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「 女房の 標準時計に 合わしとこ 」 虚空 私という、 視点がずれ、軌道がずれ、時間がズレ、行動が いつの間にか変わる一匹の男が、ほぼ我ままに生きられている のは、それを直ぐに女房に見つかり、指摘され 強引に 軌道修正 されるからであろう。 多少時間がずれても、そのうち伝書鳩のように帰って来るのに。 自分の行動や言い訳に、何時もずるっこい男の本性が見え隠れ するのを、意識はしているけれど。 無いもの探しに うつつを抜かし、心の一人旅をする。 人並みに生きたいのに、自由に焦がれる性癖、このジレンマ、 この ウイークポイントと共に生きている。 大地にしっかり根を張った女性にかなわないのだ。 私のように浮き草か、宿り木か、根無し草みたいなものの保護者 に係わって。 しかし、「あんたは 私が居るから 生きられてきたんよ」 と 寄生虫みたいにいわれた時は、当たっているだけに、侘しい。 共生しているんだと、小さな声で修正しておく。 右脳と左脳とを同時駆動できる女性人に、潜在能力からいって、 とても 敵わないのだ。 「ちょっと 見といて!」 と頼まれて、どれだけ鍋を焦がした ことか。 お仕置きの罰ゲームで、どれだけタワシで鍋を擦ったことか。 それでまたキズが付いたと、また怒られて。 洗濯のすすぎ水で、団地の浄化槽を長時間 洗浄したことか。 何かに集中している時は、他のことに心を配る能力は、男には ないのだ。 男は左右の脳を交互に使うことで、やりくりしているのだ。 男は、とっても不便を味わっているのだ。 女性は、左右の脳を同時にフル稼働しながら、炊事、洗濯、 育児、愚痴等を 同時進行しながら、処理できてる。 感心はしているが、処理システムが異なるからだ。 今更、身に着けるのは諦めて、やって貰うしかあるまい。 真偽はともかく、ソクラテス曰く。 「男は良い妻を持つと幸せになれる。 悪い妻を持つと私みたいな 哲学者になれる」 私は、悪妻と思ったことはない、損だから。 だから、私は、幸せな哲学者モドキになれた ウン! 「女性は現実の中に 理想を探そうとする 男性は理想を模索し 現実の中で実現しようとする」 こんな傾向があるのではなかろうか。 手法は異なっても、願いは平和、幸せ、安定であることに違いは ない。 また、男は闘うことを好みすぎる。 その暴走を止められるのは、女性だと思う。 急激な変化を求めない、ゆるやかな海や湖や小川のような 安定性。 本来あるべき姿を女性に見るのは、私だけであろうか。 それでなくてもエントロピーの大きい状態で、混雑の極にある 現在。 、 無秩序から破滅へと歩んでいるかも知れない現在。 女性だけは、伝導率が小さく、安定して、変化に対応でき、 保温性に優れた、水のような特性を十分発揮して欲しいと思う。 でも、この標準時計も時には狂う事もある、ほとんど子供のこと に関してであるが、 そんな時は私が、修正する役になる。 大変面倒なので、こんど打出の小槌を拾ったら、電波時計を 贈ってやろうと思っている。 私の自由を確保しておきたいから。 要するに、この程度しか役に立っていないのだ。 それにしても、お国言葉で、「七つ違いは 泣きもて(泣きなが ら)連れる(連れ添う)」と 聞いていたが、泣くのが男の方だと は露とも知らず一緒になったが、 ようやく それほど泣かされる こともなくなったようである。 我慢さえしておれば。 我々は雌雄異体であり、雌雄単体の生き物は 下等なものにしか 進化できれずに いるのである。 同類一家に 幸あらんことを。
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友
