窓から名古屋城が見える

名古屋在住の管理人が書き綴る日記、読書・映画・岩崎宏美等に関するメモです。

全体表示

[ リスト ]

 昔、映画でチャップリンがバターンと倒れると、お客さんがどっと笑うんですね。それを見ていて、「待てよ、倒れ方ひとつで、なんでこんなにお客さんが喜ぶんやろうか」て思ったんです。
 それで、自分なりの研究をして、さっき言うたみたいに斬られてそのまま灯籠に激突してみたり、斬られた瞬間、のけぞって、背中からガーンと倒れてみたりしたんです。
 私はいま、こう思うんですね。
 自分が本当に痛い目にあわんかったら、お客さんも「痛いだろうな」って思ってくれないやないか。斬られて、軽く倒れて逃げるようにフェードアウトしてたら、せっかく斬ってくれたスターさんに申し訳ないって。
 ですから、私は私なりに、斬られた私が、自分でも痛い死に方、倒れ方をずっとここまでやってきたような気がします。
(福本清三、小田豊二著『おちおち死んでられまへん』創美社、2004年初版、p.26)


 福本清三。
 昭和33年、15歳で東映・京都撮影所に入り、大部屋俳優として斬られ続けて45年。
 死んだ回数2万回。
 決して有名ではない。
 斬られたり、撃たれたり・・・つまりは、目立たない。
 大半は台詞無し。
 もちろん、エンドロールに名前も載らない。
 しかし、市川右太衛門、杉良太郎、萬屋錦之介、鶴田浩二、美空ひばり、小林旭、北大路欣也など数多くの映画スターと絡んでいる。
 ヨロキン(萬錦)からは、斬られ方を誉められたというんだから、スゴイことだ。
 そして、東映の歴史に残る多くの名作に出演している。
 僕が観たことのある映画だけでも、
 「仁義なき戦い 広島死闘篇」
 「県警対組織暴力」
 「新 仁義なき戦い 組長の首」
 「やくざの墓場 くちなしの花」
 「広島仁義 人質奪回作戦」
 「沖縄やくざ戦争」
 「北陸代理戦争」
 「日本の仁義」
 「柳生一族の陰謀」
 「魔界転生」
 「制覇」
 「鬼龍院花子の生涯」
 「里美八犬伝」
 「火宅の人」
 「極道の妻たち」
 「悲しきヒットマン」
 「激動の1750日」
 などキリがない。
 
 先日、深夜にテレビで放映されていた「蒲田行進曲」にも斬られ役で出ていた。
 「ふくちゃん」と、実際の呼称で呼ばれていたので、思わず笑ってしまった。
 でも、なんとっても「ラストサムライ」(2003年)で演じた沈黙の武士が、最近では記憶に新しいんだろうね。
 本書はその、出演が決まったいきさつ、アメリカで経験した様々な出来事を紹介している。
 特に、日本とアメリカの映画文化の違いというが、製作の手法の違いなんかは面白かった。

 その福本清三のプロフィールの一つ。
 「代表作 なし」
 ・・・格好よ過ぎる・・・(嗚咽)
 2万回斬られて、数多くのスターと共演して、名作に出演して、「代表作 なし」。
 僕はこういうのに弱いんだ。
 ホントに「ただの斬られ役」に徹し、誇りを持っているんだなあと思った。
 ちなみに本書の巻末にある「福本清三出演作賓おすすめリスト」は貴重な資料なので、このリストこそおすすめだ。

 名脇役・福本清三の応援サイト↓
 http://www.cozalweb.com/seizo/

閉じる コメント(1)

顔アイコン

こんにちは。 大道芸観覧レポートという写真ブログをつくっています。 昭和33年のスターベストテンもとりあげています。 よかったら、寄ってみてください。 http://blogs.yahoo.co.jp/kemukemu23611

2007/5/13(日) 午後 7:30 [ kemukemu ]


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事