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婉曲(えんきょく)表現というのがあります。 そのまま直接言うのがはばかられる場合などにする、少し持って回ったような言い方のことです。 世間一般でよく婉曲表現が使われる場合というのは (1)エロなど性的表現に関するもの (2)死やグロテスクな表現に関するもの (3)不運や縁起の悪いことに関するもの (4)差別的なニュアンスを含むもの (5)排泄行為や汚物に関するもの その場で直接表現するには「配慮が足らない」「下品だ」…そういった場合 直接表現せず、比喩(たとえ)や、回りくどい表現で、それを察してもらうというものです。 例えば(2)に関して、よくニュースなどで 「全身を強く打って死亡しました」とあるのは 「バラバラのグチャグチャになった」ということの婉曲的慣用表現だそうです。 (1)に関しては、女性がレイプ被害に遭ったときなどは 昔は「犯された」と生々しい表現を耳にしたものですが それではあまりに被害者の人権を考えていない…ということで 最近は「乱暴された」→「暴行された」と表現が変わってきてしまいます。 これなどは一見確かに被害者の人権は守られているかのように感じますが 「暴行された」では「殴る蹴るの方の暴行」と、若干意味が軽く取れてしまい 加害者に「ちょっと殴っただけ」的な、なんというか 「そんなに悪いことしてないぞ」的恩赦のニュアンスを与えかねません。 婉曲表現とはいろいろ難しい問題をはらんでいます。 今までのは前置きです。 (5)に関して。 「厠(かわや)」つまり「便所」のことです。 これは日本だけでなく海外などでもそうなのですが 大抵婉曲表現されます。 「便所」や「便」も本来は婉曲表現だったと思います。 「便」は「便利」とか「利便性」とかコンビニエンス的な意味だったのです。 ウンコを意味する本来のそのものズバリの漢字は「糞(フン・くそ)」 オシッコは「尿」です。 それをたとえば「便所に行くこと」を「用を足す」と婉曲表現したことから 「用を足す」と同じような意味の「便」という言葉が使われ それが「用を足すところ」→「便所」 それにつられて「糞」→「大便」、「尿」→「小便」となったんではないかと ボクは勝手にニラんでいます。 (これはボクの推測です、ホントのところは知りません) そして本来は婉曲表現であったものが その言葉が広く人口に膾炙することによって婉曲ではなくなり そのものズバリを指す言葉になってしまったようです。 これは「差別的表現」にもよくあることですが 「ある表現が差別的だ」→「別の表現をしよう」→「認知されすぎてしまった」 →「すでにその語も差別表現になってしまった」→「別の表現を」→以下無限ループ …と、こういう困った事態になっている場合があります。 話がそれました。 そう、もはや「便所」は婉曲表現でもなんでもなく、 たとえば高級ホテルやデパートなどでは 「直接表示するのははばかられる、そのものズバリの言葉」になってしまったということです。 そういうわけで、「便所」を示すための婉曲表現が使われます。 1)お手洗い・御手洗 これは便所に行くと必ず手を洗う(だろう)ということで生まれた表現。 2)WC 英語的婉曲表現。さらにもってまわってワシントン・クラブとも言ったり。 3)トイレ これは英語では直接表現かも知れませんが、カタカナ外来語にすることで 少しニュアンスがやわらいでいます。 (ま、今現在の日本ではすでにかなりの直接表現ですが、便所よりは爽やか) 4)Toilet
それをアルファベット表記にすることで、日本人にとってはさらに婉曲度が増します。
これ、元々はフランス語なんでしょうか。(発音はトワレ?)昔、少年ジャンプで「トイレット博士」というマンガがありました。 5)休憩室・Restroom
便所に行って用を足すことを「休憩をとる」ことになぞらえた表現。
6)化粧室 女性などは便所の手洗い場の大きな鏡の前で化粧直しをすることも多いので ちょっと高級な雰囲気のお店では好んで使われる表現。 ただしこの婉曲表現、「化粧室」とだけ表示する場合は大丈夫なのですが 使い方に注意しないと、論理矛盾というかケッタイなことになる場合があります。 以下の横浜の都筑区にある、阪急モザイクモールというショッピングモールにある トイレ表示の写真を見てください。 う〜ん、言いたいことはよくわかりますが、これでいいのだろうか。 男性で化粧する人はかなり少数派だと思うのですが… こういうお客さん相手の表示ということでしょうか。 デビッドボウイあたりがグラムロックのスタイルでやり出し 80年代には日本でも化粧する男性が現れ のちのビジュアル系へとつながるムーブメントはありました。 でもそんな人、一般にはあんまりいないと思うんですが…。 このプレートを取り付けていた業者の人は何もギモンを感じなかったのでしょうか。ねぇ…。 なんともはやこんな事態に!
