二次創作

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「ビッチ...英語圏での上映だと、きっと名前変えるよね?
bi○chって聞こえるものね」

チャットでこんな↑話題が出たのが、この物語の発端です。

英和辞典で調べてみれば...b○tchとは「雌犬」とか「雌狐」だとか「雌狼」って意味もあるそうです。

bitc○ビッチ=雌狼...実はビッチは女の子...これで物語出来そうだ...思い付きと勢いだけで書き上げたのが、去年(2006)の5月でした。
某所でアップしたものを、一部加筆修正をしてここにも貼りました。

雌ということを隠して雄として生きる...人間と違って服を着ていない野生動物に、この設定を成立させる為に...ビッチには宿命を負ってもらいました。


半陰陽(はんいんよう)...実はあの『リング』の貞子さんも、確かこれだったように記憶しています...。



雌ビッチに雄ザク...この二匹で恋愛ものにするのには、かなりの照れがあったのですが...一部ご要望を承り、若干の軌道修正をしてはおりますが、ほぼ当初の構想通り...言いたいことは詰め込んだかな?

個人的には、吹雪の洞穴でのビッチの主張が好きです。
一番言いたかったことでした。

最後までお読み頂き、有り難う御座いました。



ちなみに、イラストについて。
ザクがビッチを抑え付けてる絵と、この仔ザクビチは今月描いたばかりのものです。
他の二つは去年の6月頃に描きました。

しかし...ザクはいつからアイパッチしてるのかしら?

「あの時、俺とガブで話していたこと...ギロさんとかには言えないよなぁ〜」

ビッチが舌を出しておどけて言った。

「なぁ、ビッチ。
ひとつ聞いていいか?
逸脱した者だけが見れる世界...ってなんだ?」

「ああ...それは...説明が難しいぜ。
俺は、雌でもなく雄でもなく...どっちつかずだろ?
どちらでもありどちらでもない...。
俺と世界を共有できる奴が身近にいない...。
俺、足りねえ頭で、そりゃ色々考えたさ。
...で、色んな結論出して色んな選択して色んな道筋辿って...。
でも、俺は俺を気に入ってるんだぜ。
前にも言ったろ?
だってよ、どっちつかずでどちらでもありどちらでもない俺は、両方の視点からものを見ることが出来んだからな。

俺は親の配慮ってやつで、雄として生かされたけど、それを受け入れるか受け入れないかを決めたのは俺だぜ。
俺は俺で、それでいいだろ?

ガブもきっとそうだぜ。
肉食と草食で共に生きる...しんどい生き方でも、あいつが選んだんだ。
あいつがあいつである為に...。

だから、ザクもよ、お前の生きる道を俺に遠慮することなく行けよな」

「俺の生きる道?」

「お前よ、お袋達に何て言われたか知んねえけどよ、俺は大丈夫だぜ。
俺がお前の足枷になってるって...俺嫌だぜ〜ザクよぉ〜」

何だよ...何も考えてないって...また俺はお前の事を決め付けてたのか?
お袋の、お前には俺しかいないからお前を守れって遺言に縛られてたけど、お前にはノーサンキューだったのかよ?
何だよ?
俺、間抜けだったんだな。

「だからザク、お前、俺に遠慮せずによ...どんどんいい雌見付けて押し倒しちゃえよ。
俺じゃなくってよぉ〜♪」

何だ、こいつ...。
この前羽交い絞めにしたこと、まだ根に持ってやがるな?

