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2019年06月18日 07時00分メモ

なぜ人は無実の罪を犯したと自白してしまうのか?

by Tom Farmer

事件の真相を究明するため、警察は容疑者や関係者への尋問を行います。しかし、閉鎖的な状況で尋問を行い容疑者へ心理的圧力をかけることは自白の強要にもつながるといわれ、近年では警察による取り調べの透明化が訴えられています。なぜ人は犯してもいない罪を認めてしまうのか、そして矛盾だらけであるはずの虚偽の自白がなぜ裁判では有力な証拠となってしまうのかが、学術誌のScienceで解説されています。

This psychologist explains why people confess to crimes they didn’t commit | Science | AAAS
https://www.sciencemag.org/careers


1991年、当時16歳だったヒューイ・バートン氏は母親を殺害した罪で逮捕されました。警察からの長い尋問の末、無実であったにも関わらずバートン氏は自白。第二級殺人罪で15年の実刑判決を下されました。20年後、バートン氏は仮釈放されたものの、社会的信用は失ったまま。数人の弁護士がバートン氏の名誉回復のために動いていましたが、本人が自白している以上判決が覆ることはかなり厳しかったとのこと。

そこで、バートン氏の弁護士はニューヨークのジョン・ジェイ・カレッジ・オブ・クリミナル・ジャスティスの犯罪心理学者ソール・カッシーン氏を紹介しました。カッシーン氏は法廷で「虚偽の自白はよくあることです」と証言し、これまで30年以上積み重ねてきた研究の中で、警察で行われている尋問方法が心理的圧力によって無実の人にどれだけ簡単に自白させることができるのかを論理的に示しました。その結果、最高裁判所はバートン氏の有罪判決を棄却し、正式に名誉回復がなされました。アメリカの歴史上で、尋問結果が科学的分析に基づいて無効化されて免罪を勝ち取ったのは、このバートン事件が初めてだったそうです。
by Daniel_B_photos

カッシーン氏によると、警察の尋問技術の基盤となっているのは、ウソ発見器の専門家で探偵をしていたジョン・リードとノースウェスタン大学のフレッド・インボー法学教授による「自白―真実への尋問テクニック」という本だとのこと。カッシーン氏はこの本で示されている「リード式尋問法」を「アイヒマン実験の研究のようなものですが、もっとひどいことです」と評しています。

リード式尋問法では、容疑者の「行動の評価」を基に尋問を行います。目をそらす・前かがみになる・腕を組むといった容疑者の行動にウソをついている兆候を見て取り、まったく無関係な質問や挑発的な質問を行います。さらに容疑者がウソの兆候を示している場合、容疑者を繰り返し非難し、詳しく話すように言い、すべての否認を無視して質問を何度も繰り返します。同時に捜査官は同情と理解を示しながら自白への道を容易にするというもの。

カッシーン氏はこのリード式尋問法は自白を強要し、ウソの自白につながっているかもしれないと考え、「何も知らない学生に口述筆記を行わせる」という実験を行いました。ただし、口述筆記に使うPCは何のキーを押しているかに関係なく一定時間後に必ずクラッシュするようプログラムされていたとのこと。カッシーン氏は学生が筆記を行う前に「Altキーを押すとPCがクラッシュするから押さないように」とウソの注意を行い、学生が使っている間にクラッシュすると、カッシーン氏は「注意したのにAltキーを押した」と強く責めました。
by freeimage4life

もちろんAltキーを押してなくてもクラッシュしてしまうので、最初は誰も「自分がAltキーを押したから壊れた」ということを認めませんでした。そこで、目撃者によるウソの証言を用意してリード式尋問法を行ったところ、「Altキーを押した」と自白する生徒が激増。実験は複数回行われたとのことですが、被験者のほぼ全員が自白したこともあったそうです。つまり、「自分はやっていない」と信じていても、心理的圧力をかけられた状態で証拠を突きつけられると、人は真実と矛盾しているにも関わらず無実の罪を認めてしまう傾向があるというわけです。

2012年、カッシーン氏ら研究チームは自白強要によるえん罪事件59件の分析結果を発表しました。それによると、59件のうち49件は目撃者の見間違いや法医学上のミスがあったとのこと。また、30件は最初の証拠として「容疑者の自白証言」があげられていたとのこと。これは言い換えれば、警察に一度自白すると、その他の証拠がすべて自白に沿う形で用意されていったということを示すとカッシーン氏は主張しています。後に自白が虚偽だったことが判明しても、他の証拠がそろってしまっていると、裁判所は「有罪判決を支持するのに十分な証拠がある」と判断して控訴を棄却することもあります。