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「 病む友と 笑いを探す 五月晴 」 虚空 川柳という十七文字に縛られた句の中で、より多くの広がりを 持たす工夫をしていた。 花の万博(大阪)の時は、メインテーマ「潤いのある豊かな社会 の創造をめざす」に沿って、花言葉と組み合わせたりしたが、可な らず。 「 潤い」に ふさわしい花言葉は見つからず、「平和」を自分 のイメージとして オリーブも考えたが、小豆島まで行かずに見て もないものでは、すっきりした句はできず 花言葉を解せぬ人には 通じず、 作為的となり、まさに潤いのある句は できなかった。 諺や故事来歴や歴史を繰り込んでも駄目だった。 江戸川柳は、教養はある傘張り浪人の小遣い稼ぎや、庶民の歴史 好きが基盤とあるため成立した句が多いけれど、これもパロディ句 を創って 自分で遊ぶ程度で 早々に諦めた。 そんな時、 陰暦と陽暦とを用いて、男の多面性を詠んでみた。 男の、表と裏の心。 それを、「五月晴」という一語に圧縮して、捩じ込んで見た。 やさしさも感謝の心も ストレートには出せない おかしげな 男の心情 もどかしく 笑って ごまかして 自分の心を隠して 男と男なら 通じる世界 変な世界 青春の頃も、 真面目なこともやっていた。 馬鹿なこともやっていた。 酔って、若き論客らと、夜陰に紛れてお城に登り、徳川家康 を 上から水攻めしてやろうかと意見が一致し、夜陰に紛れてお城に 登り、天守閣で 並んで城下に向かって放水したことも。 男の多面性 嬉しさと寂しさ 陽と陰 真面目と不真面目 そんな世界を詠んで見たかった。 そして できた句 この句で、こんな男の馬鹿げているけれども、何か優しい、滑稽で あるけれども思いやりのある世界を詠んで見たかった。 「五月晴」 今 将に、陽暦の、男の 雲一つないようなカラットした友情の 世界と、 旧暦における、梅雨のに合間にしばし顔を出す陽の光を含む 天気という語意を踏まえて。 むかし、友や同僚の病院見舞いをしていた。 しかし、見舞いに行っても、病状なんかに触れようとしない。 男の友同士にとって、なぐさめや泣き言は禁句なのだ。 冗談から始める。 「お前が休むもんやから 会社がつぶれてしもうたぞ、 当分ここで 粘れや」 アホなこと 下らん話題を選んで、お互いにしゃべり合い、 明るい言葉を投げ合う。 お互いに、ブルーな気分にならないように、気を使い合う。 これが気の合った男同士の 見舞いというものだ。 分かれた後、また梅雨空が戻ってきて 雨が落ち出した。 寂しさと 後悔の念がやってくる。 「一体彼は回復できるのだろうか、はしゃぎ過ぎたのでは、 すっかり気を使わせて、疲れさせ、これで良かったんだろうか」 また、彼は 「せっかく奴が見舞いに来てくれたのに、何か気の利いたことを してやれば良かったのに」 さらに 昔、 傑物だと信頼し慕っていた上司を見舞った時は、 パジャマ姿のまま 道路向かいの喫茶店まで誘って、コーヒを飲み タバコを すぱすぱ。 2時間も 男のロマンを語ることに 付き合って呉れた。 上司は これ程まで部下に気を使うのかと、身に沁みて嬉し かったが、とても 見舞いという代物ではないだろう。 それが故に分かれた後の寂しさがある。 「 ほいじゃな、また来てな 」 「 それでは、また見舞わせていただきます 」 家に帰る。 分かれた後の寂しさを誤魔化す為に またふざける。 「 あの人 どこが悪かったん 」 「 聞かなかった 」 「 何しに行ってきたん 」 「 わからへん 」 こんなことになる。 「五月晴」とは、男の多面性。 「笑いを探す」とは、男同士の優しさ。 理屈言って、闘って、ふざけて、寂しくなって、こんな繰り返し なんだ。 男のユーモアや冗談とワンセットの位置にある底知れぬ寂しさ。 それはまた 特殊に進化した 優しさが変形した物ではないだろう か。 男とは、馬鹿一歩手前の 滑稽な 可愛いもんでもある。 特効薬は 現実をしっかり捕らまえている 女性陣であろう。
