|
久々に、ミロワール・ド・シクリズムのシクロツーリズムコラムです。
1969年5月 No114号です。
[ここから]
IL TAPPONE
P. Roques
2年前、ミロワール・ド・シクリズムで、
ツールディタリアとも言うべき名門レースについて書かれた
「ジロ、そして親愛なるそのティフォシへ」
と題するジャン・ボベによる特集記事が注目を集めた。 (※ ティフォシとは、サポーターを意味するイタリア語。
だそうです。 )
(※ ジャン・ボベは、ルイゾン・ボベの弟。
自身もレースの選手であり、引退後スポーツジャーナリストになる。 著書多数。
だそうです。 ) その中の、ジロ1967年大会のコルティーナ・ダンペッツォとトレント間の
第20ステージを取り上げた記事は、
そのステージが、イタリア人がtopponeと呼ぶ最も過酷なステージ、
我々フランス人が過酷なステージの事を言う時に使う女王ステージの意味なのだが、
その有力候補にふさわしい事を物語っている。
(※ コルティーナ・ダンペッツォ: Cortina d'Amprezzo
イタリアの村。 オーストリア国境付近に位置する。 ドロミテの入り口 )
(※ 1967年のジロの第20ステージは235km、ステージ勝者はVittorio Adorni。)
シクロツーリスト、
あるいは精力的でタフなランドナーや平和的な自転車キャンパー
(この2つは両方兼ね備えている人は多いが)などの自転車愛好家なら、
その描写によって数々のツーリングの記憶が甦り、
自分もぜひ征服してみたいという思いに駆られるステージ、コルティーナ・ダンペッツォ−テロント... そして、ファルツァレーゴ峠、ポルドイ峠、ロッレ峠、ブロコン峠、
恐ろしいガヴィア峠、有名なステルヴィオ峠...
これらの峠は、たとえ行ったことが無くても、
シクロツーリストたちが経験してきた様々なシーンを思い出させてくれる。
たとえば、辛さに打ち勝つというささやかで独りよがりだが爽快な勝利、
たとえば、挫けそうになるつづら折れ、
急で厄介な勾配、
荒れて泥だらけの道、
谷間の強烈な向かい風、
雪道と格闘したラスト数kmの冷たい霧。
一般の人なら、大きなレースではこんな高所の道や峠を通るのかと感心するだけなのだろうが、
無名でもそれなりの心得のあるシクロツーリストなら、これらの地名を見て、また写真を見てわくわくし、いつか自分がそこへ行く事を夢見てしまう。 しかしながら、その"tappone"のコースは、
ドロミテ、つまりイタリアのアルト・アディジェのボルツァーノあたりなので、
フランス人のランドナー達にとっては、
はるばるこの地にやって来たり、さらに長い日数をかける事はそう簡単ではない。
(※ ボルツァーノ: アルト・アディジェ州にある村) だから、フランスのクラブではそんな人たちのために、
外国の過酷なステージに見立てたコース、 達成感が存分に味わえて、その記念をフロントバッグに飾れるようなコースを用意してくれていたりする。 こんなフランスのシクロツーリストのための数あるtapponiの中で、
ピレネーで隔年に開催されるバイヨンヌ−リュション、
有名なバイヨンヌクラブの自転車部門によって今年の7月27日に開催されるのだが、
この大会のコースが出色である。
(※ tapponi: tapponeの複数形 )
−つづく−
|
全体表示




