帰宅難民:首都圏地震で渋滞6時間 郊外へ650万人
首都圏で大地震が起きたとき、都心部にいる約2000万人が一斉に歩いて自宅に帰ろうとすると、主要道路で長時間の渋滞が発生し、被災初期を上回る人数で6時間以上混雑する地点も複数生じることが21日、三菱総合研究所の試算で分かった。全員が帰宅するまでには約40時間かかり、初日だけでトイレ約1500万回分が必要となる。しかし、帰宅者の4割が会社などにとどまれば帰宅時間は半減するなど、効果的な対策も明らかになった。
三菱総研の研究員らは、正午に発生した地震により東京都内の全鉄道が停止したと想定。首都圏の自治体などのデータをもとに、約2000万人が国道や主要地方道を歩いて帰宅した場合の時間ごとの変化を、首都圏を1キロ四方のメッシュに区切りシミュレーションした。
その結果、都心部の主要道路や国道1号で渋滞が続き、都心中心部では人数が半減するまでに約10時間かかった。青梅街道、甲州街道・環7、第1・第2京浜、蔵前橋通り(東京・錦糸町)などの一部区間では、初期を上回る人数で6時間以上にわたり混雑した。
また、被災初日の日中に1人がトイレ2回、食事と水は1回とるとすると、必要なトイレは約1500万回分、食料は約600万食、水は約600万リットルと試算された。しかし、水道水やトイレを提供する支援ステーションのうちコンビニエンスストアではトイレは約195万回分しかまかなえず、深刻な不足が予想されるという。
一方、総研の調査では、「家族の安否が確認できれば帰らない」などと答えた人が約4割いた。これをもとに帰宅しようとする人の4割が都心部にとどまるとすると、混雑時間が大幅に減ったという。
中央防災会議の被害想定(04年)によると、正午に首都直下型地震が発生した場合、都内で約390万人、1都3県で約650万人の帰宅困難者が発生すると予想されている。
|