の毒に。随分長い事辛かっただろうに。でもきっと天国から見守ってくれてるだろうよ。もうすぐミミちゃんもお母さんだろう?」
マリーさんはカチガラス君とおばあちゃんを見てからそっと赤ちゃんの髪を撫でました
「ミミちゃんは大丈夫だった?」
「何だか顔色も悪かったです。ふらふらしてた」
おばあさんがミルクを温めてカップに入れて持ってきました。
「おやおやミューも来てたのかい。いますぐミューにも持ってこようね」
おばあさんの言葉にカチガラス君は初めてミューが着いてきたことを知りました。
「どうしてミューがいるんだ!」
「あらあらカチガラス君一緒に来たんじゃなかったの?」
マリーさんも驚きました。
普段は滅多に外に出ないミューでした。幼い頃の虐められた記憶が残っているからなのか、ジャムさんのお店の周りしか出歩くことはしませんでした。
ミャー
一声鳴いてカチガラス君の足元へ身体を擦り寄せます。
「よしよし。よく遠くまでこれたね。喉乾いたでしょう。はい、お飲みなさい」
おばあちゃんがミューの頭を優しく撫でました
お皿に入ったミルクを飲み始めたミューを首をかしげてカチガラス君は見ていました。
「ねえ、カチガラス君。お前さん何かトラブルに巻き込まれてないかい?」
おばあさんが尋ねます
「どうしてなの?」
マリーさんがテーブルの籠の中のパンや花束を大切そうに出しながら、おばあさんに聞きました
「ミューにとって親代わりのカチガラス君だよ。こんな森の奥までミューが着いてくるなんてよっぽど心配な事があるからじゃないのかい?」
カチガラス君はおばあさんの言葉にハッとしました。
店を出る時まではこんな事になるなんて思いもしなかったけれど、ミューはもしかして予知していたのかも知れません。
「ミューそうなの?僕のことが心配で、君は怖いのを我慢して着いてきてくれていたのかい?」
ミューは答えませんでした。
ミルクのついた顔を手を舐めて綺麗にしていました。
「何かあるんだね!」
おばあさんに言われたカチガラス君は、モンシロチョウから頼まれた事を話しだしました。
カーテンの隙間から光が入る部屋で、赤ちゃんがぐずりだしました。
「ローズ、どうしたの、ああ眩しかったのね。さあお出でお乳の時間よ」
ジャムさんとマリーさんの赤ちゃん。
カチガラス君は産まれた時に見ただけで、今日は久しぶりでした。
「随分大きくなって、可愛いですね」
「きゃっきゃっ」
嬉しいのかローズは笑った
「それで、行くんだね!」
おばあさんが聞いた
「はい。僕約束しましたから。」
「そうかい。じゃあちょっとお待ちよ」
おばあさんは、そう言うと奥の部屋に入って暫く出てきませんでした
「気をつけてね。あなたはジャムと私の大切な友人なんだから」
マリーさんがカチガラス君の手に自分の手を重ねました。
「さあ、これを持って行きなさい。直ぐに解決できるような問題じゃなさそうだ。」
大きなリュックサックをおばあさんはカチガラス君の前に置いた。
「いいかい。一人でどうにもならなかったら直ぐに助けを呼ぶんだよ。キツツキだっていいし、鳥ならだれでも知らせてくれるだろうからね」
「おばあさん。ありがとう、あのミューはどうしよう。預かってくれますか?」
「あはっはもういないよ。先に出て行って待ってるんじゃないかい。此処に置いてけぼりされそうだって分かったんだろうよ」
見たらミューの姿は無かった。
「大丈夫よ。あなたとミューは相棒でしょ。」
マリーさんがウインクした。
きゃっきゃっ
ローズが笑った。
「じゃあ 行ってきます。あの・・ジャムさんにはマリーさん」
「ええ、私から伝えます。今はミミちゃんの事で大変だろうから夕方にでもキツツキさんを呼んで手紙を送るから」
カチガラス君は頭を下げた
「お願いします。じゃあ僕行ってきます!」
「しっかりやってくるんだよ。」
「気をつけて、無茶はしないでね」
おばあさんとマリーさんに見送られてカチガラス君は軽くなった自転車にまたがりました。
「ミュー!!ミュー!」
サッと走ってきたミューが自転車に付いた籠に飛び乗りました。
「よろしく相棒!!」
「みゃー!!」
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