イギリスの心理学者であるイティエル・ドロワー氏とアメリカのDNAの専門家であるグレッグ・ハンピキアン氏は、ある男性が有罪となったレイプ事件で提出されたDNA資料を入手。この結果は「容疑者のDNAは犯罪現場で採取されたサンプルと一致する」というものでしたが、ドロワー氏とハンピキアン氏は全く何の前情報もないまま、無関係のDNA専門家17人に容疑者のDNAと犯罪現場で採取されたDNAのデータを渡しました。すると、17人中16人が「DNAは不一致」と判定したそうです。
by ernestoeslava

カッシーン氏らが2016年に行った陪審員裁判の模擬実験によると、互いに矛盾する自白とDNAを示し、「自白とDNAのどちらを信じるか」とだけ尋ねられると、ほとんどの陪審員がDNAを信頼するそうです。しかし、検察官が自白とDNAが矛盾する理屈を説明すれば、圧倒的に自白を信頼する陪審員が多くなったとのこと。カッシーン氏は「この実験結果は判決に『物語』の力が影響を与えることを示唆しています」と述べています。

イギリスでは、1990年代に警察が立て続けにえん罪事件を起こしたことを受け、リード式尋問法を廃止したとのこと。目に見える感情的ストレスの兆候ではなく、認知的な負荷に基づいて容疑者のウソを特定するシステムを採用し、インタビュー形式で取り調べを行うことで自白を強要しないよう努めているそうです。

2010年、尋問がうまく行われない証拠が説得力を増したとして、カッシーン氏を初めとするアメリカ・イギリスの心理学者はアメリカ心理学会の白書と共に、自白の強制の危険性について警告しました。カッシーン氏らは、警察による虚偽の禁止、取り調べ時間の制限、取り調べのすべてを記録することなどの改革を提言し、「自白を求めるというこれまでの尋問は本質的にきわめて有害なので、新しいやり方を考える必要があるかもしれません」と述べました。

<検事の本懐>その2

上川隆也主演ドラマ
原作:柚月裕子(宝島社刊)
弁護士監修:野本学二


本筋(メインストーリー)の贈収賄事件

主役の上川は、地検の検事
贈収賄事件は、特捜部の担当。
地検の普通の検事は、特捜部の手足として動く駒の一つに過ぎない。

選挙期間中、
ある社員が、議員候補者に陣中見舞いの菓子折を届ける。
その菓子折の中に3000万円の現金が入っていて
政治家に対する賄賂の受け渡しだった。という嫌疑が。。。

上川は、その社員の取調べの担当を任される。
その際、特捜部から、社員の供述調書の原稿を渡され
その調書に、サインさせることを命じられる。

その調書には、社員が、3000万円入りの菓子折を政治家に持って行ったことを認めるモノだった。

まだ取り調べても居ないし、
どのような供述をするのか分からないのに
供述調書の原稿が出来ていることに怒りを覚える。

しかし、そこで、その上司命令に抵抗すると
他の特捜検事が取り調べを担当し、
その調書にサインをさせるよう強要することは目に見えていた。

上川は、上司の命令に応じる振りをして
実は、社員から真実を聞き出そうと画策していた。


特捜部は、自らが描いた犯罪構造を、何が何でも認めさせ
真実が、どうであるかは、二の次、三の次。という捜査方針。
それに抗う一介の地検検事。

上川検事が、社員に真実を問うと、意外にも
3000万円を運んだことを、素直に認めた。
会社側、議員側から圧力がかかり、
家族の安全のために虚偽の供述を強いられのだ。


上川は、地道な地取り捜査の結果、
菓子折を持って行った事実は存在するが
3000万円は入っていなかったことを突き止める。

3000万円は、別の人間が、別の場所で、政治家の秘書に渡されていたのだ。





特捜部というのは、そんなに腐敗しているのか?

そうかもしれない。
そうでないかもしれない。

しかし、そういう問題提起をするだけでも有意義なドラマであった。

<検事の本懐>

上川隆也主演ドラマ
原作:柚月裕子(宝島社刊)
弁護士監修:野本学二


本筋の贈収賄事件とは直接関係ないサブストーリー

主役の上川は、地検の検事
父は、元弁護士。
横領容疑で実刑になり、釈放間近に獄中で病死した。


その父が以前担当した強盗殺人事件の国選弁護事件

警察の令状によらない強引な捜査で
証拠を確保し、その際、被疑者に重傷を負わせた。

国選弁護人は、不当捜査を主張し、
それが認められて、被告人は無罪となった。

弁護人は、被告人が黒(真犯人)であると確信していたが
その被告人の無罪を得た。

弁護人は、そのことに対する償いとして
被害賠償さえすれば執行猶予となる横領事件で
あえて被害弁償せず(判決直後に被害弁償した)
実刑を受け入れた。


というストーリー


そんな頓馬な弁護人、いるわきゃない。


令状主義に違反した捜査を批判し、
その是正を求めて、無罪を主張するのは
弁護人として、正当な弁護活動だ。

その結果として、真犯人が無罪になっても
それは弁護人の責任ではない。

令状主義を守らなかった警察の責任である。

というのが、実際のベンゴスの感想だろう。



やばい。弁護士監修が、ゼミの後輩だ。

最高裁判決の意味

事案を簡潔にして解説するぞ。

原告は一般消費者。簡単に言うと一般の庶民。
被告は貸金業者。まあ、サラ金業者だな。


昭和62年9月16日から平成14年3月20日まで
原告は、被告からお金を借りたり、返したり、繰り返していた。

原告は、被告以外のサラ金からも借入があり、クビが回らない状況だった。
平成14年6月14日,原告は、被告や、他のサラ金にを相手として
「こんな多額の借金、もう返済出来ない。何とかして」
と裁判所に調停を申し立てた。

