2月24日に放送された「激論!クロスファイア」の録画鑑賞ちぅ
司会の田原総一朗に興味はないが
ゲストが野口悠紀雄氏だったので鑑賞することに。
アベノミクスは成功したのか?
田原:安倍政権は、史上最長の好景気と言っている。データ上も、好景気を示す数字も出ている。
(筆者注:但し、厚労省のデータ改ざん問題などがあり、本当にデータは正しいのか、という疑問もある。)
平成12年 現在
日経平均株価 1万230円→ 2万1423円
完全失業率 4.3% → 2.4%
有効求人倍率 0.83倍 → 1.63倍
名目GDP 495.0兆円 → 548.5兆円
実質賃金指数 103.7 → 101.1
国債保有残高
(日銀) 87兆8189億円 → 450兆1584円
赤が好景気を表す数字、青が逆の数字である。
さらに、実質成長率2%の目標を掲げながら、6期連続で未到達である。これも青だ。
この間の成長率は、1.2%に過ぎない。
国債発行高は1100兆円だから、約4割を日銀が持っていることになる。
国の借金を、国が肩代わりしている。いわゆる蛸足状態である。非常に危険だ(後でも出てくる)
他方、朝日新聞のアンケートでは
①景気が回復している実感が
ある:16% ない:78%
②「雇用、所得が改善」との安倍発言に
納得できる:20% できない:64%
田原:なぜ、安倍政権が発表しているように景気が良いのに、国民に、その実感がないのか?
野口氏:大きく2点ある。
①この間の成長率が低い。
世界は3.5%の成長をしているのに、日本の成長率は1.2%。世界に対して、経済成長は遅れている。
隣の中国は9割の成長。
同盟国アメリカも3%の成長。
ドル建てで計算すると、日本はマイナスになる。
②賃金が上がらない。⇐これ重要
だから、消費が増えない。
賃金を上げないから、企業の利益は増加して、株価は上昇している(日経平均株価が上昇しているのは、景気が良いからではなく、賃金を抑え、企業が内部留保金を貯め込んでいるから)
企業の利益は上がったが(賃金が上がらないから)生活の向上に結びついていない。データ上も実質賃金は下がっている。
もう一人のゲスト磯山友幸氏(経済ジャーナリスト)
雇用が増えている。というのは確かに数字としては増えている。
但し、非正規雇用や女性、高齢者の雇用が増えているので、ひとりあたりの賃金は減っているのではないか。
特に若い世代の可処分所得を増やさないと、成長に結びつくような消費も出てこない。
田原:にもかかわらず、安倍政権の支持率がいい。
磯山氏:若い人の支持率が高いのは、就職率が高くなった。就職氷河期と呼ばれた時代に比べると良くなっている。それが大きいと思う。
田原:アベノミクス3本の矢
①大胆な金融政策
②機動的な財政政策
③民間投資を喚起する成長戦略
(筆者注)簡単に言うと、安倍は、異次元の金融緩和をして金利を下げれば、銀行を通じて民間企業がドンドン金を借りて、民間投資を行って、それによって消費も拡大し、景気が良くなるだろう。と考えた。それがアベノミクスの実態だ。
ところが、そうは行かなかった。
野口氏:日銀は大胆な金融緩和を行った。何をやったのかというと、日銀が銀行が持っている国債を買い上げた。その代金は(本来は銀行に支払われるべきトコロ、支払わずに)日銀に(各銀行の)当座預金という形で、積み上がっている。
これを銀行が取り崩して貸し出しに回すと、金融緩和になる。マネーが増えるんですけれども、そういうことが。起きなかった。
田原:なぜ、起きなかった?
野口氏:それは(各銀行の)貸し出しが増えなかったからです。
田原:なんで?
野口氏:それは、実態経済が停滞していたから。
だから、実質経済率の目標が達成できなかったのは。当たり前のこと。
磯山氏:日銀としては、市場マネーを増やせば景気は良くなると思っていたが、銀行が日銀の当座預金を取り崩さないので、マネーが市場に流出しない。
田原:なぜ。出て行かない?
磯山氏:一つは需要がない。
もうひとつは、当座預金にまだ利息が付いていたので、リスクがある投資はしない。日銀の当座預金に置いていた方が良い。
田原:でも今マイナス金利になった。
野口氏:だから今当座預金を持っていると、かえって負担になってしまう。
田原:マイナス金利を実行すれば、当然、世の中に金が出て行くだろうと思った。なんで、出て行かないの?
野口氏:やっぱり需要がないからです。
マイナス金利になって住宅に対する貸出は増えた。
これは、相続税改革をやったことの影響が大きい。
住宅は増えたけれども、それ以上の引出はない。
需要がない。ということ。
田原:マネーに対する需要がないって、どういうことなんですか?
野口氏:企業がマネーを借りてまで、積極的に設備投資をする気が起きない。
田原:なんで起きないの?
