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たなかじゅんのヨモヤマ日記
漫画家たなかじゅんのブログです。ツイッターもやってます juntnk FBもやってます。

書庫ものづくり

ヘラ絞り工場見学

昨日、プロダクト・デザイナーH川さんに誘われて
川崎にあるヘラ絞り工場の見学に行ってきました。
インダストリー・ジャパン社長で産業ジャーナリストの那須さん
工場取材の付き添い&お手伝いです。

イメージ 1うかがったのは、川崎市にある
ヘラ絞りの(有)相和シボリ工業さん。

先ごろ川崎マイスターに認定された
すごい工場です。



今までボクも取材などで
いろんな工場を見学してきました。
旋盤屋さん、マシニング屋さん、
挽き物屋さん、ワイヤーカット屋さん、
木型屋さん、機械屋さん…などなど。

しかしこのヘラ絞り工場だけは
実際に見たことがなかったので
(テレビではさんざん見ましたが)
ちょっと楽しみでもあったのです。



ヘラ絞りに関しては、以前から
いろいろ疑問に思っていたことが
ありました。

まずヘラ絞り機というもの。
あれはほとんど汎用旋盤に
近い形をしています。
あれはヘラ絞り機という機械が
市販されているわけではなくて
ひょっとして汎用旋盤を改造して
作ったものではないか?という
疑問です。











イメージ 2

イメージ 11




























そしてついにそのヘラ絞り機に出会いました!
見れば見るほど汎用旋盤にソックリです。
そしてその疑問を社長さんにうかがいました。

やはり汎用旋盤の部品で出来ていとのことでした。
ベースは古いタイプの汎用旋盤のベースを使い、
心押し台や主軸部分はそのまま旋盤用のもの。
でそれに後付けでヘラを支える台を付け足したものでした。

やっぱりそうだったか!長年の謎が氷解しました。

なぜそんなことを思ったのかというと
以前スクリューシャフトの工場の機械のことを調べていたとき、
そこで使っていたのは、汎用旋盤にナナメに回転砥石を取り付けた改造を施された…
つまり汎用旋盤を改造した機械だったからです。


で、そのシボリ工程を順を追って見せてくれました。

イメージ 12

この専用の機械を使って薄板(鉄板やアルミ板、ステン板、銅板など)を
必要な径にくるっと丸くカットします。

イメージ 13


そしてそれを旋盤にかけます。
切り口(縁の部分)をキレイにするためです。
(そうしないと、絞ったときに均一にならないそうです)

イメージ 14

ちなみに、金属加工には潤滑油や切削油、加工油が必須ですが
汎用旋盤のそばには、たいてい空き缶やプラスチックの容器に油を刷毛を入れて
いつでも加工物に塗れるようにしていますが、さすがここはシボリ工場です!

イメージ 15

この工場で使われている
すべての容器は
自社製のシボリ容器です。

そりゃそうだ。
こういう器はこの工場には
売るほどありますからネ。
















イメージ 16


さていよいよシボリです。
旋盤でいうチャックの部分には丸い金型が装着されています。
そして先ほど丸くカットした薄板を、その金型と心押しの間に挟み回転させます。

イメージ 17


ヘラ棒支持台の丁度いい穴にピンを立て、そのきヘラ棒を差し込み、支点とします。
そうテコの原理支点です。
それでヘラ棒に体重をかけて回転する薄板をヘラの先で金型に押し付けていきます。

写真はローラーつきのヘラですが、ローラーのない真鍮製のヘラを使うこともあります。

イメージ 3

そしてこれが
絞ったもの。

薄板がキレイな半球形に
なりました。




















イメージ 4




















イメージ 5

そしてこれがNCシボリ機

不思議に思いませんか?
汎用のシボリ機の専用機は売っていないのに(旋盤を改造して作っていた)
なぜかNCシボリ機は存在するんです。

たしかに数物などはこれがないと大変かも知れません。

で、このNCシボリ機は不思議なNCです。

普通NC(数値制御)というと、加工での刃物の動きなどを
コンピュータで数値制御して動かすものを言います。
代表的なのがマシニングセンタで、あれは加工物の形状や穴の位置などを
プログラムで組んで機械を動かして使います。

しかしこのNCシボリ機のNCは考え方が全く違います。
人間が一度やってみせて、その人間の動きをコンピュータに覚えさせ
そして同じ動きをさせる
のです。
これをティーチングといいます。
つまりコンピュータは人間の動きを模倣して、何度もそれをなぞるのです。

これはまるで初期のスターウォーズの特撮で
ジョン・ダイクストラが開発したモーション・コントロール(別名ダイクストラ・フレックス)
原理は同じです!

つまりプログラムなんか組まなくても人間の感覚でNCが扱えるのです。

しかしそれはシボリという工程自体が「プログラムなどによって数値化しにくい」
非常に微妙なニュアンスの動きをさせなければならないからともいえます。

こういうNCの使い方に大感動したワタクシでした(ただのスターウォーズファン)。

で、そのNCシボリ機を「使ってみます?という恐ろしい提案が!

イメージ 6

イメージ 7

写真は体験中の那須氏。ボクもH川さんも全員体験させてもらいました。
レバーでヘラをXY方向に動かします。
なかなか難しい。
 
イメージ 8

初めてにしては
上手い上手いと
褒められましたが、
よく見ると
角のRが大きい。

やはり素人と玄人は
違います。

この加工を
この工場では
美人社長夫人
やっています。











イメージ 9

イメージ 10

ここは家族で工場をやられています。
ボクが感動したのは、奥さんが作業着で油まみれになって
イキイキと働いているところです。
あんなに美人なのに手とかも油まみれ
とにかくこの仕事が楽しくてしかたがないようです。
あと、いつも家族と一緒にいられるというのがとても幸せなようです。
スバラシイ!

最近、製造業のキレイなオフィスでオシャレなカッコで働いている女子に対して
「ものづくり系女子」なんて言葉でもてはやす風潮があるようですが
こういう女性こそ、高く評価してあげてほしい!
こういう人こそがホンモノなのだ!

そしてそういう両親の姿を見て育った息子さんは
今は2代目としてしっかり跡を継がれています。
職住一致で(二階が住居)子供の頃から働く両親の姿
それも楽しそうに働く姿を見て育ったからでしょう。

なんかすばらしいものを見せてもらいました。

取材に行った三人衆(バツイチ2人・未婚1人)
家族の愛を見せ付けられ、すっかり当てられた…そんな取材でした。

  • 顔アイコン

    うわー匠の世界だ〜
    まだ機械じゃ人間の作った最高のものにはかなわない部分もまだまだあるみたいですから凄いですよね!

    あの紙をくりぬく金属のくりぬき板見たいの?凄く切れて最高に長持ちするのを作れるのは日本一人しかいないって聞いたことがあります
    ´∀`

    [ 天玉うそば ]

    2012/1/21(土) 午前 3:21

  • 顔アイコン

    > 龍門弐号 さん
    NCヘラシボリ機のNCの扱いが面白かったですね。
    人間が機械をしつけているみたいでw

    ani*ond*d

    2012/1/21(土) 午後 2:41

  • 顔アイコン

    家族経営で、奥様が経理ではなく現場。すごい、の一言。この系譜が末永く続きますように。

    [ was*io5 ]

    2012/2/7(火) 午前 0:55

  • 顔アイコン

    > was*io5さん、はじめまして。
    奥さんは経理よりも現場の仕事が好きでたまらないようです。
    いいですよねー。

    ani*ond*d

    2012/2/7(火) 午前 8:27

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