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「工事をしたのは日本人ではなかった」に一票!
[ 電柱小僧 ]
2010/2/26(金) 午前 8:04
また懐かしいキョージュ(笑)と、そして今は亡き清志郎神。(涙)
婉曲表現は平安の昔からあるそうで、
宮中では梨のことを「無し」とかぶって縁起が悪いからということで、
「有りのみ」と称していた事があったそうです。
もっとも私を含めてコンピュータ関係でメシ食ってる人間は、
しょっちゅう専門用語という婉曲表現と格闘しているような気がします。
基本的に専門用語が外来語なので仕方がない気がしますが、
これもまた巧みに日本語化してきているものもあって、
苦笑しつつ使っていたりしています。
(例)
「おーい、サーバーにアクセス出来へんけど、トラフィックどーなってんの?」
「あー、DNS解決当たりでコンフリクト起こってますねん。」
トラフィック=「通信の混み合い具合」の意味
(本来の英単語の意味ではない)
コンフリクト=「衝突」の意味。(こっちは本来の意味通り)
・・・日本語で言えよと。(汗)
[ そむにうむ@森山 ]
2010/2/26(金) 午前 9:42
>電柱小僧さん
そのはボクも思いました。大いにありうると。
しかしもし工事をしたのが日本人でも、施主や現場監督に意見できるかどうかという問題もあります。
施主の阪急の意向なら逆らえませんしね…。
真相やいかに。
2010/2/26(金) 午後 0:18
>そむにうむ@森山さん
懐かしいでしょ、キョージュと故キヨシロー。
コンピュータ用語はホントにチンプンカンプンですよね。
元の英語の意味にそんなニュアンスがあったのかというオドロキだらけです。
だいたい元々コンピュータなんてなかった昔から英語にあった言葉をコンピュータ用語として使っているわけです。
「プロトコル」とか。そんな英語知らん!と言いたい。
でもこういうの「比喩表現」であっても
「婉曲表現」とはちょっと違うと思うんですよ。
べつに「口にするのをはばかられてない」ですからね。
ネイティブのアメリカ人(イギリス人にあらず)にとっては
結構直接的でわかりやすい英語だったりして。
知らんけど。
「アーカイブ」「ドキュメント」しかり。
「トラフィック」は「交通」って意味ですからね、本来。
2010/2/26(金) 午後 0:26
すんません、レスさせて頂きます。(^^;)
>>でもこういうの「比喩表現」であっても
>>「婉曲表現」とはちょっと違うと思うんですよ。
実は書き込んだ直後に私もそう思ったのですが、
さらによく考えてみるとこれが一種の婉曲表現だったりする事に気づいたので、そのままにした次第です。(汗)
というのも、例文会話をそのまま日本語に置き換えると
「おーい、サーバーに接続出来へんけど、通信の混み具合どーなってんの?」
「あー、DNS解決当たりで衝突起こってますねん。」
と、実は問題点があからさまにわかるので会話が若干ケンカ腰になってしまうのです。
ということで、これはネット系開発のみの独特な例なのですがヘンな横文字を入れる事で問題点のニュアンスを若干和らげる役目のある婉曲表現になっています。(汗)
[ そむにうむ@森山 ]
2010/2/26(金) 午後 4:32
>そむにうむ@森山さん
なるほど、それはたしかに「婉曲表現」ですね!
ハッキリ言うとカドが立つ、
もってまわったカタカナ専門用語でカドを丸める…と。
納得!
2010/2/26(金) 午後 8:57