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たなかじゅんのヨモヤマ日記
漫画家たなかじゅんのブログです。ツイッターもやってます juntnk FBもやってます。

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散髪屋さんにて

今日ネームをするのにあまりにうっとおしいから散髪に行きました。
いつも行く安い散髪屋さんです。

そこで散髪をしてくれたお姉さん(ホントはオバサンだがあえてお姉さんと呼ばせてもらおう)と
いつものようにべちゃくちゃしゃべりながら、というか気さくにしゃべりかけてくるので
こちらも気さくに返していただけですが、まぁそうやってしゃべりながらカットされていたワケです。

「今日はどうされますか?」
「こうこうこう〜してください」と具体的に指示するボク。

チョキチョキ‥

「お客さん今日はお休みですか?」

世間話を始めるときの話の糸口の定番フレーズを言うお姉さん。

「いえ、仕事中ですけど‥」

だいたいここでいつも返しに困る。ええ年をしたオッサンが平日の昼間に来るわけだから、さぞ疑問に思っているだろう。でも素直に答えることにする。

「‥自営業なので、わりと融通が利くんですよ」

ここではまだ「漫画家」などと余計なことは話さないほうがいい。

しかしここで「どんなお仕事なんですか?」と具体的に聞かる流れになることがよくあります。
まぁだいたい40%の確立ぐらいで。

しかしまだ早計に漫画家だとは言ってはイケマセン。
なぜならもし漫画家だと言うと
「え?どんな漫画描いてるんですか?」とか「どこに描いてるんですか?」とか
それはもう執拗に質問攻めにされることがあるからだ。

でもたいていボクの漫画なんか読んだことがないので、答えたところで
「へぇーそぉーなんですかー」とアッサリというか期待ハズレというか
ガッカリされることが目に見えている。
そうなったらヘコむのはボクのほうです。

あるいは場合によっては
「私の知り合いのイトコも漫画家なんですよ〜○○っていうんですけど」
ボクよりも売れている著名な漫画家の名前を出されてますますヘコむ。

そういうメンドクサイ流れになる場合がよくあるので、その流れは拒否したいのです。
もちろんホントに興味を持って真剣に聞いてくれたり、たとえばボクの漫画を知ってそうだったり
そういう場合はむしろよろこんで答えるんですが
たいていの場合単なる軽い世間話の流れの中で軽く聞かれることが多く
そんな軽い流れの話の中で具体的に個人が特定されるようなことになるのはわずらわしい。
ふつうの会社員なら「会社員です」で済むところが、そうはならないのです。

するとそのお姉さん

「え〜っ!その年で自営業はすごいですね〜!」

ん?今回は話の流れが違うぞ。

「その若さで自営業はすごいですよ〜」

あんまり言われたことがないセリフです。
どうやら脱サラをして商売を始めた人かなにかと思っているようです。
いや違います。脱サラなどしていません。だってサラリーマン経験がないんですから。
始めから自営業(ホントは自由業)なのです、この商売は。

しかしこの驚きぶりはちょっと変だぞ。
そうか‥どうやら年齢を勘違いしているんだな。

「いやそんなに若くないですよ、もう42ですし‥」

「えっ?見えないですよ、てっきり32〜3かと思いましたよ」

なんていいお姉さんだ!

ここでボクがこの人を「お姉さん」と言いたい気持ちがわかってくれたでしょうか。
しかも散髪の手際もよくてあっという間におわってしまいました。
そんな嬉しいことを言うてくれるんなら、もっと手際悪くゆっくりやってもらうんだった。

---
ちなみに関東では「散髪屋さん」とは言いません。
「床屋さん」です。
どんなに流暢な標準語をしゃべっていても、「散髪屋さん」と一言もらすだけで
「西の人」とバレます。いやまぁバレてもええんやけどね。

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