「ばぁ〜か、俺は紳士だぜ。
そんな見境なく押し倒さねえよ」

「とんだ紳士がいたもんだな?ザクぅ〜♪
へっへっへっへっへっ♪」

ビッチが笑いやがった。
こいつ...でも笑うと可愛い奴だぜ。
器量には、けして恵まれた方じゃなかったけどな。




それから更に何日か過ぎた。

俺達は、ギロさん達を探しながらバクバク谷へ帰ることにした。

ガブを追跡する旅で、俺は多くのことを学んだようだ。
俺に色々教えてくれたのは、やっぱりビッチだった。
庇護すべき妹...そう思い込んでいたけど、もうとっくにビッチは俺から羽ばたいていたんだな。

この先、お前はやはり雄であり続けるのか、雌としての可能性も温存していくのかは分からない。
誰と出会って、どんな恋をするのかも分からない。
だが、お前はお前のやり方で体当たりしていくんだろうな。

「たとえ躓いても転んでも、自分の生き様には自分できっちり落とし前を付ける覚悟は、俺はとうに出来ているんだぜ」

ビッチ、吹雪の洞穴で言ってたように、お前は立派に自分を生きていくんだろうな。


...ビッチよ。
俺はお前をずっと妹みたく思ってきたけど...お前は迷惑かも知れないけど、俺...認識が微妙に変化したみたいだぜ。

「だからザク、お前、俺に遠慮せずによ...どんどんいい雌見付けて押し倒しちゃえよ。
俺じゃなくってよぉ〜♪」

別にお前に遠慮してる訳じゃねえ。
俺の本心からの選択として、俺はお前と共にありたいって感じ始めているんだぜ。

ま、今はこの気持ちはしまって置こう。




俺が俺に揺ぎ無い自信がつくまで...誰も知らない...知られちゃいけない...。



<完>

俺とビッチだけで過ごす日が何日か経った。
ビッチは元気を取り戻し、右頬に受けた傷も...どうやら痕に残らずに済みそうだ。

俺達は運良く雪崩で命を落すことにはならなかったが、ギロさんバリーさん...他のみんなは無事なんだろうか?
ガブ...あいつも大丈夫なのだろうか?

ガブと言えば...そう言えばビッチがあいつと対戦していた時、二匹とも何か話をしていて笑い合っていたよな?
あれは...どういうことだ?

一度気になりだすとどうしようもなくなる俺は、ビッチにあの時のことを聞いてみた。

ビッチの話ではこうだ。

「へっへえ〜♪悪く思うなよぉ〜...ガブぅ。
こうなることは、覚悟してたんだろ?
お前のその覚悟、見極めてやるよっ!」

そう言い放ち、ビッチはガブに飛び掛かる。
ガブに接近したビッチはガブにこう言った。

「お前、俺達よりもあの山羊を選んだからには、生半可な覚悟じゃこの先とても生きていけないぞ?」

ビッチの攻撃をかわしながらガブが答える。

「オイラの覚悟は昨日今日の付け焼刃とはまるで違うんでやんすよ」

ビッチも、ガブの攻撃をかわしつつ話を続ける。

「お前らを襲うのは、何も俺達だけとは限らないぞ?
他の群れの狼だって...」

「それも覚悟の上っす」

「あの山羊だって、お前と一緒にいることで、他の草食動物から孤立してしまうんだぞ?」

「それでもオイラ達が選んだ道でやんすから」

「お前達、異端者としての道を選んだのか?
しんどいぞ?」

「自分を殺して生きていく方が、よっぽどしんどいでやんす」

「そうか...まぁ、覚悟さえ確かなら...異端もそう悪くはないぞ?」

「ビッチ?」

「何故なら、俺も...ある意味異端者みてえなもんだからよ。
逸脱した者だけが見れる世界ってのも、なかなかいいもんだぞ」

ビッチとガブは、互いに防御と攻撃を繰り返しつつ、表面上では制裁を加える者と制裁を受ける者として、本心では互いに幼馴染として、互いの魂をぶつけ合っていた。

「あばよ、ガブ。
もし、バリーさんやギロさんに打ち勝つことが出来たら、お前はあの山羊と自分自身を全うして生きろよ。
俺達を裏切った上に、お前自身までも裏切るような生き方だけはするな」