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「 女房に 逆らう趣味で 生きている」 虚空 コピー機が老化し、やっと総天然色が得られるヤツを新調した ので、気分良く試し打ちをしていた。 ガラガラとドアが開いて、介護の合間か 女房が 珍しく帰り、 折角 お会いできたのに、疲れ切った顔へのねぎらいの言葉が素直に言い 出せず、また甘え心の虫が這い出して、 「 しばらく見なかったら ずいぶん大きくなったね、 これで 大金持ちになれるから、宝石を買ってやろうか 」と、 からかったら、 「そんな必要のある所へ連れてってくれへんくせに、いらへん」 と真面目に反撃して来た。 腹いせに、チラシの収納箱を漁り、 「 宝石の 豪華カタログ 妻にやり 」 虚空 をしてやった。 喜ぶと思ったら、本当に怒り出し、一日じゅう口を聞かず。 何故だろう、 やっぱり、欲しいんだ。 仲裁を嘆願して、娘三たりに 結末をメールしたが、返事なし。 みんなで 私をいじめる 私は 寂しい 孤独 もう 悪戯はやめよう しばらくは
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「 連れ添えば 超能力が やってくる」 虚空 若葉マークの頃は、こんなだった。 「 やい! 主語と目的語とな、時には述語まで省いて ワシに 話かけんな。 <どうだったん?> と 疑問詞だけで 分かるわけないやろ。 ワシは超能力者じゃないぞ。 それでもな、ワシが一生懸命に推理して答えようとしたら、 もう別の話になってるやないか。 ワシの努力は一体何だったんだ。 めし、食ったらへんど! 」 今は、違う。 かなり 修行したから。 <?>で 大体のことは分かる <?!>で 気配を察知する <?!!>で 体勢を整える <?!!!>で 一目散に逃げる
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「 友ありし 髭を生やした 白衣の天使 」 虚空 愛犬、神が寄越した白衣の天使、いや女だから天女、だが髭を生やして いた。 まあいいや。 行く末 会いたい奴。 天国か極楽に居ると察するが、私はまず地獄に赴くだろうから、 這上がれれば会えるかなぁ〜 いつも金魚のフンのように、私に 付いて来た。 魚釣りも一緒、タモ代わりになる役目が 好みだった。 竿に掛けた50センチものニゴイを、水辺まで行っては、逃がして たまるものかと、小さな姿態で必死に小高い砂利の上まで引きずり 上げた。 そして、やった〜 というような顔をしていた。 でも、バイクで運び 山散歩の時に 一度だけ俺を裏切ったぞ。 首輪なく先行してて、大型犬に出くわし パニック、 大型犬の 前に立ちはだかり 守ろうと 抱えようとした俺の腕を 掻い潜り遁走、短い脚で転げるように逃げ去った。 バイクで、隠れていないかと 茂みを睨みつ追っかけ、団地上の池付近で発見、 追い抜き待つ俺を認めても無視。 帰らなくっちゃ〜 の 一心。 家でハァハァしていた。 足を痛めた上 老衰に瀕しても、俺に訴え媚る素振りも見せず、外で 庭の草むらの中で過ごす。 散歩は、好みの場所まで 抱いていき おしっこ させた。 すっかり 悪くなり、玄関内で寝むらす も ついに 毎夜に失禁。 ある朝、大きなおならと背伸びをして、気を失った。 俺は メタメタになり、自棄酒をあおって二階の自室へ篭もる。 こんな時、一番損な役をするのは、いつも 二の姫。 どれくらい経ったろうか、呼ばれて、 「もうすぐ硬くなるから、今の内に リッキーの頭を撫でてあげて」 と、毅然かつ優しい言葉で、駄目親父を叱ってくれた。 白衣の天使は、部屋の座布団の上に 北枕で寝かされていた。 |





