|
「 病む友と 笑いを探す 五月晴 」 虚空 川柳という十七文字に縛られた句の中で、より多くの広がりを 持たす工夫をしていた。 花の万博(大阪)の時は、メインテーマ「潤いのある豊かな社会 の創造をめざす」に沿って、花言葉と組み合わせたりしたが、可な らず。 「 潤い」に ふさわしい花言葉は見つからず、「平和」を自分 のイメージとして オリーブも考えたが、小豆島まで行かずに見て もないものでは、すっきりした句はできず 花言葉を解せぬ人には 通じず、 作為的となり、まさに潤いのある句は できなかった。 諺や故事来歴や歴史を繰り込んでも駄目だった。 江戸川柳は、教養はある傘張り浪人の小遣い稼ぎや、庶民の歴史 好きが基盤とあるため成立した句が多いけれど、これもパロディ句 を創って 自分で遊ぶ程度で 早々に諦めた。 そんな時、 陰暦と陽暦とを用いて、男の多面性を詠んでみた。 男の、表と裏の心。 それを、「五月晴」という一語に圧縮して、捩じ込んで見た。 やさしさも感謝の心も ストレートには出せない おかしげな 男の心情 もどかしく 笑って ごまかして 自分の心を隠して 男と男なら 通じる世界 変な世界 青春の頃も、 真面目なこともやっていた。 馬鹿なこともやっていた。 酔って、若き論客らと、夜陰に紛れてお城に登り、徳川家康 を 上から水攻めしてやろうかと意見が一致し、夜陰に紛れてお城に 登り、天守閣で 並んで城下に向かって放水したことも。 男の多面性 嬉しさと寂しさ 陽と陰 真面目と不真面目 そんな世界を詠んで見たかった。 そして できた句 この句で、こんな男の馬鹿げているけれども、何か優しい、滑稽で あるけれども思いやりのある世界を詠んで見たかった。 「五月晴」 今 将に、陽暦の、男の 雲一つないようなカラットした友情の 世界と、 旧暦における、梅雨のに合間にしばし顔を出す陽の光を含む 天気という語意を踏まえて。 むかし、友や同僚の病院見舞いをしていた。 しかし、見舞いに行っても、病状なんかに触れようとしない。 男の友同士にとって、なぐさめや泣き言は禁句なのだ。 冗談から始める。 「お前が休むもんやから 会社がつぶれてしもうたぞ、 当分ここで 粘れや」 アホなこと 下らん話題を選んで、お互いにしゃべり合い、 明るい言葉を投げ合う。 お互いに、ブルーな気分にならないように、気を使い合う。 これが気の合った男同士の 見舞いというものだ。 分かれた後、また梅雨空が戻ってきて 雨が落ち出した。 寂しさと 後悔の念がやってくる。 「一体彼は回復できるのだろうか、はしゃぎ過ぎたのでは、 すっかり気を使わせて、疲れさせ、これで良かったんだろうか」 また、彼は 「せっかく奴が見舞いに来てくれたのに、何か気の利いたことを してやれば良かったのに」 さらに 昔、 傑物だと信頼し慕っていた上司を見舞った時は、 パジャマ姿のまま 道路向かいの喫茶店まで誘って、コーヒを飲み タバコを すぱすぱ。 2時間も 男のロマンを語ることに 付き合って呉れた。 上司は これ程まで部下に気を使うのかと、身に沁みて嬉し かったが、とても 見舞いという代物ではないだろう。 それが故に分かれた後の寂しさがある。 「 ほいじゃな、また来てな 」 「 それでは、また見舞わせていただきます 」 家に帰る。 分かれた後の寂しさを誤魔化す為に またふざける。 「 あの人 どこが悪かったん 」 「 聞かなかった 」 「 何しに行ってきたん 」 「 わからへん 」 こんなことになる。 「五月晴」とは、男の多面性。 「笑いを探す」とは、男同士の優しさ。 理屈言って、闘って、ふざけて、寂しくなって、こんな繰り返し なんだ。 男のユーモアや冗談とワンセットの位置にある底知れぬ寂しさ。 それはまた 特殊に進化した 優しさが変形した物ではないだろう か。 男とは、馬鹿一歩手前の 滑稽な 可愛いもんでもある。 特効薬は 現実をしっかり捕らまえている 女性陣であろう。
|
全体表示
[ リスト ]









男は馬鹿の一歩手前で、そのくせ自信家だから、いろんなことをやり、いろんな失敗をするのだろうか。
2007/5/24(木) 午前 9:33 [ 三猿(雅号) ]
むきになって、しょうもないことをやってる自分に気づき、しょぼんとすること多々です。
2007/5/24(木) 午後 6:06 [ ang*a*ugen ]
「梅雨空の 合い間に覗く 五月晴れ」 京
本来の五月晴れとは、梅雨の合い間の晴れた空を言うそうです。
涙の裏に、晴れた顔で話をしてる姿を思い浮かべました。
2007/6/10(日) 午前 10:57
「幾山河 越えさり行けど 寂しいよ」
「分け入っても 分け入っても 吾れひとり」
と、パロディー打っては慰めるが身分相応。やっぱし女性は得と思う。
2007/6/10(日) 午後 4:33 [ ang*a*ugen ]
男でなくても、女も同じです・・・^^「病む母と・・・」同じような体験しました。素晴らしい句です。傑作ぽち☆
2007/7/4(水) 午前 7:09
ありがとうございます。本当は「人間讃歌」なのでしょうが、何しろ 男しかやったことがないもので。 無理にでも笑える自分を作るのも、生きることに通じるのでしょうね。若き日の吉川英治氏も「貧しさも余りの果ては笑ひ合ひ」と詠んでいますよ。
2007/7/4(水) 午前 11:34 [ ang*a*ugen ]