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たなかじゅんのヨモヤマ日記
漫画家たなかじゅんのブログです。ツイッターもやってます juntnk FBもやってます。

書庫路上観察

あらたなヨロコビ

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町を歩いている楽しみのひとつに路上観察というのがあります。

今から20年ほど前に赤瀬川原平氏や南伸坊氏らが始めたムーブメントです。
たとえば、街中にある建造物に付随する大切に保存された無用の長物・超芸術トマソン
街にあふれるあらゆるハリガミを観察するハリガミ考現学
マンホールのバリエーションを蒐集しひたすら楽しむマンホール観察
他にも色々あるのですが‥それらをまとめて路上観察学会という学会もありました。

(のちにこの楽しみは趣味人の楽しみから俗化し、宝島社が「VOW」として流行らせたりしました)

ご多聞にもれずボクも昔ちょっとはまったりしたのですよ。
ついトマソンを探したり、ハリガミや看板を面白がったり。
あの路上観察という考え方に出会ってから、街を見る目が変わったのは事実です。
一度そういう目をもつと、街は面白いものの宝庫じゃありませんか。
まぁ子供の頃から廃墟が好きだったり神社仏閣が好きだったりしたボクですから
はまるべくしてはまったといえるかもしれません。

しかし藤森氏の看板建築や建築探偵にしても赤瀬川氏のトマソンにしても南氏のハリガミにしても
やはり他人が先に気がついた視点・切り口です。
それらを観察して喜ぶのはまだいいとしても、趣味にして収集するというのは
なんか他人のフンドシで相撲を取るようでちょっと悔しい。

案の定、多分そういう路上観察学ブームの流れで、人々はいろんな楽しみに気付いたようで
高度成長期に作られた団地をひたすら愛好し観察する「団地マニア」やら
激薄不動産を観察分類蒐集する「うす〜い建物」サイトを立ち上げている人
日本全国の廃墟を探訪してフィルムに納める「廃墟マニア」やら‥いっぱい出てきました。

悔しい‥どれも面白い‥!
しかもみんな自分だけの楽しみを見つけててウラヤマシイ!

そんなわけでボクもオリジナルの新しい切り口を思いつきました。
まず一つ目は、横須賀汐入地区で出会った衝撃から思いついた「異世界への階段」
http://blogs.yahoo.co.jp/anibondad/51907964.html

これは見ていると何か異世界へ引き込まれそうな気分になる階段を観察するというやつです。
条件としては幅が狭くて長いことでしょうか。
中国の山水画に描かれるそそり立った岩肌を這うように刻まれた階段が理想像です。
つまりは神仙思想に通ずるものです。ホンマか。

しかしこれは一歩間違えば自分がアッチ側の世界に行ってしまいそうになるので
扱いには注意が必要です。
とくに思いつめている人なんかがコレに接すると「失踪」の引き金になります。
少し危険な趣味です。

二つ目。「退色看板」
レタリング好き・看板好きのボクが、町で見かける看板のうち
ものすごく興味を引かれる看板に共通点があることを今日発見したのです。
それは古くてボロボロで時代を感じるということなのですが、
もっと注意深くみると、たいていの看板は長年の風雨と紫外線によって
退色しているということなのです。
特に赤系が退色しやすいのですが、その退色して文字が判別しづらくなったところに
えもいわれぬ風情というかワビサビを感じてしまうのです。
そのワビサビを楽しもうというのが「退色看板」観察の趣旨です。

写真上の電柱に貼り付けた消火栓のブリキ看板。
多分赤地に白で書いてあったものなのでしょうが、赤だけが退色し、さらに錆びついてしまっています。
いい感じです。
写真下は、横須賀の海上自衛隊の施設の真向かいにあったクリーニング屋?さんです。
たぶん制服などを洗っていたのでしょうか。
御用達(ごようたし)ではなく御指定という用語がいいですね。
これは屋号はほぼ退色というか剥げ落ちてしまって、
剥げ落ちたことによってネガとして判別できるというような有様です。
いい物件です。


‥いやいいんです。
わかってもらえないのは十分承知しております。
「この人何を言っているんだろう‥」
ごもっともな意見です。
でも自分が楽しいからいいのです。

ボクがオリジナルですからマネしないでね!
いや、マネする人などいませんね‥‥

しかしまた、街歩きのヨロコビが増えてしまいました。

  • 顔アイコン

    退色看板ですか良いところに目を付けましたね。
    上記のクリーニング店ですと繁盛していたのだが、店主が病に倒れその後は・・・
    いや、指定店だから注文は途切れることなくあったのだが跡を継ぐものがこの地を離れ、老夫婦で何とか凌いできたのだが寄る年波には勝てず・・・
    いろいろと想像してしまいます。

    マネはしませんが、自分も何か探してみたいと思います♪(=^^=)

    mo_*o*

    2008/3/19(水) 午後 4:53

  • 顔アイコン

    トマソンとは確か巨人にほんの一瞬だけ存在した米国人投手の名前から取られているんじゃなかったかしらん。「あいつ、いったい何のためにおったんや?」そういう気分がトマソン現象と呼ばれていたような気がします。
    考古学に対抗して生まれた、考現学はトマソン現象よりももうちょっと古いですね。
    そういう話は抜きにしても、街歩きは楽しい作業です。知ってる街も見方を変えれば、まったく見知らぬ街に様変わりですもん。

    [ - ]

    2008/3/19(水) 午後 7:32

  • 顔アイコン

    >もうさん
    そう‥なんかいろいろドラマを想像してしまいますよね。
    ああゆう剥げたり退色して古くなった看板のある店の、かつての賑わいを想像するのは、遺跡や遺構を見て過去のロマンに想いを馳せるのと同じです。
    「街道をゆく」シリーズで旅行によう同行されていた画家の須田刻太さんによると、司馬遼太郎さんも同じタイプだったようです‥と自分のやってることを箔づけしてみる。

    ani*ond*d

    2008/3/19(水) 午後 9:37

  • 顔アイコン

    >もちさん
    そうそう、その巨人にいた助っ人外国人のトマソン選手が語源です。
    高い金を出してドジャースから招聘したのに、さすが大リーガーというものすごく力強いスイングをするのに、バットがボールに当たらないということで、ずっとベンチを暖めていたトマソン選手です。

    ちなみに伊藤つかさチャンもトマソン選手が大好きでした。

    考現学は大正時代だかに今和次郎先生が始めた学問ですね。

    ani*ond*d

    2008/3/19(水) 午後 9:44

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