窓から名古屋城が見える

名古屋在住の管理人が書き綴る日記、読書・映画・岩崎宏美等に関するメモです。

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 親父が死んで、皆さんから葬式の花輪をいただいたんですけど、その花輪がすごいんですわ。松方弘樹さん、杉良太郎さん、渡哲也さん、渡瀬恒彦さん、北大路欣也さん、里見浩太朗さん、高橋英樹さん、佐野浅夫さん、竹脇無我さん、八代亜紀さん、松平健さんをはじめ、スターさんたちの花輪がズラーッと道の両側に並んで、家の前から川のほとりまですごかったんですわ。
 遠山の金さんはいるわ、水戸黄門様はいる、暴れん坊将軍はいるわで、焼香に来る人たちが「何じゃ、これは」って驚いていましたけど、皆さんのおかげで本当に親孝行ができた感じがしました。恥ずかしかったけれどうれしかったですね。
(福本清三、小田豊二著『どこかで誰かが見ていてくれる 日本一の斬られ役 福本清三』集英社文庫、2004年第2刷<2003年第1刷>、p.80)


 本当は以前このブログで紹介した 『おちおち死んでられまへん』 の前にアップすべきなんだけど、僕が読んだ順番がこうだったのでお許しを。
 福本さんをここでは敬意を込めて福ちゃんと呼ばせてもらうけれども、人気は衰えるどころか、今なお高まっているようで。
 今年からなのか、映画村では福ちゃんのクリアファイルまで発売されたのこと(何と!)。
 さらに今春から、福ちゃんのエッセーが、中学3年用の道徳の副読本「キラリ☆道徳」に収録されているとのこと(マジかよ!) 。

 他にも工藤監督(工藤監督と言えば、言うまでもなく工藤栄一監督)から駕籠かき役でさんざん怒鳴られ、しごかれた思い出を述懐して、

 工藤監督は亡くなられました。でも、私は定年間近といえども現役ですわ。駕籠かきに無茶苦茶言うような監督さんともう一度、一緒に仕事がしたいって、本当に思います。
 体が言うことをきかんかもしれんけど、もし、私に駕籠かきをやってくれと言ってくれる監督がおったら、命懸けでやります。心臓が飛び出しても、すぐ早駕籠やってみせますわ。
 でも、いません。そういう監督さんは。駕籠かきなんか、適当にやっとったらええ、そう思っとる人が多いんとちがいますか。(p.43)

 「命懸けでやります」……格好よ過ぎ(涙)。

 他にも深作監督(深作監督と言えば、言うまでもなく深作欣二監督)との思い出としては、初めて同監督と作品に出演したとき、脇役の一人に過ぎない福ちゃんらに監督自らやたらと演技の指示が飛んできた。
 福ちゃんはあるとき、監督に尋ねた。

 「あのな、監督、スターさんにあんまり言わんで、なんでわしらにばっかりゴチャゴチャ言いますの。わしら、別にあんなに言われんでも、撃たれる時は撃たれるし、殺やれる時はカッコよく殺られてみせますわ」(p.220)

 監督は真剣な目で語ったという。

 「いいか、フクちゃん、映画のスクリーンっていうのは、主役だけが主役じゃないんだよ。このスクリーンのなかに映ってる皆が主役なんだ。スターさんがどんなに一生懸命やっていてもな、このスクリーンの片隅にいるヤツが遊んでいたら、この絵はもう、その段階で死んでしまうんだ。だから、フクちゃん、同じ子分でもな、それぞれが個性出して、殺されてほしいんで、あんたにとってはうるさいだろうけど、こうしてくれって指示を出すんだよ」(同)

 福ちゃんは

 「ガーンでしたわ。打ちのめされた感じでしたわ。私にも、多少慣れもあったし、殺されることに奢りがあったかもしれまへんな。そやから、深作さんにそう言われた時は、ほんと、ショックでしたわ」(p.222)

 いい話です、つくづく。

 ちなみに僕が5年前に福ちゃんを一目見たくて映画村に行った時の記録は以下の通り。


 昔は映画村と言えば、小学校の修学旅行の定番だったけど、児童だけでなく教員も含めて時代劇や映画離れが進んでいるためか、ここ数年は代わりにキッザニア甲子園に流れていく傾向があるとか。
 職業訓練という観点では分からなくもないけど、娯楽の奥深さってのもどこかで知って欲しい。
 それに映像作品という特定の業界だけど、そこに多くのプロが集まって被膣の作品をつくりあげる、そんな空間に触れたり垣間見たりすることは、即効性とかはないけど、やっぱり意味のあることだと思うんですよねえ。

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