|
山道を抜けて、目の前が開けて来ると、橋の下を新幹線が走る陸橋と 出会うことになる。 赤頭巾ちゃん、それを見つけるやいなや、矢庭に駆け出し、鉄柵 につかまって、その隙間から大阪の方向を見つめている。 ゴー と音がして、ヒカリ号がやって来て、陸橋をくぐり、東京 の方へと走り去る。 赤頭巾ちゃんは、振り向くことをせず、何時までも大阪の方向を 眺めている。 仕方ないね、後ろには目が付いていないもんね。 「 新幹線、なんて言って。行った? 」 「 バババ ト、イッテ、イッタ 」 以前来て聞いた時は、「 テラテラ ト、イッテ、イッタ 」 と、しゃべっていたのに。 メジロが、「 チュジーン 」と鳴きながら、陸橋を越え、 五羽、六羽飛んで来た。 別の方向から飛んで来たもう一羽のメジロは、「 キリキリ 」 と相手のメジロを探るような鳴き声をしながら、群れのメジロに 近づいている。 「 そろそろ 行こうか 」と、促す。 ここで立ち止まっていたら、きりがないもんね。 松林の中の細い道を、ゆっくりと歩いて行く。 シジュウカラであろう。 松の木の高い小枝に留まって、「 チッチ、チッチ 」と鳴き ながら、せわしなく動いて、虫をついば んでいるようだ。 更に歩き続けると、畑に出っくわす。 畦(あぜ)道の中に入って見ることにする。 赤頭巾ちゃんは、勢い込んで 畑に入り 畝(うね)に登ろうとする。 キジバトが、黙って飛び去る。 「 駄目だよ入っては、ここには、大根や人参を植えてあるだから」 「 ウン、サラダモ、アルノネ 」 畑のあぜ道から降り、山道にもどり、また歩き始める。
|
赤頭巾ちゃんと青い空
[ リスト ]