ビッチは笑ってそう言った後、渾身の一撃をガブに見舞った。

「ああ、解かったっすよ。
ビッチ、有り難うでやんす。
そして、さらばでやんすよ」

ガブもガブで笑顔を見せた後、ビッチに餞別とばかりに入魂の一撃を返した。

こうして、幼馴染の二匹は離別の儀式を終わらせた。

俺の腕の中にビッチがいる。

「...小さいなぁ...お前」

何だか、う〜んとちっちぇ〜ガキの頃を思い出す。

お前が生まれた時、実は誰もお前を雌だなんて思いもしなかった。
何となく変な形だなとは思ったけど、ある程度までお前は普通に雄として育った。

ある日のことだった。

「ザク...笑わないで聞いてくれよな...。
俺な...しっこの出方が...何かみんなと違うみたいなんだ...。
誰にも言うなよ、約束だぞ」

だけど俺は、うっかりお袋に言っちまったんだ。
俺のお袋からお前のお袋にこの話は伝わり、お前のお袋はお前を呼んで、よくよく検分したんだった。

「この子...パッと見は雄に見えるけど...この子雌だったわっ!」

それから家族会議が開かれ、今更雌として育て直すよりも、このまま雄として育て通した方がいいって結論が導き出されたんだ。

「ザクの嘘吐きっ!
約束が違うじゃねえかっ!」

あの時のお前、顔を真っ赤にして泣いて怒っていたっけか。

表向きでは、お前は俺の弟分的な存在だったけど、あれ以来俺の本心では...お前は妹みたいな存在だったんだ。
誰にも言えなかったけどな。
勿論、お前にもな。

だが...お前はもう既に、本当のことを知っている。
そして今、こうして俺とお前と二匹だけだ。
誰かに見られる心配もなく、俺はお前に対して本心でいられるってぇ〜のがよ、何とも平穏なひとときじゃねえか。

そんなことを徒然思いながら、俺がビッチの顔の傷を舐め続けていたら、ビッチが目を覚まし始めた。

「ほぇ?
...ちょ...!
な、な、何だよっ!?
ザク、これは一体何の真似だよっ!?
は...放しやがれ」

「駄目だ。
もう暫くこうさせてろ。
お前、まだ身体が冷えてるぞ。
ま、どうしても放してほしいんだったら、自力で抜け出してみろ?
出来ねえだろ、この前もそうだったけど」

吹雪の洞穴の中で、俺に羽交い絞めにされたのを思い出して、ビッチは口を尖らせて言った。

「ザクっ!
お前ぇはサディストだっ!」

俺もビッチも笑っていた。

...寒い...。


何でこんなに寒いんだ?
俺は寒気で目が覚めた。
いや、身体の節々の痛みも目覚めの一因かもしれねえ。

...んと...何がどうなってるんだ?


徐々に俺の意識が鮮明になる。


そうだ!

俺達はガブと戦って雪崩に遭って...。





ビッチ!

何処にいるんだ?ビッチ...。



雪ん中でのびてる場合じゃねえっ!
ビッチを探すんだ。
あいつ...可哀相に...。

俺は幸い雪中深くは埋もれていなかったので、どうやら助かったようだ。
ビッチ、お前は何処にいるんだ?
俺が助けてやるから、くたばるんじゃねえぞ。

俺は雪の中から這い上がって、ビッチを探し始めた。

ビッチは、俺が雪の中から這い上がった場所からそう遠くない所に投げ出されて意識を失っていた。
すっかり身体が冷えちまってるが、しっかりと呼吸はしている。

...よかった...生きていやがった...。

ただ、近くの剥き出しになった岩にぶつけたらしく、右頬に怪我をしている。
幸い傷は浅いようだ。

先ずは、こいつの身体を温めねえと...。

吹雪の時みたいに、俺達が入れるような丁度いい洞穴は見当たらない。
俺が抜け出た雪の穴をもう少し広げて、俺はそこにビッチを運び込んだ。
周りは冷たい雪だらけだ。
温かい干草やら落ち葉の敷物など望めるはずもない。
手っ取り早くこいつを温めるには、幼い頃にくっついて眠ったようにするしかない。

俺はビッチを抱き寄せた。

「顔に傷なんかこさえやがって...痕になって残ったらどうすんだ?」

俺はビッチを抱きしめたまま、ビッチの右頬の傷を舐め続けていた。

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