この期間(第2期間)に、18回の借入と、何回かの返済があったわけだが
利息制限法で計算し直して・・・実は、ここは明白ではない。
調停の結果として、
原告が、被告に対し、44万円を分割で返済することになった。

原告は、被告に、分割して、44万円を支払った。

※追記
「ここは明白ではない」について。
第2期間の借入額、返済額を利息制限法で計算し直した金額は、
44万円を超えるており
調停内容は、もともとの支払義務を超える支払を定めたモノではなかった。
しかし、最高裁が44万円を超えることに言及しているモノの
調停のときに利息制限法での再計算を行ったいたのか
何故44万円に落ち着いたのか。などの経緯は最高裁判決文からは不明である。


<判決文から引用>本件確認条項において確認された被告の原告に対する残債務額は,本件調停の調停調書の「申立ての表示」欄に記載された借受け及びこれに対する返済を利息制限法所定の制限利率に引き直して計算した残元利金の合計額を超えないものであった。



昭和62年9月16日から、平成10年3月10日まで第1期間
平成10年3月11日から14年3月20日までの第2期間
平成14年3月21日以降、返済期間の第3期間

3つの期間に分けることが出来るね。



原告は、第1期間から第3期間を通じて、利息計算をやり直すと
235万円の過払いがあったことになるから
235万円と、それに対する遅延損害金(利息みたいなモノ)を払え。
と被告に対して裁判を起こした。



被告としてみれば、
いやいやいやいや。
第2期間は、調停で解決済みでしょ。
第3期間は、調停の結果として、支払ったのだから、適法でしょ。
と反論するよね。

それは、それとして、
調停までしたのに、
それ以前の第1期間の過払い金を蒸し返すことが出来るのか。
って疑問になるよね。

被告の反論は、この2つが考えられる。ってことさ。



まず、1つ目の方。
第2期間、第3期間は、調停で解決済みでしょ。という点。

原告は、こう言ったんだね。

調停を申し立てた時点で、
第1期間、第2期間を通算すると、すでに過払いの状態だった。
原告は、被告にお金を払う必要なんか無かった。
それなのに、原告が44万円も払う内容の調停となった。
こんな調停、無効だ!!!

それに対する回答が、今回の最高裁判決なんだね。

調停のときには、本当は、払う必要が無かったとしても
44万円を分割で払いなさい。という調停は有効だよ。

第2期間、第3期間については、調停で解決しちゃってるから
原告の請求は認めません。


最高裁判決は、主文というところで、
被告は原告にお金を払えと言っているから
原告が勝訴した判決かと思うと、それは間違い。
第2期間、第3期間の過払い金について、原告が敗訴した判決なんだ。




つづいて、2つ目。
調停までやったのに、昔の話を蒸し返すのか?ってこと。

裁判所は、その調停の中身に着目したよ。

申立書には、こう書いてあった。
平成10年3月11日締結の金銭消費貸借契約に基づいて,申立人(原告)が相手方(被告)より同日から平成14年3月20日までの間に18回にわたって借り受けた合計金207万の残債務額の確定と債務支払方法の協定を求める。

第2期間の借金を解決して下さい。ってことだ。

そして、結果としての調停条項には、こう書いてある。

原告と被告は,本件に関し,本件調停の調停条項に定めるほか,原告と被告との間には何らの債権債務のないことを相互に確認する。

「本調停条項に定める」ってあるのは、44万円を分割で支払う。ってことね。

ここで、重要なのは「本件に関し」って書いてあること。
つまり、第2期間に関しては、これで解決だよ。
と書いてあるけど、それ以外も解決だよ。とは書いてないんだ。


ということは、第1期間を蒸し返しても、
この調停に違反しない。ってことになる。

だから、最高裁は、第1期間の過払い金については
原告勝訴としたんだよ。

判決主文で、被告は原告にお金を支払え。と書いてあるのは
そういう意味なんだ。


報道などで、この判決は
「過払い金 調停成立後も請求可能」
とか報じられたけど、この2番目のことなんだな。


でも、最高裁としては、一つ目の、第2期間は調停で解決しちゃってるからね。
という判断が重要だと思っているんだし
これからの実務でも、ソッチの方が役に立つはず何だ。






要件事実


要件事実が、好きで好きで
大好きで堪らない貴方へ

せりあガール


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