野口氏:経済が停滞しているから。
日本の経済成長率は低い。実質1.2%しかない。
この理由は消費が伸びないこと。その理由は賃金が上がらないこと。経済の好循環が起きてない。
だから、無理してお金を借りてください。と言ってもお金を借りてくれない。
馬を水飲みに池に連れてくる。もしのどが渇いていれば馬は水を飲む。しかし、のどが渇いてなければ(池に水があっても)飲まない。
田原:日銀が450兆もの国債を抱えている。約4割ですよ。
磯山氏:基本的には、それで、金利が低く押さえられている。
もし日銀がその国債を買わなかったら、金利が急に上がったり、あるいは国債が売れなくて国のファイナンスが付かない。
国の借金分を日銀が肩代わりしている。非常に危ういことをしている。
田原:日銀がこんなに一杯国債を買っている。去年の秋あたり、出口制限を示すんじゃないかと思った。示さなかった。
野口氏:できないんです。それだけの国債を持っていると言うことは金利が低いからできる。金利が低いから何も起こらない。
今国際的に金利を上げている。仮に金利が上がったとする。金利が上がると言うことは、持っている国債の価値が下がると言うこと。
500兆近い国債を持っていて、それが下がると。大変なことになる。日銀が債務超過に陥る可能性がある。
そういうことを考えると出られない。出るということは、金利を上げるということ。上げるのを認めるということ。そうすると債務超過になる。非常に深刻な問題を抱えている。
田原:土曜日の朝日新聞で日銀の黒田さんがインタビューに答えている。黒田さんは、日本経済は順調に成長している。2%の目標達成は遅れているが、十分達成できる。と言っている。
野口氏:今まで2%を超えたのは、1990年以降、原油の価格が上がって、かつ、円安になった。両方が重なったときだけです。
日銀の金融緩和で2%になるわけじゃない。まったく外的な理由でそうなる可能性がある。
磯崎氏:そう言わざるを得なかったのではないか。
もし成長しないようだったら、物価が上がらないようだったら、追加の緩和をすると言っている。
追加の方法って、何があるんですか?
野口氏:もしやろうとしたら、また国債を今の450兆から、さらに増やしていく。そうすると、先ほどの問題がもっと拡大してしまう。
田原:できっこない。なんで、できっこないことを言うんだろう?
磯山氏:問題の先送りでしかない。
田原:国の借金は1100兆円ある。GDPに対して200%である。先進国の中で最悪である。財政が非常に悪化している。
野口氏:金利が上がると、国債の利払いが増える。今、国家予算のうち国債の利払いは10%位だが、それが2倍になる可能性がある。財政が破綻する。
田原:政府関係者は、借金はあるけれど、資産もある。700兆円ある。大丈夫だという。
磯山氏:もしそうだとするならば、資産を現金化できるのか、資産を売却して借金を返すのか。というのを見える化しておかなければならない。
野口氏:資産というのは、道路とか橋とかになっているので、お金に換えられる話じゃない。
今の1100兆は目に見える借金だが、それと同じくらいの金額の借金がある。それは年金。
田原:少子高齢化で、年金を貰う人間が増え、払う人間が減る。ということだ。
野口氏:今の政府の見通しでは、あまり深刻な問題と捉えられてない。
支給年齢65才のままでは無理。70才に引き上げなければ。それで済むのかという問題。
実は先ほどの賃金の問題と関係している。
なぜ破綻しないということになっているのかというと、実質賃金の伸び率を非常に高く見ている。2%とか3%。ところが、先ほど見ましたように、実際の実質賃金は下がっている。
実質賃金が上がれば保険料が上がる。他方で、年金の受給額は増えない。だから好転する。ここがトリック。
田原:なんで実質賃金が下がったんですか?
野口氏:実質賃金が下がるのは、名目賃金が上がらないで、物価が1%位上がりますから、実質賃金は下がる。
企業の利益が増えているけれども、株価は上がっているけれども、実質賃金が下がってる。それこそ日本の問題なんです。
田原:今、企業の内部留保が440兆ある。440兆もあるのに、なぜ、給料を上げないのか。
野口氏:内部留保が大きいのは、使い道がないから。企業の利益が増えているのは、賃金を抑えて、あるいは、非正規の雇用者が増えることによって、平均賃金が下がっていくと。そういうところで利益だけが増えている。
田原:だから、内部留保が440兆もあるなら、給料を上げれば良い。
野口氏:そうはしないですよね(苦笑)。
内部留保を減らしたいんなら、法人税を上げれば良いんで、実に簡単なことなんです。
田原:なんでしないの?
野口氏:それは企業が反対するからですよ。むしろ法人税率、ずっと下げてきたわけですよ。
田原:企業は、将来展望が無いんじゃないかな。
日本の企業は、グーグル、アップル、amazonなんかに比べて3周遅れている。
野口氏:それこそが平成の大問題。日本の企業は寝てしまった。ひとつは80年代に成功した。それで慢心してしまった。
日本の経営者は物作りをしていれば良いと思っていた。変われなかった。
大学も同じ。先生と同じ研究をしなければ残れなかった。だからAIの研究者が育たなかった。
同じことが企業にも残っている。だから日本は変われなかった。
田原:アメリカのAIの有能な人材が、なぜ日本に来ないのか。来ないのではなく、日本がシャットアウトした。
あれ?後半部分が、アップ時に消えてしまったぞ。
でも再現する元気がないから。もう。いいや